仮想通貨関連報道で大手マスメディアも論調変化
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界中の市場や経済に未曾有の打撃を与え続けている。
多くの国や地域で、積極的な金融緩和と景気対策が打ち出され、足元では落ち着きを取り戻しつつある市場であるが、前例のない状況(異例の世界的な金融緩和政策)の中で、従来の“投資のセオリー”が通用しない環境を作り出したと言える。
足元では、リスクオン資産に分類される株式市場で、米NASDAQ総合指数が史上最高値を更新。他方でリスクオフ資産とされる金も同時に過去最高値を更新した。
ビットコインと金との比較もその一例だ。特定の発行国を持たない無国籍の特性が、法定通貨への不信感の中で注目されている。
こういった状況は、日本を含めた世界のマスメディアを含めた報道の論調も変化させるきっかけとなっている。
ビットコインと金の比較をトピックとして、日本で日経新聞、ブルームバーグ、ビジネスインサイダー、Yahooニュースなどが掲載。海外では、これらのメディアに加え、ForbesやReuters、MarketWatch、Seeking Alphaなど多メディアに渡る。ビットコインの値動きに関する記事に絞れば、それ以上だ。
こういったコンテンツの配信は、仮想通貨が下火に入る2018年以降、稀な事例になる。従来の“投資のセオリー”が通用しない環境で、投資家もより多くの情報を収集していることが推察できる。
各メディアの報道
メディアの具体的な報道は、以下のような内容が見られた。
ビットコインと金の比較
貴金属の金と暗号資産(仮想通貨)のビットコインがともに急騰している。金は年初来で3割、ビットコインは5割上昇した。両者に共通するのは通貨に似た性質を持つが、特定の発行国を持たない「無国籍」である点だ。両者の上昇は、米ドルをはじめとする法定通貨への不信感を映す。
金相場が過去最高値近くで推移し、世界経済の健全性を巡る懸念が高まってドルが下落する中で、投資家がビットコインを選好している。通貨監督庁(OCC)が先週、顧客の仮想通貨資産のカストディー(管理保管)業務を米銀が提供できると発表したことも、資産としての魅力を高めることにつながった可能性がある。
ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)の創設者でCEO兼会長であるマイケル・ノボグラッツ(Michael Novogratz)は7月28日、ビットコイン(Bitcoin)は今後3カ月で1万4000ドルに達し、年末には2万ドルに達する可能性があると述べた。彼は、政府の「流動性の供給」が継続される限り、金も上昇を続けると予測した。
ここにきて金とビットコインが同時に高騰し始めたことは、法定通貨に対する代替性が評価され、投機マネーが金とビットコインを同時に物色し始めている可能性を示唆している。
仮想通貨関連ではロイター通信が31日、マネックスグループ傘下のコインチェックの取引量が急増していることをトピックとして取り上げている。