CoinPostで今最も読まれています

歴史的水準に向け高騰する「金と銀」、ペナント上抜けのビットコインは100万円台を回復

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

株式市場と仮想通貨

欧州連合(EU)首脳会議は21日、新型コロナウイルス対策として7500億ユーロの「復興基金案」で合意した。 これを受け欧州株式市場が上昇したほか、米NYダウも前日比159ドル高と続伸。ビットコインの上昇を後押しした。

特筆すべきは、金(ゴールド)チャートで、直近最高値を大幅に更新する1858ドルまで急騰。2011年9月に記録した過去最高値の1920.8ドル更新も射程距離に入った。

2020年3月のコロナショックでは、金を含めて全資産が投げ売られるパニック売りの現金化フェーズが訪れ1450ドルまで急落する場面もあった(下図:矢印)が、米国の大規模金融緩和で市場の動揺が治ると、その後歴史的な高騰が続いている。

過去15年間のゴールド価格推移

高騰の背景にあるのは、世界各国の大規模金融緩和や実質利回りの低下だ。金や銀などの貴金属は、地球上に存在する総量(最大供給量)が決まっており採掘のために高いコストも掛かるため、インフレーションに対して価値を保ちやすく、リスクオフ局面での安全資産として認知されている。

貴金属投資大手BullionVaultのロバート・グリン最高経営責任者は、以下のような見解を示している。

経済活動の停滞からも、株価暴落時に投資家が貴金属に資金を逃避することは理解できる。

金に対して「本質的な価値がない」とする人は、歴史的に様々な文化の人々が富を蓄えるため、そして支払い能力を温存するために利用していた事実を見過ごしている。現物の地金はそれ自体が消失することもなく、国債や法定通貨のように意図的に作り出せるものない。

国籍という概念がなくどこの国でも同じような価格で換金できる、中央集権が埋蔵量をコントロールできないという意味では、中央集権の発行体が存在せず、アルゴリズムで採掘上限が定められ、デジタル・ゴールドとしての性質を有するビットコインにも同様のことが言えるとの指摘もある。

米資産運用会社VanEckは今年1月、The Investment Case for Bitcoinと題したレポートを公開。恒久性、希少性、匿名性を有するビットコイン(BTC)は、すでに貨幣的価値を持っており、デジタル・ゴールドとしてのポテンシャルを秘めていると指摘した。

米最大手仮想通貨取引所コインベースは先日、「ビットコインは過去10年間、国際経済の不確実性の高まりの中で大幅に上昇した。」と指摘。12.5BTCから6.25BTCへの採掘報酬半減期を経て供給量が年間1.7%まで減少することにより、デジタル・ゴールドとしての性質が強まると言及している。

銀相場はさらに顕著で、銀(シルバー)先物は、第1四半期の終わり以降40%以上上昇し、同期間の金先物の14%高を上回った。1オンスあたり20ドルを超えて上昇し、2016年以来の最高値を付けている。

出典:bloomberg

太陽エネルギー部門において、5Gやソーラーテクノロジーなど「銀」を集中的に使用する分野である産業需要の増加も期待される。世界経済の回復が遅れた場合、各国政府の推進するあらゆるプログラムが「グリーンエネルギー」プロジェクトに資金を注ぎ込んでいるからだ。

米国をはじめとする各国の中央銀行は新型コロナ対策の金融緩和政策で大量の紙幣増刷を行うが、これは貨幣価値や米ドルなど法定通貨への信任低下、必然的にインフレをもたらすというロジックが定石だ。

すなわち、金やビットコインへの需要につながる可能性がある。

国内では、地金大手の田中貴金属工業が、前日比64円高の1グラムあたり7001円で販売し、国内の小売指標価格として初めて7000円台を突破した。昨年12月の小売価格は5200円程度で推移していたが、新型コロナ感染拡大に伴う国や大口の資産逃避需要を背景に、大幅な値上がりが続いている。

ビットコイン市場

仮想通貨市場では、長らく停滞していたビットコインが日足のペナント上抜け約300ドル上昇。9450ドルの抵抗帯で揉み合っている。

仮想通貨デリバティブ市場の分析データを提供するSkewが20日に公開した情報によれば、10日間のボラティリティが16%だった。

これは、過去10日間のビットコイン価格推移が平均1%未満という歴史的な低水準であったことを意味しており、今後ボラティリティ急拡大に伴い、相場が急変動する可能性も指摘されている。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
Runesデビュー1週間、ビットコインネットワークで200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア