和解に向けた専用ホームページ設立
テゾス財団が2017年に実施したICOによる資金調達を巡る裁判で、訴訟を起こしていた投資家に対し、財団側が2500万ドルの和解を提案。専用のホームページが設置された。
この集団訴訟は、トークンセール後の財団内部の対立などによりトークン配布が遅れたこと、米国内で無許可の未登録証券を販売したことなどを焦点にしたものだ。
テゾス財団は今年3月、「いかなる過ちも犯しておらず裁判は無益」と強調しつつ、和解することがコミュニティとテゾスプロジェクトにとって最も有益になると考えたと説明していた。
和解案はまだ裁判所により承認された訳ではないが、「tezos foundationsettlement.com」という、和解についての事項を説明する専用のホームページが立ち上げられている。
このホームページによると、2017年のICOに出資した和解の対象者は、案について異議がある場合や和解集団から自分を除外したい場合は2020年8月6日までに申し立てを行うことができる。また和解案に基づく支払いを受けるには2020年10月16日までに請求フォームを送る必要があるという。
ホームページでは、FAQも用意されており、訴訟の詳細や、和解案に影響を受ける者の範囲、各種申し立て期日などが説明され、オンライン請求フォームを提出することも可能。和解が成立次第、円滑に対応することができるよう環境が整えられていることが分かる。
もし和解が成立した場合は、財団が用意する2500万ドルは専用口座に入金され、その利息と共に和解基金を構成する。個々の投資家に幾ら和解金が支払われるかは未定だという。
8月27日に行われる予定の公聴会で、裁判官が現在提出されている和解案を公正で合理的なものと認めるか、却下するかの決断がなされる予定だ。
テゾスの普及は順調
財団内部の争いにより一時はプロジェクトが停滞していたテゾスだが、現在は順調な進展がみられる。
株式やETFから仮想通貨まで広く格付けを行う独立系機関Weiss Ratingsが4月に発表したランキングによると、テゾスは仮想通貨の技術部門における評価で1位を獲得。時価総額は約20億ドルで、現在仮想通貨の時価総額ランキングでは11位に位置する。
また、米コインベース、Bitfinex、バイナンス、クラーケン、Huobiなど多くの大手仮想通貨取引所がテゾス(XTZ)のステーキングサービスを提供開始。Bitfinexでは3%〜5%、バイナンスで6%〜7%、クラーケンで6%ほどの年利が付くことが見込まれる。