はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米上場企業のビットコイン購入、なぜ高騰に繋がったのか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米上場企業のビットコイン購入事例続く

ビットコイン市場は9日の未明にかけて高騰。330ドル(3.5万円)幅の高騰で、一時1万1000ドル(116万円)に達した。

日本時間8日22時にツイッター創設者のJack Dorsey氏が経営する米スクエア(Square)社が5000万ドル(53億円)相当のビットコイン購入を発表したことを市場が好感した。

米国のソフトウエア企業であるSquare社は、ニューヨーク証券取引所で株式が取引される上場企業。米上場企業のBTC購入は直近で2社目となり、同様の事例が続いている。

関連ツイッター創業者経営のSquare、53億円相当のビットコインを購入

Squareは8月4日付で開示した第2四半期決算の報告で、P2P送金アプリ「Cash App」を通したビットコイン販売の売上高が8億7500万ドル(約927億円)に達し、前年同期の1億2500万ドルから600%増の7倍になったと発表するなど、ビットコイン関連事業も好調だ。

一方、今回のビットコイン購入については、自社の資産ポートフォリオの一部としてバランスシートに追加したもので、これらのサービスへのBTC供給とは異なる目的がある。この点が、企業がビットコインをポートフォリオに加える資産として購入した事例であることを示し、市場が好感した一つの理由となる。

同社は、5000万ドル相当(約53億円)のビットコイン(BTC)を購入したことに関するホワイトペーパーを通じて、購入の目的と方法について、詳細を記した文書を公開している。本稿では、そのポイントについて紹介する。

ビットコイン購入の目的は

ホワイトペーパー公開の目的

ホワイトペーパー公開の目的は、投資に関するアドバイスをするためではなく、同様の戦略を検討している企業に対し、参考になる情報を提供するためだとしている。

ビットコイン購入の理由

Square社が公開したホワイトペーパーでは、主に米ドルで構成されている自社のバランスシートを拡充し、BTCに投資をするタイミングは今しかないと考えていると説明した。

暗号資産(仮想通貨)が急速に発展していること、またマクロ経済と通貨体制に対して前例のない不透明感が漂う現状を考慮したことが主な理由としている。その上で、BTCはグローバル経済を発展させる可能性を持っているとの見解を示した。

取引方法

53億円相当のBTCを購入した方法はOTC取引だ。Square社が提供する送金アプリ「Cash App」には、BTCを売買できる機能があり、サービス提供で利用している流動性プロバイダーを通じてOTC取引が行われたと説明した。

関連Cash App業績好調、ビットコイン取引の売上高は前年比600%超に

取引価格は一般的なBTCのインデックスをもとに交渉し、24時間の時間加重平均価格(TWAP)に基いて取引を実行したという。具体的な取引企業名は明かしていないが、過去に利用したOTCデスクが含まれるリンクをホワイトペーパーに添付している。

保管方法

BTCの保管方法については、2018年に明らかにされた「Subzero」という同社のコールドストレージを紹介。顧客資産を保護するため、これまで仮想通貨のインフラにはしっかり投資してきたと説明している。また盗難に備え、保険に加入していることも明かした。

Dorseyのコメント

Dorseyは今回のホワイトペーパーの発表について、BTCに5000万ドルを投資したことよりも、その方法を共有したことが重要であるとコメントした。これは、企業がビットコインに資金を投じる事例が続くことを見据えた発言として注目を集めている。

また、重要なポイントとして、仮想通貨部門「Square Crypto」でオープンソースの開発に直接投資すること、「Crypto Open Patent Alliance(COPA)」で特許へアクセスできるようにすること、Cash Appを通して多くの人々がBTCを利用しやすくすることを挙げた。

Square CryptoとCOPAとは

Square Cryptoは、ビットコインの開発支援に特化したSquareの仮想通貨部門で、「ビットコインに投資以上の価値を」とのスローガンのもと、ビットコインの関連技術やインフラを構築し、多くのビットコイン開発者に対する金銭的支援を行うことを目的に活動している。

Square Cryptoが進めるプロジェクトには、ライトニングネットワーク開発キット、ビットコイン開発キット、およびビットコインデザインコミュニティなどがある。

また、「Crypto Open Patent Alliance(COPA)」はSquare Cryptoが先日、新たに設立した特許を共有する新組織で、イノベーションを促進するため、関連企業の特許をオープンソースとすることを提唱している。

