はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ACINQがライトニングネットワーク対応のモバイルウォレットを開発

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ライトニングネットワーク対応のウォレット
ビットコイン関連プロダクトを開発しているスタートアップ企業のACINQが、ライトニングネットワークに対応した、モバイルウォレットアプリケーションの正式リリースを発表しました。
アプリケーションの誕生によって変わること
ライトニングネットワークの実装は現在のビットコインの取引とは別次元の速さで取引を行うことができ、ライトニングネットワークに対応したウォレットが誕生することで一気に現実世界の決済にも応用がなされると見られています。

スマホで簡単に仮想通貨の取引が可能になるか?

4月4に今後の仮想通貨業会の試金石となるような新たなプロダクトの開発が完了したと、スタートアップ企業ACINQから発表がなされました。

それが、ビットコインのライトニングネットワークに対応した、Andorid端末で利用できるモバイルウォレット“Eclair Wallet”です。

3月15日にライトニングラボが、ビットコインのメインネットにライトニングネットワークを実装したプロダクト「ライトニングデーモン」の最新版開発の発表からいち早い関連商品の誕生ということになります。

身近なスマホというデバイスに対応したアプリケーションが発売されたことで、ライトニングネットワーク、ひいてはビットコインの現実世界でのより広範な商取引への対応に期待が持たれています。

ライトニングネットワークの一つの大きな問題としてあったのがセキュリティに関するもので、仕組み上すべてがオンライン上で行われるため、ハッキング攻撃を受けやすいのではないかという懸念がありました。

そのため、ライトニングネットワークの単なる実装だけでなく、その仕組みに対応したウォレットの誕生が待ち望まれていました。

ただ、ライトニングネットワークのビットコインのメインネットへの実装すら。構想が寝られてから、数年が立っていますし、いまだ試験段階を出たわけではありません。 当然、ネットワークに対応したウォレットの開発にも数年を要するものと思われていました。

ですが、今回ACINQはいち早くの完成にこぎつけたのです。

ACINQとは

ACINQは、ビットコイン関連プロダクトを開発しているスタートアップ企業です。

主にビットコインが抱える問題の解決に寄与するようなプロダクトの開発に尽力しています。

最近ではスケーラビリティ問題の解決に関係する技術の開発に着手、2017年からはライトニングネットワークに対応するウォレットであるÉclairの初期版をリリースしていました。

今回5度目のアップデートでライトニングネットワークに対応した、今回のアンドロイド版モバイルウォレットアプリケーションの正式リリースとなっています。

まだiOS対応の正式な発表はまだですが、iPhoneもまた、世界規模で展開しているあモバイル端末です。今後の対応が予想されています。

現時点ではこのことに対する、その他企業からの動きはありません。

ですが、ライトニングデーモンの最新版リリースによってTwitterのCEOを含む既存の大手企業、投資家から250万ドルの巨額出資を受けたライトニングラボのように、ACINQも今回の発表によって巨額の出資を受け、事業規模を拡大していく可能性、そしてそのことによるサービスの発展への期待も持てます。

ライトニングネットワークの実装に関して

ライトニングネットワークは主にビットコインなどブロックチェーンによって下支えされている仮想通貨抱えるスケーラビリティ問題の改善に寄与するオフチェーンの解決方法として長らく注目を集めてきました。

そもそもビットコインでブロックの容量に限界があるため、取引量が増えてしまうと、取引速度に制限が出てしまう、またそのことにより取引手数料が増えてしまうという大きな問題を抱えていたのです。

そのスケーラビリティ問題解決のために提案されたのがオフチェーンによる解決方法です。

つまりビットコインのブロックチェーンの影響を受けない、ブロックチェーン外で決済を行い、その送金、受け取りの記録だけをブロックチェーンに書き込むことによって、取引速度を大幅に削減しようというものでした。

しかしながら、当初構想されていたオフチェーンの解決策はあくまで一対一の取引を想定しており、現在のような多人数で同時に行う取引を行うことには対応できないものだったのです。

そこで生まれたのがライトニングネットワークで、非常に簡略化して説明すると、トランザクションのつながりを網の目のように張り巡らせ、その中のいくつかの拠点を中継して取引を行うことで、同時にかつトラストレスで大量の取引を行うことができるという仕組みです。

