ネム(XEM)が好調
月間高値付近でレンジ相場を形成するビットコインに対し、日本で取り扱われる仮想通貨では、ネム(XEM)が好調だ。
XEM市場は7日、日本円建で一時前日比10%の6.6円の高値付けた。国内大手bitFlyerの「ネム(XEM)とステラ(XLM)の新規取扱銘柄採用」の発表を受け、買いが優勢となった。
新ブロックチェーン「Symbol」のローンチを控える中、新トークン付与のサポートが行える取引所の動向に注目が集まったほか、NEMグループも日本に重点を置くなど、日本のネムコミュニティの規模も、日本市場の動向を材料視する見方に繋がった。
仮想通貨ネム(XEM)や「Symbol」の普及に貢献することによって報酬を得られるプラットフォーム「NEM HUB(ネム・ハブ)」でも、日本のコミュニティ活動は活発なステータスを維持している。
新トークンの受け取りと取引所の重要性
注目される新ブロックチェーン『Symbol』については、新たなチェーンの稼働後も現行ネムブロックチェーン『NIS1』は存続することが発表されており、XEM保有者には、Symbolで利用されるトークン「XYM」を受け取る権利が付与されることになる。
権利が付与との言葉から示されるように、XEM保有者が自主的に新トークンを受ける意思表明を行う必要がある、オプトインが採用されている。
ここで注目されるのが、保有者自身が行う申請作業を代行して行うことができる、XEMを取り扱う取引所だ(取引所が対応することが前提)。
取引所に代行してもらう場合、自身で行うケースと比較してトークン付与までのタイムラグが発生する可能性があるため、デメリットも想定されるものの、トークン付与を表明する取引所に預けることで、安心して新トークンを得られる重要な選択肢になり得る。
すでに日本でXEMを取り扱う取引所Zaifが対応を発表、CoinCheckやGMOコインも対応を検討するとしている。今回、XEMを採用したbitFlyerでも対応を行う可能性がある。
最新発表:7日
また、仮想通貨ネムの新組織「NEMグループ(NEM Group Ltd.:NGL)」のDavid Shaw CEOが、次期大型アップグレード「Symbol」におけるファイナリティソリューションの開発が遅延していた問題について、開発者チームが適切な設計方法を発見したと発表した。
最終的に、ブロックチェーン間の相互運用性を実現するプロジェクト「Polkadot」のファイナリティの仕組みに基づいた設計にすることが決定。今年12月に予定するSymbolのローンチ日程変更には影響はないとしている。
ファイナリティとは、決済が最終的に決定されること。決済後にそれが覆る可能性が残されていれば、ファイナリティがあるとは言えない。ファイナリティには確率的なもの(ビットコインなどのブロックチェーン)と決定的なものの2つのアプローチがあるが、Symbolは後者のファイナリティを目指している。
一方で、外部から専門家を招くなどして作業を継続して進展はしていたものの、ブロックチェーンの中でも最先端の分野のため、正しい答えがない状況が開発の見通しを難しくしていた。そのため設計方法が見つかったことで、Symbolのローンチに向けて大きく開発が前進した格好だ。
開発を優先に進めるが、設計の公開を数週間後に行うとしている。開発に必要な期間は今から4から6週間だが、短縮できるように努めると述べた。
新たなロードマップについても、設計の詳細やその他の計画を詰めてから共有するとしている。
アップデート情報
ファイナリティ以外にも、以下の情報がアップデートされた。
- テストネットのバージョン「0.9.6.3」における2回目のセキュリティテストが終了。発覚した問題修正後、すぐに「0.9.6.4」をリリース予定。
- オプトインに関する作業やテストは順調に進んでいる。
- オプトインの開始はロードマップ更新時に発表する。
ロードマップを含め、3つ目のオプトインの開始など次回の発表は2週間後に行うという。
参考資料 : NEMグループ