BTCマイニング機器大手のエバンがIPO申請
最大手ビットコイン採掘機器メーカー、エバンインターナショナル(Ebang International)が米国で新規株式公開(IPO)を申請したことが分かった。
米国証券取引委員会(SEC)に提出された様式によると、エバンは最大1億ドルを調達する予定。1株あたり額面価格HK $ 0.001(US $ 0.00013)のクラスA普通株を発行することを検討しているという。
ニューヨーク証券取引所またはナスダックのグローバルマーケットに「EBON」というティッカーシンボルを付けて上場予定。シカゴのループキャピタルマーケットと香港のAMTDグローバルマーケットが、この取引の引受人となる。
エバンは中国を拠点として2010年に設立、マイニングマシン用の特定用途向け集積回路(ASIC)チップとファブレス集積回路(IC)を製造するハードウェア企業の1つ。ビットコインマイニング用チップにより、2019年の収益の82%を得ている。
危険因子はBTCボラティリティと新型コロナ
エバンは、リスクファクターとして、BTC価格と新型コロナウイルスのパンデミックを挙げている。
同社の経営成績は、ビットコイン価格の変動により大きな影響を受け、特にBTC価格の急激な下落により著しく影響を受けることが予測されているという。
また、ビットコインの価格は、BTCマイニングマシンの需要に直接影響を与える傾向があり、この傾向が続くことも予想していると同社は申請様式に明記。
新型コロナウイルスのパンデミック状況についても、BTCの価格が低下すれば同社の事業と財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。
エバンは感染拡大を阻止するための検疫措置により操業の停止を経験している。こうした事態が起こると、原材料の供給不足、生産能力の低下、同社顧客のデフォルトを引き起こす可能性があるとも同社は併記した。
ビットメインやカナンも米国でIPO申請
エバンは2018年6月に香港証券取引所(HKEX)での株式公開に失敗しており、今回は2回目の試みだ。
ライバルのビットコイン採掘機器メーカーであるビットメインとカナン・クリエイティブもHKEXで株式公開しようとしたが、香港の規制当局が仮想通貨関連の企業の上場を許可することに消極的だったため、計画は失敗している。
カナンは、昨年米ナスダックでIPOを実現、目標の4億ドルを大きく上回る9億ドルを調達した。ただその後、カナンの株は暴落し、上場以来約53%減少している。
ビットメインも、昨年10月末に米国SECにIPOの申請書類を提出した。