仮想通貨取引所が株式市場に初上場へ
香港を本拠地とする仮想通貨デリバティブ取引所Diginexがシンガポールの上場企業8i Enterprises Acquisition Corp.との逆さ合併で米大手証券取引所ナスダックに上場する予定だ。仮想通貨取引所が米国で上場する初事例になる。
NASDAQは米国ある世界最大の新興企業(ベンチャー)向け株式市場で、「GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)」や電気自動車で有名なテスラなどハイテク株比率が高いことで知られる。
ナスダック指数は、23日に史上最高値を更新した。
逆さ合併とは、企業合併の手法の一種で、非上場会社である場合、法人格上の存続会社が上場企業である場合に存続会社の上場維持によって上場企業に昇格ができるといったメリットがあるという。今回の場合、8i Enterprises Acquisition Corp.がナスダックの上場企業に該当する。
Diginexは上場するために、EQUOS.ioという仮想通貨取引所を特別買収目的会社(SPAC)として立ち上げた。買収が完了することを上場の目処とし、9月以降になるとDiginexのCEOはCoinDeskに話した。
本来今年3月の上場を目指していたが、コロナショックによる株大暴落が原因で、時期を後倒しにしたという。EQUOS.ioは機関投資家に特化した取引所で、開発者チームは伝統デリバティブ市場の出身者だ。
ナスダックへの上場について、同社CEOは「ナスダックに上場しているテック株の勢いが今後も続く可能性が高いため、上場できれば企業に対する信頼度も高まる」と説明した。
株式市場への上場
仮想通貨・ブロックチェーン関連企業の株式市場への上場といえば、米大手取引所コインベースが年内にIPOを行う可能性や、マイニング最大手のBitmain、米Ripple社などが取りざたされてきた。9日のロイター報道によると、従来のIPOの形式ではなく、DPO(自社の株式を直接公開)の形式で資金調達を検討しているとの情報が浮上したという。
また、仮想通貨関連企業としてナスダックに上場している企業は、仮想通貨マイニング企業CanaanとEbangが代表格となる。