はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米ベンチャーA16zとコインベースも反対表明、FinCENの仮想通貨ウォレット規制案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

反対表明続々

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が昨年12月18日に発表した暗号資産(仮想通貨)ウォレット規制案に対し、続々と反対する声が上がっている。

米決済サービス大手のSquare社や仮想通貨取引所クラーケン、米ブロックチェーン協会など、主要業界関係者に続き、米ベンチャーキャピタル大手のアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz、通称:A16z)が反対を表明した。

同社はFinCENのKenneth A. Blanco長官宛に公式書簡を送ると同時に、ジェネラル・パートナーのKatie Haun氏は、ツイッターとブログで、その理由を簡潔に説明した。

Haun氏の一連のツイートに対し、米大手仮想通貨取引所コインベースCEOのBrian Armstrong氏はツイッターで「よく言った!」と称賛し、もしこの法案が可決されるようなら、A16zとともに法廷で異議申し立てに参加すると述べた。

仮想通貨ウォレットの規制強化を提案

問題となっているのは、FinCENが提案した仮想通貨ウォレットへの規制を強化する法案。

この法案では、自己ホスト型(自己管理型)ウォレットが対象となり、3000ドル(約31万円)を超える送金に対し、顧客の身元確認(KYC)と報告要件が課される。つまり、取引所から自身のウォレットに仮想通貨を引き出す個人の顧客についても身元確認が義務付けられることになり、取引所と外部ウォレット間では匿名の取引ができなくなることを意味する。

また、報告要件を回避するために、3000ドル以上の取引を小額に分割し取引する方法に対しても、抜け穴を塞ぐ規則が設定されるという念の入れようだ。さらに、1万ドルを超える取引に対しては、FinCENへ報告義務が生じる。

FinCENは、提案の目的は国家安全保障であり、外国政府が支援するランサムウェアやサイバー攻撃、テロ資金供与などの脅威から、米国の金融システムを保護するためのコントロール体制を築くことだと述べている。

A16zの主張

A16zのKatie Haun氏は、連邦検察官として10年にわたり、詐欺や企業及びサイバー犯罪を捜査をしてきた経験を持つ。特筆すべきは、政府初の仮想通貨対策本部を創設し、マウントゴックスのハッキングや仮想通貨の名を長年貶めることになったダークウェブ「シルクロード」の捜査を指揮したことだろう。

政府の仮想通貨捜査の内情に通じたHaun氏は、法廷での異議申し立ても辞さないとの構えを見せており、FinCEN法案への批判は手厳しい。

「この新規則は、表向きには金融犯罪との戦いを謳っているが、様々な仮想通貨事業体に対し、顧客の取引相手の詳細な個人情報を収集し、報告する義務を課すものだ。このような基準は現在、金融業界のどのセクターにも適用されていない。このような浅はかな規制は、予測可能かつ意図しない負の結果をもたらすことになる。」

A16zのFinCEN長官宛の書簡では、FinCENによる規制提案通知は、以下の五つの点から「恣意的で気まぐれであり、法律に反している」と主張している。

1. クリスマスから新年にかけての休暇期間にかかる時期に、パブリックコメント受付期間を6営業日に短縮しているが、その手順を省略する正当な理由がない。利害関係者及び一般市民に法案に対する有意義なコメントを提供する機会を与えないことは、明らかに行政手続法(APA)に違反している。(通常、パブリックコメント募集期間は60日間)

2. この法案の規則は、銀行秘密保護法(BSA)に基づくFinCENの規制にはない、新たな要件を課している。BSAを拡大解釈しており、広範囲にわたる顧客情報収集の義務化は合衆国憲法修正第4条に関する懸念を喚起する。

3. この規則では、事業体の分散型アプリケーションやステーキングも対象となり、意図した正当な範囲を遥かに超えてしまうことになり、不合理である。このような過度に広範囲にわたる規制には法的根拠や政策的根拠もない。

