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拡大するVPN市場、課題とブロックチェーン技術によるソリューション|Orchid、Brave

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

拡大するVPN市場とプライバシー保護の課題

世界中でのモバイル機器所有者数の増加に伴い、VPNのグローバル市場は拡大を続けている。VPN市場は、テクノロジー分野の中でも最も発展が速い領域の一つだと言われている。多くの人がこの利点を享受している一方で、その他の多くのインターネット関連の発展と同様に、プライバシーに関する懸念が生じている。

このような懸念が高まるにつれて、ソリューションを提供するプロジェクトも増えてきている。

VPN市場規模

2020年現在、世界のVPN市場規模は、292億ドル(約3兆328億円)であると推定されている。Research and Marketsの報告書によると、この数は2027年までには約1,075億ドル(約11兆2,236億円)に達し、年間成長率は17%以上になると予測されている。また、現在10億人以上いると言われているVPNユーザーも、今後飛躍的に増加していくと考えられており、経済規模およびユーザー数両方の観点から、急速な発展が期待されている分野である。

VPN市場発展の一部は、世界中でのモバイル機器およびワイヤレス機器利用の増加に起因していると考えられる。DataReportalによると、毎日世界中で約100万人が、インターネットに初めてアクセスしているという。

インターネットおよびVPN利用人口が急増しているにもかかわらず、VPN市場は未だたくさんの発展の余地があり、飽和状態からは程遠いのが現状である。GlobalWebIndexのリサーチでは、リサーチ対象国(40カ国)全てでVPN利用率は、全インターネット利用人口の3分の1以下であり、ほとんどの国では20%以下であったと報告されている。現在43億人だと推定されているインターネットユーザーが、世界中で日ごとに増加していることを考慮すると、今後数年の間に何十億人単位の人がVPNサービスを探し求める可能性がある。

プライバシーに関する懸念とソリューション

VPN市場が拡大するにつれて、プライバシー保護への懸念もユーザーの間で生じている。VPNを利用する理由は人によって様々だが、機密情報保護を理由にVPNを利用する、または言論および閲覧統制がかけられている地域からVPNを利用する場合は、特にプライバシー保護が重要視される。

プライバシー保護は、VPN領域に限定されている課題ではない。例えば、多くのソーシャルメディアでは、ユーザーの個人情報が収集され、ユーザーが知らないところでそのデータが管理されている。最悪の場合、データが流出する可能性もある。

このようなプライバシーに関する課題に対して、様々なソリューションを提供し、個人のプライバシー保護に取り組んでいるプロジェクトが増えてきている。

Orchid

サンフランシスコを拠点としたオーキッド(Orchid)は、19年12月にプライバシー保護に特化したピアツーピアのネットワークをローンチし、特にVPN分野でのプライバシー保護に注力している。

オーキッドのネットワークは主に、VPNクライアント(VPNにつながるソフトウェア)として機能するオーキッドアプリ、およびエコシステム内のネイティブトークンOXTで構成されている。

オーキッドアプリ

オーキッドアプリとは、ユーザーが自身のデバイスのコネクションを管理できるように設計されたプライバシーツールであり、VPNクライアント機能を含んでいる。

オーキッドアプリの大きな特徴の一つが、多くのVPNサービス提供プラットフォームとは異なり、分散的な方法でVPNを提供しているという点だ。これにより単一障害点が取り除かれ、ユーザーは、高い匿名性やプライバシーを維持したままインターネットを利用できる。また、ハッキングやデータ漏洩に対しても耐性ができる。

具体的には、オーキッドのネットワークでは、単一のVPNサービスを提供するのではなく、プライバシー保護に尽力している既存のVPNプロバイダーと協業することで、ユーザーに幅広い選択肢を提供している。オーキッドアプリでは、OpenVPNがサポートされているので、既にVPNサービスを利用していているユーザーは、プロバイダーを変更することなくオーキッドのネットワークを利用できる。

また様々なプロバイダーを利用できるというその特性から、オーキッドではマルチホップVPNの設定も可能だ。マルチホップVPNとは、2つ以上の複数のVPNサーバーにを経由することを指す。これにより、暗号化されたレイヤーがコネクションに追加され、単一のサーバーのみを経由(シングルホップVPN)よりも、ユーザーのセキュリティおよびプライバシー保護が強化される。

ユーザーはまた、アプリに元々内蔵されている機能を利用して、自身の携帯のトラフィックを監視し、怪しいアクティビティがないかを確認できる。

OXT

オーキッドは、プラットフォーム全体がトークンによって稼働されているという点で、Torなどのプライバシーに配慮した他の同様のプロジェクトと異なっている。

Torでは利他的なユーザーが、VPNサービスを提供してくれることに依存している。この仕組みでは、プロバイダーにインセンティブがないため、競争が促進されず、ネットワークの長期的発展が難しくなる。オーキッドでは、プロバイダーにインセンティブを与えることにより、より高速で処理能力の高いオプションがユーザーに提供できると期待されている。

このようなインセンティブとしてプロバイダーへ支払われるのが、プラットフォームのネイティブトークンであるOXTだ。ユーザーはプロバイダーに対して、VPNサービスの支払いをOXTで行う。この支払いは、ピアツーピアで行われ、マイクロペイメント(少額決済)が可能なため、ユーザーは実際に利用した分だけを直接プロバイダーへ支払うことができる。このシステムにより、ユーザーは詳細な個人情報を開示する必要なく、支払いを完了することができる。

Brave

Brave Softwareが提供している次世代型ブラウザBraveでは、特にデジタル広告という観点から、ユーザーのプライバシー保護強化に取り組んでいる。

Braveの広告システム

Braveでは、ユーザーのプライバシーに配慮した広告モデルが提供されている。

一般的な広告モデルでは、DSP(広告主が費用対効果を高めるために最適化されたプラットフォーム)およびSSP(広告を掲載するパブリッシャーの収益を最大化するためのプラットフォーム)の間で、リアルタイムの入札(RTB)が行われることにより、ユーザーに広告が表示されている。このシステムでは、ユーザーの同意なしで広告が表示され、ユーザーの知らないところでデータが共有されているという問題点がある。

一方でBraveの広告モデルでは、このような従来の広告モデルの仕組みは一切利用されていない。Braveでは、広告のターゲット情報などをまとめた広告主のカタログに基づいて、ユーザーのデバイス上のデータを利用し、ユーザーのデバイス上で広告のマッチングが行われる。このシステムでは、ユーザーの情報がデバイス外に出ることはなく、ユーザーのプライバシーが保護されている。

関連:BATとは|プライバシーを守るブラウザ「Brave」の特徴やBATの用途など

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