はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

サマーズ元米財務長官が語る「仮想通貨の発展」が期待される分野

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

サマーズ元米財務長官インタビュー

米クリントン政権で財務長官、その後オバマ政権で国家経済会議議長を務めたローレンス・サマーズ氏は、25日に公開された仮想通貨金融大手Circle社のYouTube番組「the Money Movement」で、マクロ経済の視点からデジタル通貨に対する考えを語った。

Circle社CEOのJeremy Allaire氏による40分間のインタビューで、サマーズ氏はデジタル通貨に対する自身の立場に関して「ビットコイン伝道者と、伝統主義者の中間に位置する」と形容し、仮想通貨議論を支える三通りの主張について、それぞれに対する考え方を述べた。

仮想通貨議論の「三つの柱」

サマーズ氏によると、歴史的に仮想通貨やビットコイン支持の論拠となっているのは、次の三つの考え方だという。

まず、政府が現行の通貨政策に失敗し、法定通貨の価値が下落するという議論:金融危機に対処するための量的緩和がハイパーインフレに繋がり、金(ゴールド)のような資産への投資熱が高まる。しかし、様々な問題があるため、インターンネットで適切な形で交換可能な「ゴールド」が非常に価値のあるものとなるという主張。

この主張に対し、サマーズ氏はインフレにより、人々が希少な資産へ投資する需要が生じる可能性は認めるが、これが既存の通貨システムの崩壊につながるとは考えられず、仮想通貨を牽引していく要因だとは思えないと述べた。

サマーズ氏は新型コロナウィルスの蔓延に伴う世界的な経済危機において、アメリカ政府の対応を高く評価しており、連邦政府が大規模で大胆な経済支援策を実行していなかったら、市場は崩壊していただろうと述べている。そして、政府が金融システムを支援する限りは、銀行の取り付け騒ぎなどは起こらないだろうと、政府および現行のシステムに対する信頼を表明している。

プライバシーは重要ではない?

第二の議論として、「リバタリアンの楽園」としての仮想通貨論、つまり金融プライバシーと自由という基本的権利を守るための仮想通貨という主張があるが、サマーズ氏はプライバシーの向上には反対の立場をとっている。欧州中央銀行と協力し「ビン・ラーディン」とのニックネームで呼ばれた500ユーロ札を廃止したことに触れ、「政府は、脱税者やマネロン実行犯、プライバシー信奉者や狂信者が暗号技術を使い、プライバシーを現状以上に高めることは許可しないだろう。」と述べた。

政府は金融の匿名性を促進すべきではないとの立場を取るサマーズ氏は、「規制、汚職、脱税の懸念に関するものであれば、政府は徐々に、より制限されたプライバシーを望み、最終的に政府は望むものを手に入れるだろう。」と主張した。

仮想通貨が有望な分野

仮想通貨を支持する第三の議論は金融の「摩擦解消」としての役割であり、この領域こそが仮想通貨の発展が見込める分野だとサマーズ氏は言う。

サマーズ氏は、海外送金、クレジットカードやATMの手数料を例にとり、決済自体と決済のための労力という両面において、過剰な摩擦が生じていると指摘。 決済の中間事業者の「欲」だけでなく、相互信頼に関連した様々な問題や困難から、このような摩擦が発生していると述べた。

そして、仮想通貨コミュニティが大きく関与し、貢献しているのは、「互いに信頼していない人々のグループが、共にビジネスを行うことを可能にする」制度的なイノベーションであり、根本的ななものだとして、それこそが大きな未来につながるだろうと強調した。

出典:The Money Movement

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/24 月曜日
11:47
ソラナのインフレ率を下げる改善提案 今後6年で2,230万SOLの発行量削減見込む
仮想通貨ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開した。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みだ。
10:25
「仮想通貨市場の弱体化、背景にマーケットメーカーの機能不全」トム・リーが指摘
ビットマイン会長が仮想通貨市場の下落が続いている要因を分析した。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示している。
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン売られ過ぎでも反転せず、12月FOMCの据え置きが現実味を増す|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC対円相場は1400万円割れまで下落。ヌビディア好決算後も1400万円割れが続き、米雇用統計の強弱まちまちな内容が見通し悪化を助長。12月FOMCでの金利据え置き観測が強まる。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