はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本発「二層型デジタル通貨」の可能性、フォーラム設立などディーカレット主導

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

民間発行のデジタル通貨の発行と概念実証へ

暗号資産(仮想通貨)交換業の運営を行う株式会社ディーカレットは19日、事務局を務める「デジタル通貨勉強会」の最終報告書と新たに「民間主体が発行する日本円に準拠した二層構造のデジタル通貨」を議論する「デジタル通貨フォーラム」の設立を発表した。

デジタル通貨勉強会は今年6月から9月の4ヶ月の間、全9回に渡り「民間主導のイニシアチブによるイノベーション推進」から「民間発行のデジタル通貨」を主たる射程と定め、3メガバンクやNTTなど多様な分野にわたる主要企業のほか、オブザーバーとして金融庁や財務省などの関係省庁も参加していた。

今回は勉強会の最終報告書の発表とともに、新たにデジタル勉強会が今後「デジタル通貨フォーラム」に発展して、さらに多くの民間企業と様々なユースケースを想定した概念検証(PoC)を行っていく姿勢が明らかとなった。

二層型デジタル通貨の可能性

世界有数の現金社会である日本国内では、SuicaやPayPayなどのキャッシュレスサービスは普及しつつあるものの、物流・商流と金融の連携や取引の効率化は依然として課題として残っている。このような課題克服のカギとして上がったのが「デジタル通貨の信用力向上」と複数のプラットフォームの「橋渡し」的な存在としてのブロックチェーンの応用だ。

12月から発足する「デジタル通貨フォーラム」では、相互運用性を可能とする「共通領域」とカスタマイズ性を提供する「付加領域」を併せ持つ二層型のデジタル通貨を開発・設計、並びにユースケースを検討、議論する分科会の開催されていくこととなる。

資料では、二層構造デジタル通貨の具体例として、以下のように記載した。

(上層部分)

多様なビジネスニーズ(例:物流・商流と金融との連携、サプライチェーン管理、証券と資金の同時受渡し、バックオフィス事務効率化等)に応じたプログラムを書き込むことで、取引の効率化・高度化への対応を図る

(下層部分)

価値情報を書き込む共通領域を用いて、相互に交換可能とする

二層型デジタル通貨は、既存のデジタル決済手段(電子マネー、クレジットカード、デビットカードなど)や集中型の決済インフラ(全銀システムなど)、さらには中央銀行デジタル通貨(CBDC)の検討と決して排他的なものではなく、これらの「橋渡し」を通じて相互運用性などを高め得るもである。

フォーラムとして新たにスタートした後も、座長は変わらず日銀決済機構局長の経歴を持つ株式会社フューチャーの山岡 浩巳取締役が務める。

デジタル通貨勉強会について座長の山岡氏は、「コロナ禍の影響でオンライン開催となったが、積極的かつ活発な議論が行われた。多数の企業から問合せを受けた点が印象的だった」と述べ、今後「デジタル通貨フォーラム」には新たにイオン株式会社や関西電力などを筆頭とした27の企業らが参加していくことになったとした。

なお「二層型のデジタル通貨」の呼称について山岡氏は、スマートコントラクトを組み込むなどして高度な機能(付加価値)を持つデジタル通貨の構想や実験は他国でも行われているものの、「イノベーションとネットワーク、二層を明確に分けたのは初ではないか」と説明している。

デジタル通貨フォーラムでは、民間主体で発行するデジタル通貨に関する具体的な取り組みを進めていく過程を通していずれは日本の経済、そして日本の人々の役に立つ技術の応用を目指していく方針。

参考:ディーカレット

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
16:03
ナッジ、ステーブルコイン決済・還元対応クレカ「HashPortカード」発行開始
HashPortとナッジが日本初となる後払い型クリプトクレジットカード「HashPortカード」を発行開始。ステーブルコインJPYCで決済・還元が可能で、利用額の0.3%をJPYCで還元。年会費無料、カード発行手数料2,500円。
15:44
金融庁が語る暗号資産規制改革の全貌──銀行参入、インサイダー規制、DEX対応の狙い|独占取材
金融庁独占取材。暗号資産規制の金商法移行について、銀行グループ子会社の参入、インサイダー取引規制導入、分散型取引所(DEX)対応の狙いを詳しく聞く。投資家保護と健全なイノベーション両立への取り組みを解説。
13:55
Bitcoin Core、史上初の公開セキュリティ監査をクリア 「重大な脆弱性なし」
ビットコインの基盤ソフトウェアBitcoin Coreが16年の歴史で初となる第三者セキュリティ監査を完了した。Quarkslabによる4ヶ月間の徹底調査で致命的な脆弱性は発見されず、300兆円規模のネットワークの安全性が裏付けられた。
13:30
金融安定理事会、ステーブルコイン監視強化を表明 G20サミット前に警告
金融安定理事会(FSB)のベイリー議長がG20首脳会議を前にステーブルコイン規制強化を表明。市場規模3000億ドル突破を受け、ECBも警戒。2026年作業計画で国際協力推進。
13:05
仮想通貨団体ら、税制改正などをトランプ大統領に要望
ソラナ政策研究所など65以上の仮想通貨団体がトランプ大統領に書簡を提出。税制の改善、規制の明確化、イノベーションや開発者保護の取り組みを求めた。
13:00
Secured Finance CEOが語るJPYC固定金利レンディングの挑戦|独占インタビュー
Secured Finance菊池氏が語るJPYC固定金利レンディングの全貌。日本円を世界の金利ベンチマークにする構想、RWA担保展開、x402対応など最新戦略を独占取材。
11:25
米SEC、今年度の仮想通貨含む執行件数が3割減 アトキンス委員長就任後は記録的低水準に=報告
米SECの2025年度執行件数が30%減の56件、金銭的和解額も45%減の8億ドルと記録的低水準に。トランプ政権下でアトキンス委員長が就任し、仮想通貨規制を大幅緩和。前政権の「執行による規制」から明確なルール作りへ方針転換。
11:02
アバランチ財務企業「AVAX One」、最大63億円規模の自社株買いを承認
仮想通貨アバランチの財務企業AVAX Oneは、取締役会が最大で約63億円規模の自社株買いを承認したと発表。また、購入規模を増やしたり、購入期間を延長したりしていく可能性があるとも説明している。
10:30
バイナンスジャパン、PayPayで暗号資産購入が可能に
Binance JapanとPayPayが連携サービスを開始。PayPayマネーから1,000円で暗号資産を購入可能に。入金手数料無料、24時間365日利用可能、PayPayポイントも使える新サービス。
10:20
ビットコイン続落、トレジャリー企業の売り懸念とFOMC利下げ不透明感で市場心理最悪に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは続落基調が止まらず、一時は7か月ぶりとなる8万5000ドル台まで下落。背景には、世界最大のビットコイントレジャリー企業であるストラテジー社が、MSCIやナスダック100といった主要株価指数から除外される可能性がある。
10:05
コインベース、イーサリアム担保ローンを開始 最大約1.57億円まで借入可能
大手仮想通貨取引所コインベースがイーサリアム担保ローンサービスを開始。最大100万ドルのUSDC借入が可能に。Morphoプロトコル活用でBase上で運用。ニューヨーク州を除く米国ユーザーが利用可能。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