CeFiとDeFiを軸に、仮想通貨運用の世界を知ろう|Kyber network寄稿

仮想通貨産運用の世界を知ろう

ここ1~2ヶ月、特にBTCやETHなどの仮想通貨(暗号資産)の価格がひたすらに値上がりしています。BTCは長い冬を過ごした後、約3年ぶりに1BTCの価格が200万円近くに到達し、いよいよATH(All Time High:史上最高値)を捉えんとする勢いです。

CoinPostなど、仮想通貨専門ウェブサイトも訪問者が増加、取引所の新規口座開設数も順調に伸びているとの噂も耳にします。価格の調整が怖いところですが、関心が高まることは素晴らしいことですね。

さて、そんな仮想通貨を取引所で購入した後、皆さんはその現物をどう扱う予定ですか?

買った仮想通貨を取引所やウォレットにずっと放置しておき、ひたすらに含み益を狙うことも悪い選択肢ではありません。実際に、日本の多くの仮想通貨保有者は、仮想通貨を下手に動かすことはせず、時間経過に伴う値上がり期待に一点集中しているはずです。

凄腕トレーダーになったかのように頻繁に売買するよりも、よほど利益になる賢い方法です。

しかし2020年現在、BTCやETHなどの仮想通貨を取り巻く環境は大きく進歩しています。

  • 貸し出して利息を得る
  • 借り入れのための担保として利用する
  • 暴落リスクに保険をかける
  • 仮想通貨のインデックスに投資する
  • プロジェクト収益から報酬を受け取る

など、通常の金融で可能であったことの多くの契約が、仮想通貨でも簡単にできる状況が整っています。

こういった環境もあり、特に仮想通貨に慣れた人の中には、「ただ保有するだけよりも、積極的に仮想通貨を運用したい」と考えている人たちがたくさん出てきています。

BTCやETHなどをただ保有するだけに留まらず、その様々な運用手段を知ることは、自分が投資した仮想通貨をもっと理解し、その奥深さにも気づくきっかけとなるはずです。仮想通貨の将来性を判断するための材料にもなります。

現在、大切な仮想通貨をあえて運用する手段としては、

  • CeFi(Centralized Finance:ある主体が責任を持って運営する金融)
  • DeFi(Decentralized Finance:特定主体に依存せず実現される金融)

の2種類が挙げられます。今回はその2種類それぞれの具体例や、メリット/デメリットを紹介します。

CeFi

仮想通貨を扱うCeFiの代表格といえば、bitFlyerやCoinCheck, bitbank, BITPointなどの取引所です。例えばBTCは特定の発行主体がいないDecentralized(非中央集権的)な通貨ですが、それを取り扱う取引所は、数々の規制を遵守する企業が運営するCentralized(中央集権的)なサービスです。

したがって、取引所のように「企業が顧客に提供する各種仮想通貨サービス」をCeFiと定義することができます。

CeFiで仮想通貨を運用する

取引所を除いたCeFiサービスの代表格はレンディングです。顧客はBTCやETHをCeFi企業に貸し付けることで、その企業から利息を受け取ることができます。反対に、BTCやETHを担保として預けて金利を払うことで、CeFi企業からキャッシュを借りることもできます。

代表的な事業者を国外と国内で1社ずつ挙げておきます。

  • BlockFi (最大手の海外企業)
  • Fintertech(大和証券グループ。企業か個人事業主のローンのみ利用可能)

購入した資産を貸し出して利息を得たり、それを担保にして資金繰りをしたい場合など、自分のニーズに合わせて利用を考えてみてください。もちろんこの2社以外にも存在しますし、BITPointなど、いくつかの取引所もレンディングサービスを提供しています。

BTCを筆頭に、仮想通貨は一つの資産として社会に受け入れられつつあります。その流れが加速するほど、仮想通貨を利用したサービスは増加していくことが予想されます。

現在ではシンプルな貸し借りがCeFiのメインですが、サービスの幅も広がってくるでしょう。

海外取引所(Binanceなど)では、

  • ステーキング(仮想通貨を保有した上で特定の仕事をすれば報酬がもらえる)
  • 多様な投資手段の提供(通常の値動きの2倍動くレバレッジトークンなど)

