2020年を振り返る
暗号資産(仮想通貨)取引所Bybitは、2020年を振り返り、月間アクティブユーザーの5万人越えなど成長の軌跡を公開した。2018年12月にローンチされたBybitは、今年1年で出来高など大きく伸ばしている。
2020年は多くの人にとって「新型コロナウイルスのパンデミックの年」として記憶されることは間違いない。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、多くの国でロックダウンが行われ、海外への行き来など特に交通インフラが大きく制限された。
Bybitでは、新型コロナが流行する中、開催するトレード大会にて賞金総額の5%をユニセフ(UNICEF:国連児童基金)に寄付するといった取り組みを行っている。
金融市場も例外ではなく、多くの市場で激しい変動を記録、仮想通貨市場もまた今年3月には一度暴落した。しかし、その後、ビットコインは半減期などを経て高騰し、12月には史上最高値の2万ドルを大きく更新している。
2020年はDeFi(分散型金融)の年でもあり、ステーキングなどを駆使して利益を得るイールドファーミングは、大手経済メディアでも取り上げられるほどの流行を記録した。
ユーザー登録数、100万人を突破
Bybitの全世界ユーザー登録数は100万人を突破し、月間アクティブユーザーは5万人となっている。ユーザー数の拡大にはサポートする言語数の増加も寄与していると考えられ、現在Bybitは英語のほかに、中国語、ロシア語、韓国語、ベトナム語、日本語、スペイン語に対応している。
さらにBybitは、トレード大会などの珍しい取り組みで積極的にユーザーを増やしてきた。主催するトレード大会「WSOT」を含めた2020年度の賞金総額は、ビットコイン100BTC分、USDTで9万ドル分を分配している。トレーダーはチームを組んで損益を競い合うなど、ユニークな仕組みも作られた。参加人数は12,368人を記録している。
新たな機能やサービスも
2020年においてBybitは重要な役割を果たす幾つかのサービス、機能を追加している。今年の第1四半期には、モバイルアプリをローンチさせた。
大手デリバティブ取引所のBitMEXも2020年九月にモバイルアプリをローンチしており、携帯ユーザーは取引所にとってますます重要な層となっている。Bybitもアプリの提供により、どこからでもトレードを行うことが可能になった。
また、サービス拡充としてUSDTの先物も追加、第3四半期にはさらにETH、LINK、XTZ、LTCのUSDTペアを追加した。
取引高も堅調に増加し、第1四半期の約2085億ドルから第4四半期は5287億ドルまで成長している。最も人気の取引ペアはBTC/USDだったという。
相互保険(Mutual Insurance)も導入し、相場の急変などからユーザーを守られる仕組みが整備された。
2017年仮想通貨バブルとの違いは?
BybitのBen Zhou CEOは、3年前の仮想通貨バブルとの違いについて、以下のように語った。
3年前のBTC価格の高騰は、その未来とテクノロジーの価値を信じていた一部の大口投資家や個人投資家によって引き起こされました。
ただ、当時のビットコイン市場は、機関投資家から敬遠されていた節があります。政府管轄の規制面を含め、未成熟な市場であり、リスク面が増大していたためです。
しかし今日では、その状況は大きく変わりました。Bybitでも新しいトレーダーや機関投資家の参入事例が増加傾向にあります。MicroStrategyやPayPal、Squareさえも業界に参入し、仮想通貨(暗号資産)の正当性が、国際的に認められつつあることを実感しています。
伝統金融市場の「誰が投資を行っているか」という点は信頼をもたらし、今後、他の企業も追随するのではないかと思われます。