攻撃者のチェーンを排除
ビットコインからハードフォークした仮想通貨の一つ、ビットコインゴールド(BTG)は計画的な51%攻撃を受けるところだったが、阻止することに成功していることが分かった。
ビットコインゴールド財団は、早期よりこの攻撃を検知しており、BTGを取扱うマイニングプールや取引所に向け通知を行った。また、BTGバージョン0.17.2を配布し、悪意のないことが確認されているマイニングプールによって採掘されたブロック(640650)にチェックポイントを設けた。
チェックポイントがあることにより攻撃側のチェーンは乗っ取りを行うことができないが、このチェックポイントについての情報は公開されていなかったため、攻撃者はマイニングをおよそ10日間にわたって続け、10日の時点で1300以上のブロックを生成したという。
攻撃側のチェーンはチェックポイント前(7/1)のブロックに繋がっているため、バージョンをアップデートした取引所やマイニングプールは自動的に攻撃側のチェーンを排除、正しいチェーン(最も長いチェーン)でチェックポイントを通過することになるという。
財団によると現在、大半のマイニングプールは正しいチェーンにてマイニングを行っているとのことで、攻撃の阻止に成功したと判断し、10日になって財団は情報を公開、一般のフルノード運用者に向けてもアップグレードを呼び掛けたとみられる。
また、アップグレードができない場合は、ブロック640650における攻撃者のブロックを無効とするコマンドを打ち込むことで、正しいチェーンに移行できるという。
攻撃者のチェーンはブロック#640650において以下のブロックを含んでいる。
00000000635620f22ba8694aea532d51619f8cd060f4e42e85db3cb3a5d1c29c
ネットワークへの参加者(ノード)が少ない仮想通貨では、51%攻撃と呼ばれる、ネットワークにおいて過半数を握ることで二重支払いなどを起こさせる手法が現実的。
BTGは過去にも51%攻撃を仕掛けられ、2018年には当時のレートで20億円相当の被害が出たケースもある。