いち早く仮想通貨関連企業に金融サービス提供を開始
仮想通貨関連企業へのサービス提供に重点を置く米シルバーゲート銀行が、第1四半期決算(1月〜3月)を発表、 仮想通貨関連事業の業績が大きな伸びを見せていることがわかった。
米カリフォルニア州に拠点を置くシルバーゲート銀行は1988年創業。ニッチな産業への融資に特化し、ほとんどの銀行が取引を敬遠していた2013年、仮想通貨市場の金融サービスの需要に商機を見出し、いち早く仮想通貨業界へサービスの提供を開始した。
現在、その顧客リストには、米仮想通貨取引所大手のコインベース、ジェミニ、クラーケン等が名を連ねている。仮想通貨市場の成長とともに、同行の事業も着実に成長を遂げ、昨年11月には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)へ上場を果たしている。
第1四半期決算内容:仮想通貨関連
第1四半期決算発表にあたり、シルバーゲート銀行CEOのAlan Lane氏は、同行が仮想通貨業界で「革新的な金融インフラソリューションとサービスを提供する」主要プロバイダーとなったことで「デジタル世界」における成功に有利なポジションを確立したと語っている。
特に重要な点として、仮想通貨企業に特化した自社の決済ネットワーク「Silvergate Exchange Network(SEN)」が機関投資家の顧客に対して、週7日、1日24時間、休むことなく顧客間での資金(米ドル)の移動を可能にし、資本効率をあげていることを強調した。
そして、その言葉はQ1決算書の数字が物語っているようだ。
・顧客(仮想通貨関連企業)数の増加2019年Q4:804社が、850社へ増加、前年同期(617 社)からは38%の増加。
さらに200社が加わる見込み。
・SENのトランザクション数の増加
2019年Q4の1万4400件から、3万1405件へと倍増
前年同期の7097件に比較すると、4.4倍強の増加
・SENの米ドル送金処理額の増加
2019年Q4の96億ドルから、174億ドルへ181%の増加
前年同期は41億ドルで、4倍強の増加。
なお、仮想通貨関連手数料の収益は、2019年Q4の140万ドルから30万ドル増加し、170万ドルとなったという。前年同期の収益は90万ドルで、1年で約2倍近い伸びを見せている。
Lane氏は、ビットコイン全体の取引量が75%の増加であるに対し、シルバーゲート銀行のビットコイン取引量が前四半期から118%増加した事実を鑑みると、顧客がデジタル取引を好む傾向にあることが、SENのシェア拡大に結びついていると評価している。
次のステップ
Lane氏は、機関投資家の顧客数の増加に伴い、SENのネットワーク効果と競争力がさらに高まることを確信しており、次なるステップとして、ビットコインを担保とする米ドル建ての融資を、リアルタイム、かつ365日、24時間体制で処理できるような製品を提供するという。
同氏は、現在、試験期間中であるとしながらも、第1四半期中に1250万ドルのビットコイン担保ローンを承認したことを明かした。 2020年後半にはこの製品を本格的に展開する予定だという。
今年1月には、欧州ルクセンバーグを拠点とする大手仮想通貨取引所、Bitstampが「SENレバレッジ」のローンチに向けて、シルバーゲート銀行と提携を結んだことが報道された。