はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン投資の売買タイミング、個人・大口投資家の「差」は?=OKExレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

OKExが機関投資家の投資動向を検証

大手仮想通貨(暗号資産)取引所OKExは、取引規模別にビットコイン(BTC)のオンチェーンデータを分析し、2020年の市場行動を評価する独自レポートを発表した。その中でもOKExが注意を払ったのが、機関投資家・大口投資家の投資動向で、特にコロナショックへの対応において、個人投資家とは対照的な投資アプローチをとっていたことが明らかになった。

取引規模別の分析

ブロックチェーン分析会社「Catallact」と共同で取り組んだ今回の調査は、2020年1月から2020年8月初旬のデータを基に、取引額別に小規模(0〜0.1BTC)、中規模(10〜100BTC)、大規模A(100〜1,000BTC)、大規模B=クジラ(1,000〜5,000BTC)、そして最大規模(5,000〜10,000BTC)のトランザクションに分類し、分析と評価を行った。

小規模取引

レポートでは、0.1BTC未満のトランザクションは、最も件数が多く一般的であり、個人投資家によるものとして「リテール」投資だと判断している。この取引額の枠では、1日の取引件数がBTCの値動きとほぼ連動していることが顕著に見て取れる。

このグラフから、個人投資家は、ビットコイン価格の変動に合わせ、小額のBTCの売買を行っていると推測できるが、ボラティリティが高い場面や急激な下落時には、市場から「脱落」する傾向があると指摘した。

しかし、このグラフでは、5月には、コロナショックによる3月半ばのビットコイン価格暴落は1万ドルレベルまで回復していたにもかかわらず、当月の取引件数と価格が、他の時期のように連動していない。OKExは、ビットコインが半減期を迎えた5月に、個人投資家が市場の様子見を決め込んだためと解釈している。

中規模取引

1件あたりの取引額が10~100BTCの中規模取引は、マイナーおよび余裕のある個人投資家により行われている可能性が高いとOKExは判断している。

このカテゴリーでは、3月の相場暴落直後から、取引件数が減少し5月もその傾向が続いたが、6月下旬以降、取引件数が回復傾向にある。レポートでは、パンデミックの影響による価格急落が個人投資家の取引に影響し、ビットコインの半減期はマイナーによる取引に影響を与えたと分析した。

大規模取引 A

レポートでは1件あたりの取引額が100~1,000BTCの大規模取引は、個人の大口投資家(クジラ)およびマイナーによるものと判断している。このグラフで、特出しているのは、3月のコロナショックによるビットコイン暴落時に取引件数が急増していることだ。まさに底値でビットコインを買っている様子がうかがえる。その前後では取引動向に特に大きな変化は見られない。

大規模取引 B と最大規模取引=機関投資家「正真正銘のクジラ」

OKExが「真のクジラ」と分類する取引額1,000以上のカテゴリーで、特に興味深い傾向が発見できたとレポートでは指摘した。

まず、1,000~5,000BTCのカテゴリーでは、3月の暴落時と5月に取引件数が一時的に急増すると共に、6月から徐々に1日あたりの取引件数が上昇傾向に転じたことを指摘。その要因として、推測の域を出ないが、コロナ禍による経済的ダメージへの対応として各国中央銀行による景気刺激策が、実物資産購入に拍車をかけた結果、機関投資家や大口投資家がBTCの積み立てにより積極的に動いた可能性を示唆しているとした。

一方、5,000~10,000BTCの取引では、このような取引件数の上昇は継続していないが、5月中旬から7月中旬にかけてBTC価格の値動きが安定していた期間全体を通して、取引件数は繰り返し急伸する動き見せた。

オンチェーンデータからは、取引所であるかないかの区別ができないため、セキュリティ関連の理由から、大量のBTCを保有している取引所が複数のウォレットにBTCを移動した可能性が、このような取引件数の急増の要因として考えられるという。一方で、大口の機関投資家やクジラがBTCの価格上昇や下落を見込んで、BTCを蓄積・振り分けた可能性も考えられるとした。

そして、後者は、コロナ禍が世界市場に混乱をもたらす中、著名なマクロ投資家Paul Tudor Jonesやビジネス・インテリジェンス企業MicroStrategyが、法定通貨のインフレに対するヘッジとして、ビットコインを投資ポートフォリオに含めるという選択をした事実に合致すると主張した。

まとめ

コロナショックで個人投資家が市場から撤退し、その後も様子見の姿勢を保ったのと対照的に、中規模の市場参加者はビットコインを蓄積する動きを見せ、クジラを含む大口・機関投資家は、「底で買い」、価格が安定した期間は、長期的な価格上昇を期待し、BTCを買い増す動きを継続していた可能性がデータから読み取れる。

出典:OKEx

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:21
初心者向け|仮想通貨取引所のKYC手続きとは?スマホでできるeKYCの流れと注意点
口座開設の必須手順 暗号資産(仮想通貨)取引所を利用し始めるには、口座開設時に「KYC(本人確認)」と呼ばれる手続きが必要です。これは、ユーザーの身分確認や、利用目的の確認を通…
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