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「インフレ局面のビットコイン上昇論はミスリードだ」Bitfinexの元ランキング1位が指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ドルインフレは起きない?

コロナ禍に置かれる米連邦準備制度の経済刺激策として、過去最大規模となる無制限量的緩和(QE)などが矢継ぎ早に打ち出された。臨時の経済支援として機能を果たす一方、米ドルのインフレ懸念で金(ゴールド)やビットコインへの資産逃避需要が増すのではないかとの議論も散見される。

しかし、一部有識者の論調は異なる。QEなど大規模金融緩和による米ドルへの影響は限定的でインフレには繋がらず、「法定通貨のインフレがビットコインの上昇をもたらす」との見解はミスリードになりかねないとした。

仮想通貨取引所Bitfinexのリーダーボードで1位を獲得した経験を持つ大口トレーダー「Joe007」は、データ分析プラットフォームGitPrimeの元責任者Travis Kimmelの投稿を引用し、認識の違いを示した。

Kimmelの分析によると、米ドルの増刷が必ずしも米ドルの実際の供給量を拡大するわけでない。消費者や銀行が近しい将来の経済状況に対して消極的な見方を取っているため、新たに「印刷された」米ドルは借りられず、市場に出ることもない可能性が高いとの論拠に基づいている。

Kimmelは、新しい米ドルの誕生方法について、「銀行のバランスシート上、担保に対するローンが組まれればドルは新しく誕生するが、ローンが返済されれば、新しいドルは消滅する」との見解を示した。

銀行が米ドルを貸し出すにつれドルの供給も増加し、一定の水準を超えるとインフレを引き起こすが、コロナの影響で一部銀行はすでに多くの融資を行なっており、ローンに対する需要は飽和水準に達しているという。

また、FRBの政策を受けた市場はインフレ懸念で前もってドルを手放しているため、むしろ新しいドルの誕生速度は落ちていくことになる、と予想している。

Kimmelは、「多くの投資家はより高いリターンを求め、リスクオン局面の株市場に米ドルを投じる傾向が高くなっているため、近い将来ドル不足になるシナリオまでもがあり得る」とした。

Joe007もこの分析に同調し、「ドルとユーロの流動性不足はすでに発生している」とコメント。たとえ数十億単位の経済刺激策でも通貨収縮を食い止めることは難しいとした。

失業率も要因

最大手金融機関のゴールドマン・サックスは、米ドルのレンディング市場の需要が低下するとの見方のほか、インフレを抑える要因の1つに「高まる失業率」を見る。

関連:ゴールドマンサックス「高い失業率はインフレを抑制する」ビットコインやゴールドへの資金流入思惑で言及

ゴールドマン・サックスの分析によれば、「今後数年はインフレは起こらない」。その根拠として米国の高い失業率を挙げ、個人収入が抑えられることでインフレを抑制できるとした。

データ上でも新型コロナの感染拡大以降、米FRBの指標となるインフレ率は1.7%まで低下しており、目標の2%を下回っていることが根拠のひとつとされている。

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