参考資料 : ホワイトペーパー

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/15 金曜日
19:30
スイ(SUI)2025年の価格予想と成長の鍵|リスク・注目点は?
暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)の2025年価格予想や将来性を徹底解説。VanEckの16ドル予測、現物ETF申請、技術的特徴、投資リスクまで網羅。国内取引所比較や最新エコシステム情報も掲載。
17:21
Base Appとは?コインベースのWeb3アプリの使い方を徹底解説
CoinbaseのBase Appの特徴、始め方、エアドロップの可能性を詳しく解説。Web3スーパーアプリとして進化するBase Appで、ソーシャル・決済・DeFi機能を一つのアプリで体験。国内取引所からの送金方法も完全ガイド。
16:00
TRON創設者ジャスティン・サンが語るWeb3の未来|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、TRONのジャスティン・サン(Justin Sun)独占インタビュー。80億人の金融自由実現に向けたビジョンと、日本のWeb3市場への期待、WebX 2025参画について聞く。
16:00
xStocksとは?仕組みと活用例をわかりやすく解説
xStocks(エックスストックス)はAppleやTeslaなど米国株をブロックチェーン上でトークン化し、24時間365日取引可能にした革新的サービス。DEXでの購入方法、リスク、税務上の注意点まで初心者向けに詳しく解説します。
14:20
コインベース、メタマスクユーザーのUSDC手数料をBase上で半額に 
米大手取引所コインベースは、決済プラットフォームMercuryoと提携し、MetaMaskユーザーのUSDC購入手数料を50%削減する。また、USDCを発行するCircle社はステーブルコインに特化したL1ブロックチェーンの開発計画を発表。USDCのエコシステム拡大につながると期待されている。
13:50
シティ、ステーブルコインとビットコインETF向けカストディを検討
シティグループがステーブルコインの裏付資産カストディや仮想通貨ETF関連サービスの提供を検討。議会法案成立を受け大手金融機関の参入加速。
13:20
今秋はアルトコインシーズン本格化か=コインベース分析
コインベースが今後本格的なアルトコインシーズンへ移行すると予測。個人投資家のキャッシュ蓄積や、イーサリアムへの関心の高まりなどを分析した。
11:46
ビットコイン一時急落、米財務長官の方針転換で市場動揺か
スコット・ベセント財務長官の相次ぐ発言変更でビットコイン市場の混乱を招いた。13日の購入否定から14日の取得検討表明まで24時間で方針転換となった。機関投資家のコインベース購入比率75%も話題に。
11:25
イーサリアム、BTC建てで強気転換も売り圧力増加の兆候=クリプトクアント分析
イーサリアムがビットコインに対して強気サイクル入りし投資家需要が急増。一方で取引所への流入増加により利確の動きが活発化し警戒感高まる。
10:55
楽天、NFTチケットでスポーツ観戦チケットの公式リセール開始
楽天グループが運営するRakuten NFTは、楽天イーグルスとヴィッセル神戸の公式チケットリセールにNFT技術を導入。ブロックチェーンによる偽造防止と取引透明性を確保し、出品者による自由な価格設定が可能に。2025年9月から順次開始。
10:02
仮想通貨市場がまだ織り込んでいない4つの材料とは? Bitwise分析
Bitwise最高投資責任者が、仮想通貨市場がまだ織り込んでいない4つの要因を指摘した。今後ビットコインなど市場の価格を押し上げる可能性があるとしている。
09:45
トルコの仮想通貨取引所BtcTurk、70億円超相当の資産が不正流出か
仮想通貨取引所BtcTurkは、ウォレットで異常が検知されたとして仮想通貨の入出金を一時停止。70億円超相当の資産が不正流出した可能性が指摘されている。
09:10
カインドリーMD、「中本」と合併完了 800億円調達でビットコイン財務戦略開始
カインドリーMDがナカモト・ホールディングスとの合併を完了し、5億4000万ドルを調達。デビッド・ベイリー氏がCEOに就任し、ビットコイン財務戦略を本格展開。
08:50
米財務長官の発言でビットコイン急落、準備金政策の行方と市場の反応|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは14日夜、ベッセント米財務長官が連邦政府のビットコイン準備金について、150億〜200億ドル相当と評価される没収資産のみで構築し、新規購入を否定すると発言したことに加え、FRBへの利下げ要請を行わない方針を示したことから急落した。
07:30
コインベース、デリビット買収完了で仮想通貨デリバティブ最大手目指す
コインベースがデリビット買収を完了し、590億ドルの建玉と年間1兆ドル超の取引量を統合。仮想通貨デリバティブ市場のグローバルリーダーへ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