CoinPostで今最も読まれています

『汚れたビットコインを資金洗浄』FBI機密文書漏洩で発覚した手口とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FBI機密文書がビットコイン交換方法に言及

先月、大量に漏洩した米連邦捜査局(FBI)の機密文書の中に、「汚れた」ビットコインをいかに資金洗浄するかについて詳細に解説している文書が発見された。

犯罪者は中米パナマの仮想通貨両替サービスを利用し、ビットコイン(BTC)をプライバシーコインのモネロ(XMR)と交換する手法を使っていたようだ。

漏洩した24年分の大量なデータ

人種差別への抗議行動が続くアメリカで、奴隷制廃止記念日である6月19日、米国の警察や連邦捜査局(FBI)の機密情報が大量に漏洩した。

このデータファイルは「BlueLeaks」と呼ばれ、ウィキリークスと並び称される団体、「Distributed Denial of Secrets」(DDoS、”分散型秘密拒否”)が公開したもの。

世界的ハッカー集団「アノニマス」が200以上の警察及び公安情報管理組織などからハッキングした24年分のデータだという。

ダークネットを利用する犯罪者の資金洗浄の詳細が書かれたFBIのレポートは、269ギガバイトという、BlueLeaksの巨大なデータファイルの中で発見されたものだ。

なお、一般へのデータ配布用として使われていた団体「DDoS」のサーバーは、昨日7月7日、ドイツ当局によって押収されている。

仮想通貨両替サービスを利用した資金洗浄

レポートでは、ダークネット市場(DNM)の犯罪者が法執行機関の追跡から逃れるため、パナマの仮想通貨両替サービス「MorphToken」を利用して、不正に手に入れたビットコインをモネロに交換する可能性が高いと指摘している。 

FBIは、ダークネットのサイト及びフォーラムからの情報収集、ブロックチェーン上の取引データの独自分析、またMorphTokenのAPIを利用した監視に基づいてこの判断に達したということだ。

「Apollon」及び「Cryptonia」という名称の二つのDNMが指摘されているが、今年1月の時点でFBIはApollon関連で11BTCをMorphTokenに送り、モネロに交換した容疑者を特定しているという。

また、昨年5月から9月の間にCryptoniaで行われたビットコイン取引の手数料を分析したところ、MorphTokenに関連するアドレスに送付され、その全てがモネロに交換されていたことが、MorphTokenのAPIの照会から明らかになった。

さらに、同年11月、麻薬取引で生じた収益をMorphTokenへ送金したDNMの販売人4人を特定したという。MorphTokenでは5つの仮想通貨とビットコインの交換が可能だが、FBIが特定したほぼ全てのビットコインは、モネロに交換されていたとのことだ。

パナマとモネロ:マネロン最強の組み合わせか

中米パナマの名前を広く知らしめたのは、史上最大のリークと呼ばれる「パナマ文書」事件。パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した総数1150万件を超える租税回避行為に関する機密文書には、各国の首脳関係者や要人、有名企業や著名人が含まれていた。

タックス・ヘイブンであるパナマは金融機関の機密や個人の匿名性を保護することでも知られており、仮想通貨や取引所に対する規制も実施していないという。FBIはMorphTokenのような取引所では顧客確認対策が十分でないと懸念を表明している。

一方、プライベートコインとして知られるモネロ(XMR)は、サイバーセキュリティ企業マカフィーの創業者、ジョン・マカフィーによれば、ダークネットの99%の取引で受け入れられ、ビットコインに勝ると豪語される仮想通貨だ。

リング署名、ステルスアドレス、秘匿トランザクションという三つの技術によって、高い匿名性が築かれている。

FBIのレポートでは、法執行機関が仮想通貨の追跡に成功する事例が増えるにつれ、犯罪者はモネロのような匿名性の高い仮想通貨を利用する可能性が高くなるだろうと述べている。

