「インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」
IT調査企業のガートナーが、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表した。最先端技術の「ハイプ・サイクル」における成長曲線を図にプロットしたものになる。
ガートナーの「ハイプ・サイクル」とは、「テクノロジやサービス、関連する概念、手法など(以下、キーワード)の認知度、成熟度や採用状況、および各キーワードが実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓にどの程度関連する可能性があるかを視覚的に示したもの」、と定義されている。
サイクルの段階は、黎明期・「過度な期待」のピーク期、幻滅期、啓発期・生産性の安定期、という5つの期間と分かれている。
ブロックチェーン、AI、5Gなどの段階は?
19年版のサイクル推移に続く20年の最新状況として、仮想通貨セクターの中心技術となる「ブロックチェーン」は19年の下降方向に引き続き、「幻滅期」の谷へと下降を続けている状況が示された。
ほかに、幻滅期の谷に向かっているのは、「モノのインターネット」、「量子コンピュータ」、「DevOps」、「人工知能」、「スマートロボット」、「拡張現実(AR)」といった分野だ。
一方、前回幻滅期の谷に置かれた「ロボティック・プロセス・オートメーション」と「デジタル・ヘルス」は谷底を脱出し、本格的な普及期(啓発期)に向かっている段階にあるという。また、「フィンテック」はすべての分野をリードしており、普及期を進んでいる。
一方、「5G」技術は、「過度な期待」のピーク期に位置すると指摘されている。
ガートナーは、「5G」技術の現状について、「新型コロナのパンデミックを受け世界各国でビジネスが停滞していることから、2020年に予定されていた5Gの標準化や開発関連の動向にも影響が及び、検証などが遅れているケースが見られる」と分析し、「一方で、5Gを介したリモートからの各種作業の支援などに対する期待が膨らんでおり、移動体通信事業者やサービス設備を提供するベンダーが既にさまざまな検証を実施している」、と説明した。
参考:ガートナー、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表