Clayton長官と株式トークン化の未来
米証券取引委員会(SEC)のJay Clayton長官は、将来、全ての株式がトークン化される日がくると見ているようだ。
ブロックチェーン推進団体Chamber of Digital Commerceが開催したウェビナーに登壇したClayton長官は、株式市場の未来について、「将来、全ての株式がトークン化される可能性もある」とコメントした。
ウェビナーのテーマは「ブロックチェーンと仮想通貨セクターの成長に必要なもの」で、Clayton長官や通貨監督庁(OCC)の責任者Brian Brooks氏も参加し、規制面や市場の未来について語った。
Clayton長官は株式市場の進化について、20年前と比較して、現在の株取引は電子化されており、当初は紙の証明書が使われていた株式証明書が、現在はデジタル版が主流になるなど、デジタル化が広まっていると指摘。この分野はブロックチェーンを利用したトークン化で置き換わる可能性があるとコメントした。
トークン化と規制
トークン化については、規制フレームワークに関わるものと、Clayton長官は見ている。
あくまでも、長官はイノベーション(技術革新)を歓迎する姿勢を示し、既存モデルのトークン化は、すでにある規制フレームワークでも基本には十分に機能するとした。
長官の見解によると、それぞれのトークン機能によって規制の管轄が分かれる。
例に、ステーブルコインなど決済に関わるものは、通貨監督庁などの銀行規制者が主に規制するが、ETF(上場投資信託)のような株式関連の投資商品ではSECの管轄に入るとした。
株式のトークン化については、「仮にETFをトークン化したい企業がいれば、トークン化した効率性の向上などのメリットを我々にプレゼンテーションすることはいつでも歓迎している….トークン化するなら、正規なルートで登録する必要がある」と、規制遵守の重要性を強調している。
さらに、トークンが有価証券に該当するかどうかについて、「運営するネットワークのために、資金を調達するもの、もしくはネットワーク利用者に報酬を支払うものであれば、証券に該当する可能性は高いが、そうでなければ、証券ではない可能性がある」とコメントした。
参考:ウェビナー