4. 規則の主要な構成要素は、対象事業者が何をすべきなのかについて明確に示していない。明確性の欠如は州の規制当局間における解釈の差に繋がり、実施は困難になる。

5. FinCENが本来の目的と主張する「国家安全保障と金融の健全性の保護」が、負の影響が予測されるこの規則によって達成できるかどうかを、効果的に説明することに失敗している。

「FinCENは考え直すべきだ。代わりに、仮想通貨業界が金融犯罪との戦いに力を貸せるように、業界と有意義な協議を行うべきである。」

Haun氏はこのように訴えている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/13 土曜日
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
12/12 金曜日
16:19
ソラナ公式が「XRP登場」を発表 wXRPが同日ローンチ
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表。ヘックス・トラストもwXRPのソラナローンチを同日発表し、1億ドル超のTVLを確保。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現へ。
15:10
Animoca Brands Japan、ビットコイン分散型金融「Solv Protocol」とMOU締結
アニモカジャパンはSolv ProtocolとMOUを締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT領域で協力を拡大。BTCFi活用による財務戦略の高度化を目指す。
14:57
米CFTC、ポリマーケットなど4社にデータ規制で柔軟対応
米CFTCが予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆2000億円)に達し、急成長が続いている。
13:55
コインベース、予測市場とトークン化株式ローンチ予定=ブルームバーグ
米最大手仮想通貨取引所コインベースが12月17日に予測市場とトークン化株式を発表予定。ジェミニのCFTCライセンス取得やDTCCのトークン化承認など、業界の競争激化と規制進展が加速している。
13:20
テラフォームラボのド・クォン創業者に懲役15年の判決 ステーブルコインUST崩壊背景に
テラフォームラボのド・クォン創業者に米国地裁で懲役15年の判決。2022年のアルゴリズム型ステーブルコインUST崩壊により数兆円の被害をもたらしていた。
13:10
YouTube、クリエイター報酬でペイパルのステーブルコイン支払いに対応
フォーチューン誌によると、ユーチューブが動画プラットフォームのクリエイターに対し、ペイパルのステーブルコインPYUSDでの報酬受け取りを選択できるようにした。現在は米国ユーザーのみに適用される。
11:53
ビットコイン9万ドル割れから反発、売り圧力後退も流入資金は半減
12日の暗号資産市場でビットコイン(BTC)はFOMC後に一時9万ドルを割り込んだが米国時間にかけて反発した。ただアナリストは売り圧力減少による反発と指摘し、ステーブルコイン流入が8月比50%減の760億ドルまで縮小した。新たな流動性回復まで上昇は限定的で、週足9万3000ドル確保が強気継続の条件に。
11:35
コインベース、ソラナ系トークンの直接取引を開始 上場審査不要で即時売買
米仮想通貨取引所大手コインベースが、アプリ内でソラナ系トークンをDEX経由で直接取引できる新機能を発表。従来の上場審査なしで数百万種類のトークンに即座にアクセス可能。1.2億ユーザーに順次展開予定。
11:04
国税庁が調査結果を発表、暗号資産取引の追徴税額46億円に
国税庁が令和6事務年度の調査結果を公表。暗号資産取引に対する追徴税額は46億円で前年比31%増、1件当たり745万円と全体平均の2.5倍に。政府は分離課税導入に向け調整を進めている。
10:02
米上院銀行委員会長、仮想通貨「クラリティ法案」で銀行幹部らと協議
米上院銀行委員長がビットコインなど仮想通貨の市場構造を定める法案で銀行業界と協議し、進展があったと報告した。ステーブルコイン利回りやDeFiが法案の争点となっている。
09:49
米CFTC、仮想通貨取引の引き渡し規則を撤廃 規制緩和へ
米CFTCが仮想通貨の「現物引き渡し」に関する2020年ガイダンスを撤回。ファム委員長代行は「時代遅れで過度に複雑」と指摘し、規制簡素化へ。12月には現物取引承認やパイロットプログラム開始など、トランプ政権下で仮想通貨規制の整備が加速。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