など、単なる仮想通貨の売買を超えた多くの代行サービスが提供されています。 (Binanceなど海外取引所は多くのユーザーに利用されていますが、遵守しているルールや運営体制が日本と異なるため、考慮すべきリスクも異なることを念頭に置きましょう。)

CeFiのリスク

CeFiで仮想通貨を運用することにもリスクがあります。例えば2018年に日本の取引所CoinCheckが約580億円分の仮想通貨の盗難にあいましたが、預け先の企業が攻撃された場合、仮想通貨が返ってこない可能性があります。

CoinCheckの場合は自己資金で顧客へ補償することができましたが、返却される方が珍しいと考えるべきです。

実際に2020年11月、BlockFiと同業でCeFiレンディングを展開していたCredは大きな負債を抱えたまま破綻を発表しています。顧客資金の全額返却は簡単ではありません。

日本の取引所の場合、顧客資産は厳密なルールに乗っ取り保管することが定められていますが、レンディング企業は顧客から預かった資産を運用することが可能です。顧客からは、企業の運用方法およびその状況を知ることはできません。この透明性の欠如がCeFiリスクの原因の一つです。

DeFi

DeFiとは、UniswapやKyberSwapに代表されるように、顧客資金を預かることなく、イーサリアムのスマートコントラクトで仮想通貨を動かす金融機能のことです。ウェブサイトやアプリケーションからスマートコントラクトにアクセスすれば、トークン交換やレンディングなど、目的の金融取引を実現させることができます。

その取引の執行や記録に関して第三者の関与がない点において、Decentralizedな金融であると考えることができます。

DeFiで仮想通貨を利用する

DeFiでのレンディングは、仮想通貨をスマートコントラクトにデポジットすることで成立します。借り手となるユーザーは、担保と引き換えにそのスマートコントラクトから資産を借りることができます。

返却時には利息が支払われるため、貸し手は利息を得ることができます。代表的なレンディングDeFiは以下です。

  • Compound(仮想通貨を貸すことも借りることもできる)
  • AAVE(Compoundと同じ機能だが銘柄や細かなパラメータが異なる)
  • MakerDAO(担保と引き換えに、ステーブルコインDAIを借りることができる)

DeFiはCeFiと違い、KYCなどの手続きが一切不要である点が大きな特徴です。仮想通貨を保有してウォレットと接続できれば、今すぐにでも運用が開始できます。

しかし現在では、DeFiアプリケーションが動くブロックチェーンはほぼイーサリアムに限られます。したがってDeFiで運用する場合は取引所でETHを購入する必要があります。

最も手堅いBTCをそのまま利用したい場合は、CeFiを検討してください。

DeFiのリスク

DeFiの場合もCeFiリスクと種類は同じです。CeFiでは攻撃や企業のミスにより顧客資産が失われる危険性がありましたが、DeFiでも資金が集まるスマートコントラクトがハックされれば、ユーザー資産は盗難される可能性があります。

また、CeFiの場合は資金力のある主体が運営している場合ならば、ユーザー資金がスムーズに補償されることを期待できますが、DeFiの場合は簡単に補償ができない可能性が高いです。

しかしパブリックブロックチェーンを利用するため、DeFiにおける仮想通貨の動きは全てが克明に記録されており、完全な透明性を保っています。したがって積極的に仕組みを学び、各DeFiプロダクトを調査することで、各プロダクトのリスクとリターンを自らの判断において比較考量することも可能です。

終わりに

比較的簡単に始められる仮想通貨の運用手段を簡単に紹介しましたが、高い利息が得られる反面、リスクの種類と程度を理解した上での利用が必須です。しかし少しでも関心が湧いたなら、ここで挙げたサービスを自分なりに調べてみてください。

いずれ、CeFiとDeFi双方の理解を深めた上で自信を持って利用できるようになるはずです。

著者:S.Ninomiya

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します