ただ、このライトニング事態にも仲介役となるノードのセキュリティはどうするのかという問題が長らく解決されていませんでした。

ビットコインは簡単に言ってしまうと、秘密鍵の内部の情報を簡単に書き換えられてしまう、というプログラミング上のバグが存在していました。

それがマリアビリティ問題です。

もちろん致命的な問題であるため、解決策も比較的初期から講じられてきました。

それがsegwitです。

しかしながら、ビットコインはその莫大な市場価格によって、もはや当初サトシ・ナカモトが抱いていた理想だけでは立ちいかなくなっていたのです。

Segwitは画期的なシステムでしたがビットコインがそれまで持っていた、マイニングにかかるお金を減らす、マイナーに有利な仕様には対応していませんでした。

そのため、segwitを導入したいビットコインコア派と、マイニングに注力したい、マナーの間で対立構造が出来上がり、それがビットコインとビットコインキャッシュの分裂につながっています。

こうした問題があり、長らく、segwitの導入が行われてこなかったわけですが、2017年8月にやっとのことで導入され、ライトニングネットワークなど様々問題解決方法の実装に道筋が立ちました。

そんな中で20181年の3月15日に正式にメインネットに実装するプロダクトが発表され、そして4月4日に対応したウォレットのリリース発表がなされたのです。

まだ、実験段階を出ていませんが、ビットコインのスケーラビリティ問貝絵血に役立つ、ライトニングネットワークは2018年3月に美ttコインのメインネット正式に実装されました。

まだ、専門的な知識を有する人間が試験程度に運用できるレベルのものです。

実際にネットワーク実装にこぎつけたライトニングラボの運営自体も、ネットワークのリオ湯は少額かつ、自己責任で行うように、との通達を出しています。

また、一部プログラマーたちからは実装はまだ拙速ではないのか、という声が上がっているのも事実です。

こうした背景がある中で、Éclairウォレットリリースの発表がなされました。今後の実社会での運用にある程度の道筋が立ったと言えるでしょう。

アプリケーションの誕生によって変わること

ビットコイン実社会での利用の大きな壁となっていたのが、取引速度の遅さです。

当初の仕様から取引が完了するには10分程度の時間がかかる仕組みになっていました。

昨今の取引額の増加、そして現在も抱えるスケーラビリティ問題の影響で実際のところはそれよりもはるかに時間がかかるというのが実情です。

当然そのような速度では実際の商取引で使えるはずがありません。しかしながらライトニングネットワークの実装は現在のビットコインの取引とは別次元の速さで取引を行うことができます。

ライトニングデーモンのメインネットワークに対応した仕様変更から、多くの専門的な知識を有するユーザーがテストしたものを公開しています。

それを参考にすると、手続きの完了までに必要な時間はわずか数秒、しかもオフチェーンなので、基本的にビットコインの量に影響を受けません。

つまり、今後ライトニングネットワークがより広範の人、例えば一ビットコイン投資家レベルでも利用ができるようになれば、実社会での運用にぐんと近づくことになります。

そんな中大事になってくるのが、ライトニングネットワークに対応したウォレットです。セキュリティの問題だけではありません。

今のところ、現実社会での利用に適した例えばカードタイプの端末など、気軽にビットコインを運用できるものは存在していません。

今回のÉclairウォレットのように誰でも持っている端末で取引ができるようになれば、運用のハードルも下がるでしょう。

またライトニングネットワークの速度であれば、取引速度も十分、最終的にはおサイフケータイのように問題なく商取引の場面で、ビットコインを使える可能性が出てきます。

ライトニングネットワークに関しても関連技術を多くのスケーラビリティ問題を抱える仮想通貨が採用予定です。

Éclairはまだビットコインにしか対応していませんが、今後こうしたライトニングネットワーク対応通貨が増えれば、機能が拡充する可能性もあるでしょう。

スマホ端末一つで仮想通貨のやり取りができ、しかも現実世界ではビットコインやイーサリアムを使って、コンビニでおにぎりや飲み物が変えてしまう、果ては公共料金の支払いも可能になる、そんなロマンのある世界の誕生が近づいているかもしれません。

