クジラの動向、14,000ドル付近が鍵になるか
ビットコイン価格分析を提供する海外のアナリストDavid Puellが、大口投資家「クジラ」の動向について分析。14,000ドル(約149万円)が重要なポイントになると示唆した。
同価格帯は、19年6月に記録したビットコインバブル崩壊後の最高値であり、今現在の上値抵抗線として機能している。
Puellによると、概してビットコインが9,000ドルから12,000ドルの間にあるときに、大口投資家を示す”クジラ”が購入。9,000ドルで購入したクジラはすでに高い利益を得ており、12,000ドル付近で遅れて購入したクジラは損益分岐点の最中にある。
そのため、大口の売却行動はボラティリティの急変動が生じやすく、9,000ドルから10,000のエリアをサポートラインとレジスタンスラインが逆転しやすいポイントとみる。
Puellの観測によれば、売買されず保有されているビットコインの数を見る限り、2頭のクジラ間で闘争が起きている。
12,000〜14,000ドルで損益分岐点に到達したクジラと、1年以上ぶりの高値更新後の現在購入しようとしているクジラである。
もし調整が起きた場合、過去データを参照すると10,000ドル付近でビットコイン「買い集めゾーン」が出現する可能性が高いとPuellは予測している。
以上のように、David Puellは過去の価格サイクルを検討して論じた。これは分析手法の一つであり、値動きには新型コロナのパンデミック状況、ゴールド価格、米ドルの価値その他様々な要素も関わって来る。
ビットコインクジラは4年ぶりに増加傾向
データ企業Glassnodeの最新レポートは、クジラ(大口投資家)を1,000BTC以上を持つアドレスと定義、1,800のアドレスが該当し、2016年以来4年ぶりに増加傾向に転じていることを報告している。
一方、クジラが所有するビットコインの数は合計で550万BTCほどで、2016年の約670万BTCと比較して、低い水準にあり、1アドレス辺りの所有量が分散してきた傾向を示す。
このことは、BTC価格が2016年から5倍以上に上昇しているために、1口あたりのBTC保有数を伸ばすことが難しくなったからではないかという。
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中華系大口トレーダーの存在感
また、リサーチ企業Kaikoによれば、クジラが今年6月に最も利用した取引所は、中華系大手のOKExで、計8500BTCを記録。バイナンス、Huobi、コインベースもランクインした。
取引ペアとしては、USD建てのステーブルコイン、テザー(USDT)が最も利用されており、テザーを扱う取引所にクジラが集まる傾向があった。
テザー需要の高い中華系大口トレーダーの存在感が示唆されるデータであった。
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