出典: FBI WASH INGTON FIELD OFFICE

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/13 金曜日
15:00
ヴィタリック・ブテリン氏、L2プロジェクトの分散化を促す基準適用を宣言 
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリク・ブテリン氏は、L2で分散化に関する一定の基準を満たさないプロジェクトについては、来年からは公に支持することはないと宣言。同氏が定義した分散化の三段階で「ステージ1」に達していないプロジェクトは「失敗」とみなすと述べた。
13:40
SWIFT、現実資産(RWA)トークン化分野で新たなソリューションを開発
SWIFTがトークン化資産と法定通貨の相互運用性を高めるソリューションを開発中。CBDCやステーブルコインも利用予定。
10:50
eToroがSECと和解 米国でビットコインなど3銘柄のみ提供へ
eToroがSECと和解し、2億円の罰金支払いに同意。米国顧客向け仮想通貨取引をビットコインなど3銘柄に限定へ。
09:50
ディーカレット、63億円超を資金調達
デジタル通貨DCJPYの事業基盤強化に向け、ディーカレットホールディングスは第三者割当増資で総額63億4,900万円の資金調達を実施したことを発表。今後の計画も説明した。
08:30
コインベース、仮想通貨ビットコインの代替資産「cbBTC」をローンチ
仮想通貨取引所大手コインベースは9月12日、8月に予告していたcbBTCトークンをイーサリアムとベースチェーン上で展開した。
07:45
米SEC、採用方針が法違反の可能性
米SECは、メンバーを採用するに政治的な考え方を考慮している疑いが持たれている。米議員3名がゲンスラー委員長に書簡を送り、情報提供を求めた。
07:00
USDT発行企業テザー、ブラックロックを上回る収益
米ドルステーブルコイン「USDT」を発行するテザー社は2024年第2四半期の財務証明書で、同社は今年上半期の純利益が史上最高の52億ドルに達したと報告した。USDTの準備金として保有する米国債からの収益が大きく貢献している。
06:40
トランプ氏のDeFi「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」、9月16日に正式立ち上げへ
米国のドナルド・トランプ前大統領らが関わる暗号資産(仮想通貨)プロジェクト、「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」は、正式なリリース日時が判明した。
06:15
仮想通貨XRP投資信託、米グレースケールが再開 価格急上昇
米資産運用会社グレースケールは12日、新たに暗号資産(仮想通貨)XRPを対象とした投資信託「グレースケール・XRP・トラスト」の販売を発表した。この発表を受けて、XRPは一時前日比+7%上昇していた。
09/12 木曜日
16:14
仮想通貨シバイヌ(SHIB)の買い方とおすすめ取引所
シバイヌ(SHIB)は、2024年注目のミームコイン。ドージコインに次ぐ時価総額を誇り、その特徴や将来性、購入方法を徹底解説。
15:29
『岩合光昭 ニッポン看板猫』、NFTデジタル特典付きで9月13日発売
「世界ネコ歩き」で人気の岩合光昭が日本全国の看板猫60匹を撮影。NFTデジタル特典付き特装版も同時発売。猫の魅力と人との絆を捉えた珠玉の一冊。9月13日発売。
12:55
フレンドテック、実質閉鎖か ユーザー離れと収益低下で存続危機
フレンドテックは、事実上管理権限を放棄したと伝えられる。FRIENDトークン急落、収益低下で存続懸念。エアドロップ効果も一時的。
11:05
国内食品メーカー初、カルビーがWeb3ゲームとコラボ NFTアイテム販売開始
カルビーは11日、人気スナック「じゃがりこ」「かっぱえびせん」と複数のWeb3ゲームとのコラボレーションを発表。2024年9月11日より、ゲーム内で使用可能な限定NFTアイテムの販売を開始した。
10:30
英国、仮想通貨を法的財産にする新法案 トークンの法的地位を明確化
英国政府が仮想通貨やNFTを法的財産とする法案を提出した。デジタル資産所有者の保護を強化する。
08:30
米CPI、コア指数が予想以上の伸び
8月の米CPIでコア指数が市場予想を上回り、FRBに対する大幅利下げ観測が後退。一方、現在の仮想通貨の相場は方向感がなく、利下げ幅の見通しだけでは投資判断がつきにくい状況にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア