はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「オンラインプライバシー保護ツールを日本市場へ」オーキッドCEOへインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Orchidにインタビュー

分散型VPNサービスプラットフォームを提供するオーキッド(Orchid)の共同創設者、Steven Waterhouse博士にインタビューを実施。オーキッドがブロックチェーン業界でVPNサービスに注力している理由や、今後の日本市場での展開などについて詳しく語っていただいた。

オーキッドとは、ブロックチェーン基盤の分散型VPNサービスを提供するプロジェクトで、イーサリアムブロックチェーン上に構築されている。インターネットをオープンかつアクセスしやすいものにするためのオープンソース・ソフトウェアを開発し、ブロックチェーン技術をVPN分野に取り入れることで、個人のプライバシー保護強化に取り組んでいる。

多くのVPNサービスとは異なり、オーキッド自体が単一の帯域幅プロバイダーとして機能しているのではなく、複数のプロバイダーの中から、ユーザーごとにランダムでプロバイダーが選ばれ、VPN接続が可能になる。既に他のVPNサービスのアカウントを所有している場合は、それを利用することも可能だ。これにより、単一障害点が取り除かれ、マルチホップVPN接続サービスの利用などを介して、より高度なプライバシーを維持しながらインターネットを利用できるようになる。また、オーキッドのエコシステムでは、ネイティブ通貨OXTが支柱となっており、プロバイダーに経済的インセンティブが与えられている点も特徴的だ。

以下、一問一答を掲載する。

VPNについて

オーキッドがVPNに焦点を当てている理由は何ですか。

VPNは、確率的ナノペイメント(少額決済)と呼ばれているオーキッド独自の決済構造の、素晴らしいユースケースです。

オーキッドでは、帯域幅プロバイダーは(ユーザーを見つけるために)宣伝を行い、革新的なテクノロジーである確率的ナノペイメントを介して支払いを受け取ります。支払額は、プロバイダーのOXTのステーク量、および提供する帯域幅サービスに基づいて計算されます。

スイッチを入れて電気を点けるたびに、1円未満の使用料を支払っているところを想像してみてください。オーキッドのナノペイメントは、これと全く同じように機能しています。しかし、点灯のたびに直接使用料が支払われる代わりに、オーキッドからプロバイダーへ、OXTを「引き当てる」数百万分の一の確率のチャンスが渡されます。わずか数円の価値を持つこのチャンスの配付は、何千万回、何億回と行われるため、本質的には、電気のスイッチ切り替えにごく少額の使用料を払うのと同じ結果になります。

オーキッドがVPNに特化している背景には何がありますか。

オーキッドでは、プライバシーが最重要事項です。私たちの目標は、地球上の全ての人のデジタルプライバシーを強化することです。そう考えた時に、VPNサービスを提供する以上に優れた方法はあるのでしょうか?オーキッドが築いてきたナノペイメント技術、およびユーザーがマルチホップVPNを設定できるという機能を考慮すると、VPNサービスが第一候補であることは非常に明確でした。

ブロックチェーン分野でVPNに注目したプロジェクトが少ない理由は何だと思いますか。ブロックチェーンに関して、VPN業界特有の難点はありますか。その場合、オーキッドが成功している理由は何だと思いますか。

ブロックチェーンプロジェクトでは、何かを「オンチェーン」に持ち込むことが主な関心であることが多いです。そのため、オフチェーンで利用したいモノやデータは、見落とされる傾向にあります。プライバシーは人権の一部であり、また、VPNはオーキッドが構築している分散型テクノロジーの優れたユースケースであると考えているため、VPNソリューションの構築を選択しました。

分散型VPNは、仮想通貨およびブロックチェーンにどのような影響を与えると思いますか。

少なくともオーキッドの場合、VPNは、ナノペイメント構造実装の素晴らしいユースケースです。ナノペイメント構造は、今後さまざまな業界、および特定の分野に特化した市場に拡大していくでしょう。分散型アプリケーションは将来を担うものであり、そのビジョンを実現するには、仮想通貨が必須になると予想しています。10年後に過去を振り返った時に、真にプライバシーが保護されたインターネットをグローバルなコミュニティに届ける分散化プロダクトのエコシステム全体の入り口として、VPNがあったことに気づくと思います。

日本コミュニティについて

日本市場をどのように見ていますか。日本市場で何を目指していますか。

日本は、全てのテクノロジー企業にとって主要な市場です。そしてオーキッドは、日本市場は特に分散型プロダクト普及に適していると考えています。日本での私たちの目標は、デジタルプライバシーのレベルを強化することです。オンラインでのプライバシー保護に対する懸念は、地球上の全ての人の間で増大しています。そのため、オンラインのプライバシーを保護するための新しく使いやすいツールを、日本市場にもたらすことができて、非常に嬉しく思います。

以前日本で、「日本市場限定のプライベートセール」と称したいわゆる「アフィリエイト」が投資家へ情報を流していたということを、おそらくご存知かと思います。これは偽情報ということが分かりましたが、これについてオーキッドチームは、どのように対応しましたか。

この組織が我々のガイドラインに沿わず、我々の許可なしで運営されていたことは認識しています。オーキッドは、日本コミュニティがOXTをきちんと受け取ることができるように、コミュニティと協力し合ってきました。

