スケーラビリティ問題の改善方法に言及
仮想通貨(暗号資産)イーサリアムの次期大型アップグレード「ETH2.0」に向けたスケーラビリティ対策が、実際にETH2.0に移行する前から利用できることがわかった。共同創設者ヴィタリック・ブテリンが、ETHのスケーラビリティの改善方法について見解を示した。
現在のETH1.0に、ETH2のセカンドレイヤーソリューション「Optimistic Rollups(OR)」を適応すると、1秒あたりの取引処理数(TPS)が2000から3000まで対応することが可能になるという。ETH2.0のフェーズ1ではこれが10万TPSまで上昇する計算になる。
ETH2 scaling for data will be available *before* ETH2 scaling for general computation. This implies that rollups will be the dominant scaling paradigm for at least a couple of years: first ~2-3k TPS with eth1 as data layer, then ~100k TPS with eth2 (phase 1). Adjust accordingly.
— vitalik.eth (@VitalikButerin) June 30, 2020
ヴィタリックは「少なくても2年から3年の間は、『rollups』は優れたスケーリングのソリューションとして活用できる」としている。
ORはイーサリアムのスケーラビリティ改善に貢献する技術のひとつ。取引の安全性を確保しつつ、ロードマップでは最大2000TPSまで取引処理を伸ばすことができる技術として紹介されている。
ORの技術については、ヴィタリックは以前から言及。今年2月に行われた「ETHDenver」というイベントでも、ETH2.0の開発やテストを繰り返す中で、ORのような技術を活用できることに気づいたと説明。「もちろんETH2.0が早くローンチされることを望んでいるが、たとえそれまで5年かかったとしても、シャーディングを導入するまでの間、ORは我々に余裕を与えてくれるだろう」と語っていた。
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ETH2.0にアップグレードする目的の1つはスケーラビリティの改善だ。トランザクションの並行処理を可能にするシャーディングの導入は、ETH2.0の第2段階に当たるフェーズ1となる。