今後の動向に注目です。

Natee Meepian / Shutterstock.com

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/22 月曜日
20:05
Bybit、日本居住者向けサービス終了へ 2026年1月が最終期限
Bybitが日本居住者へのサービス終了を発表。2026年1月22日がKYC2完了の最終期限となり、未完了者は制限対象に。金融庁の規制強化を背景に、10月の新規登録停止に続く措置。世界第2位の取引量を持つ同社の撤退により、多くのユーザーへの影響が予想される。
18:00
Digital Space Conference 2026 無料チケット受付開始
ユーザーがメタディスクリプションを100文字程度で作成するよう依頼しています。DSC2026の記事内容に基づいて、SEOに適したメタディスクリプションを作成します。2026年2月17日、虎ノ門ヒルズフォーラムで「Digital Space Conference 2026」を開催。日本デジタル空間経済連盟主催、CoinPost企画・運営。AI、Web3、メタバース等を横断し次の社会像を議論。参加無料、チケット受付開始。
15:53
ユニスワップ手数料スイッチ提案が定足数達成 UNI焼却メカニズムが今週始動へ
ユニスワップのプロトコル手数料スイッチ提案「UNIfication」が定足数を達成。賛成票6,900万UNI超で12月26日の投票終了後、1億UNIの遡及的焼却と手数料連動型の継続的焼却メカニズムが今週後半に始動する見込み。
15:20
量子コンピュータは仮想通貨の脅威なのか?カルダノ創設者が示す客観的評価と対策
カルダノ創設者ホスキンソン氏が、量子コンピュータによる仮想通貨への脅威について冷静な対応を呼びかけ、米DARPA主導の、量子ベンチマーク・イニシアチブ(QBI)の参照を推奨した。
14:54
香港、保険会社の仮想通貨投資を解禁へ リスク管理100%義務付け=ブルームバーグ
香港保険監督局が保険会社による仮想通貨投資を認める新規制案を発表。100%の資本準備義務付けで慎重姿勢を示しつつ、2026年に公開協議を実施。総保険料約13兆円の業界から機関投資家資金の流入可能性。
14:03
著名投資家レイ・ダリオ、「ビットコインは中央銀行に大規模保有される可能性低い」と指摘
著名ヘッジファンド創業者のレイ・ダリオ氏がポッドキャストで、ビットコインは中央銀行の準備資産として大規模保有される可能性が低いと指摘。透明性や技術リスクを理由に挙げた。一方、個人投資家には5〜15%の配分を推奨している。
11:44
米議員、仮想通貨税制で法案起草 少額取引非課税やステーキング関連所得繰り延べも
米超党派議員が仮想通貨税制の改正法案を発表した。少額のステーブルコイン取引を非課税化することや、ステーキングやマイニング報酬の課税繰延べを盛り込んでいる。
10:51
ニューヨーク近代美術館、CryptoPunksなどNFT作品を永久所蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が12月20日、CryptoPunks8点とChromie Squiggles8点のNFT作品を永久所蔵品に追加。ブロックチェーンアートが主流美術機関に正式認められる重要な節目となった。
09:45
ファンドストラットが2026年仮想通貨市場に弱気予測 トム・リー氏と対照的
ファンドストラットが2026年前半に仮想通貨市場が下落することを予測した。一方、同社のトム・リー共同創業者は、ビットコインやイーサリアムに強気見解を示している。
08:51
テザー、AI機能搭載モバイルウォレットの開発を発表
テザー社がAI機能搭載のモバイルウォレット開発を発表。ビットコイン、USDT、USAT、XAUTの4資産に対応し、WDKとQVACを活用してプライバシーと自己管理性を重視した設計を目指す。
08:23
VanEck、アバランチETF申請にステーキング報酬機能を追加
VanEckが米SECに提出したアバランチETF申請書を修正し、ステーキング報酬機能を追加。保有AVAXの最大70%をステーキングし利回りを創出する計画。米IRSの新規則が後押し。
12/21 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコインの2026年相場予測やブロックチェーン人気ランキングなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、流動性低下で来週も不安定な展開か|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインの今後の見通しをbitbankアナリストが解説。年末のホリデーシーズンで流動性が低下する中、来週にかけても方向感に欠ける展開が続く可能性。12月の米雇用・物価データが金利見通しの鍵を握る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|与党税制改正大綱の決定に高い関心
今週は、米SECのポール・アトキンス委員長の講演、ノルウェー政府系ファンドによるメタプラネットのビットコイン戦略に対する支持、政府・与党の2026年度税制改正大綱の決定に関する記事が関心を集めた。
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