「DeFiでのイールドファーミングが魅力的」
仮想通貨デリバティブ取引所大手BitMEXのCEO、アーサーヘイズは、従来型銀行の金利が下がる中で、DeFi(分散型金融)市場でのイールドファーミング戦略が魅力的であると語った。
イールドファーミングとは、需給バランスによって常に変化する利率に応じて流動性の提供先を変え、最も大きなリターンを得る取り組みのこと。
流動性マイニングはイールドファーミングを行う人達を惹き付けるために、流動性提供の対価として利息の他にガバナンストークン(ガバナンスへの参加権を表現するトークン)が付与されることを指す。
また、レンディング(貸仮想通貨)やDeFi市場の展望についても見解を披露した。アーサーはBitMEXのブログで、金融緩和政策、パンデミックによる影響など、今後の厳しい経済的見通しに言及。
ゼロ金利の影響下である程度リスクを取っても構わないと考える場合は、仮想通貨資本市場は、大きなプラス利回りを得るための最良の場所だとの見解を示した。
特に、主題としてDeFiを語り、イールドファーミングを提供するDeFiアプリは「DeFiによる原始的な銀行のようなもの(proto-bank)」だと表現。こうしたアプリは、利息やガバナンストークンなど素早く利益を得られそうな点が魅力となって、包括的なバンキングサービスの時代の幕開けを告げるかもしれないとした。
「すべてのユーザーが、第三者に貯蓄資金を貸し出して、少なくとも10%の年利を得ることができるような時代だ」と言い、こうした「DeFi proto-bankの夢」は少なくとも今の強気相場ではおそらく実現しないが、今後数千億ドルの資本をエコシステムに引き寄せることができるだろう、とArthurは展望を語る。
DeFiのエコシステム構築は、プログラム可能な金融を可能にする点で、スピードが遅くコストのかかる従来型金融システムに対する大きな改善となっているという。
個人的レンディング戦略も明かす
アーサーは、誰に法定通貨・仮想通貨を貸すべきかについて個人的戦略も語った。
私なら、マイニング業者に法定通貨やBTC、ETHを貸すだろう。彼らは最も流動性が高く、最大の時価総額を誇るビットコインとイーサリアムを生み出す設備等資産を持っているからだ。
さらに、自分自身の知っているトレーディング企業に所属する個人トレーダーにも貸すと言い、レバレッジ取引による手数料を得ることができ、また、マージンコールにより融資を取り戻せることもその理由と説明した。
DeFi市場は活発に
仮想通貨を貸し出して利益を得ることのできるレンディングアプリを含むDeFi市場の利用は今年に入り、より活発になっている。
DeFi間での提携も見られ、分散型P2PレンディングマーケットのDharma(ダルマ)は分散型取引所Uniswap V2へのアクセスをモバイルアプリに統合。DharmaユーザーはUniswapで提供される2000以上の銘柄を取引可能となった。
Uniswapは、仮想通貨を取引できると共に、資金をプールして流動性を提供することで交換手数料を収益として得ることもできるプラットフォーム。今年7月には24時間の出来高が4500万ドル(約48億円)ほどの規模に到達、米国バイナンスやGeminiなど著名仮想通貨取引所に匹敵するものに成長している。
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また仮想通貨レンディング大手BlockFiも、今後の12ヶ月で年間収益が5000万ドルとなる軌道に乗りつつあると先月発表。2021年の下半期にIPO(新規公開株)を実施することも検討している。
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参考:BitMEX