北朝鮮の資金移動
北朝鮮のハッカーが所有するとされる仮想通貨(暗号資産)アカウントから、12ビットコイン(約14万ドル)が移動したことがわかった。ビットコインのトランザクションを追跡する「Whale Alert」がSNSに掲載した。
米司法省は27日、北朝鮮のハッカーが持つ仮想通貨のアカウントの差押えを行う目的で、訴訟を起こす意向を伝えていた。対象となっているのは、ビットコインやイーサリアムに関連する280アカウントで、2箇所の取引所のハッキングに関与したと司法省は見ている。当時の書類によると、多くのアカウントは取引所との調査協力ですでに凍結されている。
⚠ 12 #BTC (139,465 USD) of forfeited funds transferred from Forfeited North Korean Funds to unknown wallet
— Whale Alert (@whale_alert) August 31, 2020
Tx: https://t.co/PSjU08iTbj
Whale Alertの投稿によると、12BTCのトランザクションにおける1つの「インプット」が司法省の差し押え対象に入っている。「このアドレスは、数日前に2.97069728 BTCが入金されたHuobi取引所のデポジットアドレスに当たる可能性がある」と説明した。なお、12BTCの移動先は、取引所などには該当しない可能性が高い「unknown wallet(登録不明のウォレット)」と表記されている。
北朝鮮に関連する仮想通貨取引所のハッキング行為については、盗まれた資産が一連の仮想通貨取引所(名前は明かされていない)および中国に所在するOTCトレーダーを通してマネロンが行われた、とBrian Rabbitt司法次官補代理が先日主張していた。
今回資金の差し押さえを目指す対象のハッキング事件は、2019年7月に1回目、2019年9月に2回目と実行されたもので、ハッキングとマネロンに関与した資金額は、2.5億ドル相当(約267億円)に及ぶと報告されている。
北朝鮮ハッカーの脅威と、中国で行われたマネロン、またはその関係性に対して、対処していく姿勢を示した米司法省であるが、あくまで裁判での申し立てで、どのように差押えを実行するかは現時点では明らかにされていない。