日本の読者へメッセージをお願いします。

オーキッドの高品質なデジタルプライバシーツールを日本のみなさんへ提供できることを、非常に光栄に思っています。オンラインでのプライバシーを保護および維持することは、以前にも増して重要になってきています。オーキッドのVPNソリューション、および仕組みについては、オーキッドのホームページから詳しくご覧になることができます。

関連:拡大するVPN市場、課題とブロックチェーン技術によるソリューション|Orchid、Brave

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/14 金曜日
17:19
米ビットコイン現物ETF、過去2番目の規模の純流出 リスクオフが加速
11月13日、ビットコイン現物ETFは8.7億ドル(約1,340億円)の純流出を記録し、過去2番目の規模に。イーサリアムETFも3日連続で流出。FRB当局者の慎重発言を受け、仮想通貨と米国株が同時に下落。専門家は健全な調整との見方も。
16:46
Aptos Labs CBOが語る日本戦略|独占インタビュー
Aptos Labs CBO Solomon Tesfaye氏独占インタビュー。日本の大手金融機関との協議、ステーブルコインUSD1の展開、グローバル戦略を語る。
16:32
ビットコインのみ投資へ 欧州初のルクセンブルク国家ファンドがETF経由で1%配分
ルクセンブルク財務相が、国家ファンドFSILが他の仮想通貨ではなくビットコインのみに1%配分したことを明言。欧州初の国家レベルでのビットコイン投資となる。
15:06
ヴィタリック、分散化の原則を強化する「トラストレス宣言」を発表 中央集権化に警鐘
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏らが「トラストレス宣言」を発表。検証可能性や検閲耐性など6つの核心要件を定義し、利便性優先による中央集権化リスクに警鐘を鳴らした。トラストレスこそがイーサリアムの本質であり、信頼できる中立性を達成する唯一の方法だと強調している。
15:06
JPYC、米サークル社オンチェーンFX網のパートナー通貨に採択
JPYCが米CircleのオンチェーンFX網「StableFX」で日本円パートナーに採択。USDCとの即時交換に対応し、国際送金・決済インフラで円建てステーブルコインの役割が拡大する見通し。
13:35
日本円ステーブルコインJPYC、発行額2億円突破
JPYC株式会社は、日本円建ステーブルコイン「JPYC」の累計発行額が2億円を突破したと発表。正式発行から約18日間での達成。保有者数は約3.1万人に達し、JPYC EXの口座開設数も6,000件に到達した。
11:57
「ビットコイン、株高に反応鈍く下落時は増幅」Wintermuteが非対称性を指摘
Wintermuteの最新レポートによると、ビットコインはナスダック指数と0.8の高相関を維持するも、株高局面で反応が鈍く下落時のみ敏感に連動。この負のスキューは2022年以来最高水準で、通常は市場底値圏で見られるパターン。資金の株式市場シフトと流動性低下が背景に。
11:49
大手銀BNYメロン、ステーブルコイン準備金のためのMMFを立ち上げ
大手銀BNYメロンがステーブルコイン発行者向けのマネー・マーケット・ファンド「BSRXX」立ち上げを発表。ジーニアス法対応の準備金ファンドとなる。
11:04
21シェアーズ、仮想通貨指数ETF2本を米国上場 投資会社法適用は米国初
21シェアーズが投資会社法(1940年法)準拠の仮想通貨インデックスETF2本を米国で上場。TTOPとTXBCは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナなど主要デジタル資産への分散投資を提供。機関投資家向け「ゴールドスタンダード」のETF構造を採用。
10:33
ビットコインが今月3度目の10万ドル割れ、フラッシュクラッシュ後の資金戻り鈍化
ビットコインは今月3度目となる10万ドル割れを記録し、低調な値動きが続いた。背景には、FRBが利下げに慎重な姿勢を示していることに加え、東証などを運営する日本取引所グループ(JPX)が仮想通貨トレジャリー企業に対して規制を示唆する報道が流れ、市場心理を冷え込ませたことが挙げられる。
09:54
グレースケールのIPO登録書類が公開 トランプ政権下で上場申請続く
仮想通貨資産運用企業グレースケールは、IPO登録届出書を米SECに提出。市場が構築されれば株式のトークン化も検討していく意向を示した。
09:32
米国でXRP現物ETF上場、初日取引高は90億円を記録
カナリー・キャピタルの仮想通貨XRP現物ETFが米国で上場。初日取引高90億円を記録した。2025年に上場したETF中でトップの数字となった。政府機関再開でさらなる承認も期待される。
09:18
チェコの中銀、試験的にビットコインを購入
チェコの中央銀行は、歴史上初めてデジタル資産を購入したと発表。購入したのは仮想通貨ビットコインで、他にも米ドルステーブルコインとトークン化預金も保有すると説明している。
11/13 木曜日
18:07
台湾中銀、ビットコインの国家準備資産化の「研究」へ
台湾の立法委員がビットコインを国家準備資産に組み入れる提案を行い、中央銀行が研究姿勢を示した。米国やブータンなど各国で進むビットコイン戦略的保有の動向と、エルサルバドルの事例から見る課題を解説。
17:48
メタプラネット、第3四半期決算でビットコイン評価益206億円を計上
メタプラネットの2025年12月期第3四半期決算発表。BTC保有量30,823枚に到達し目標前倒し達成、インカム事業過去最高売上。純利益135億円計上、1億ドル借入で追加取得へ。優先株活用の新戦略で普通株希薄化回避、2027年21万BTC目標を掲げる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