はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本含む31ヵ国の「仮想通貨課税」状況を調査=米議会図書館

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロック報酬に対する課税ルールを調査

米国議会図書館は、世界31カ国における暗号資産(仮想通貨)の課税状況に関する調査報告書を公開した。

「選択法域における仮想通貨のブロック報酬課税」と題されたこの報告書は、仮想通貨のマイニングやステーキング、またエアドロップやハードフォークにより取得された、トークン(ブロック報酬)に対する各国の課税状況に焦点を当てている。

本報告書は、外国法の専門家により執筆された128ページに及ぶ詳細なもので、2019年に発表された税法を含む仮想通貨の規制アプローチの比較研究を補完するものとなっている。

調査によると、ビットコイン(BTC)に代表されるPoW(プルーフ・オブ・ワーク)ネットワークでマイニングにより取得した仮想通貨に関しては、多くの税務当局が課税ガイダンスを公表している一方、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)ネットワークでステーキングにより得られたトークンに対する税務ルールを具体的に示している国は限定的であることが明らかになった。

ステーキングで取得したトークンの課税

ステーキングにより取得したトークンの課税方針を明確に打ち出しているのは、オーストラリア、フィンランド、ニュージーランド、ノルウェーとスイスの5カ国。

オーストラリアとフィンランドでは、マイニングとステーキングで取得したトークンは、それぞれ税務上異なる扱いを受ける。

オーストラリアの場合、趣味の範囲で行ったマイニング報酬に関しては、所得税は課せられず、売却時のキャピタルゲイン税の対象となる。ステーキングやフォージングに対する報酬は、受領時に通常の所得として扱われ、そのトークンを売却した際にはキャピタルゲイン税の対象となる。

フィンランドでは、マイニング報酬は、趣味で発生した所得と扱われる一方、ステーキングによる報酬は、保有している仮想通貨から価値が発生したものとして、キャピタルゲイン税の対象となる。

昨年9月に発表されたニュージーランドの税務ガイダンスは、マイニング、ステーキング、エアドロップおよびハードフォークで受領した仮想通貨について言及している。事業収入か投資収益かなど、活動の目的によって対応が異なるが、ステーキング報酬は、受領時に加え、売却による所得にも課税される可能性が示唆されている。

ノルウェーでは、商業的規模で行われるマイニングやステーキング報酬に対しては所得税が課され、売却益も課税される。(趣味としてのマイニング収入には課税されない)

スイス当局は、ブロック報酬全般に対する注意事項を明記した付加価値税ガイダンスの中で、ステーキングされたトークンに言及した。

エアドロップやハードフォークで受け取ったトークンの課税

エアドロップやハードフォークにより受け取ったトークンに対する税務ガイダンスを提供している国は、日本をはじめ、オーストラリア、フィンランド、ニュージーランド、シンガポール、イギリスなど。

日本では、ハードフォークで取得した仮想通貨は、所得税の対象とならないとされている。その理由として、取得時点では取引市場が存在しないため、新たな仮想通貨に価値がないとみなされるためと説明されている。(新仮想通貨の取得価格は0円)一方、取得した仮想通貨を売却、または使用した時点で所得が発生したものとして処理される。

フィンランドも同様で、ハードフォークにより受領した仮想通貨は、ゼロと評価され、譲渡、売却または取引時に課税される。オーストラリアでも売却時にキャピタルゲイン税のルールが適用される。

米国の仮想通貨税

報告書では、調査した31カ国のうち、所得税、キャピタルゲイン税、付加価値税など、仮想通貨に対しどのような税金が適用されるか明確なルールを確立している国は16カ国にとどまったと述べている。(オーストラリア、ニュージーランド、スイス、デンマーク、スエーデン、フィンランド、ノルウェー、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、英王室属領ジャージー、カナダ、イスラエル、シンガポール、日本)

この調査は、仮想通貨推進派として知られる共和党のTom Emmer議員が依頼したのだが、上記に米国は含まれていない。Emmer議員は、デジタル資産技術が進展していくためには、技術革新を阻害しない規制の枠組みを作ることが重要だと述べている。その中には、課税ルールをより明確にし、分別のある税制の適用を行うことも含まれる。

米PoS協会のAbraham Sutherland法律顧問は、報告書で明らかになった各国の対応を踏まえた上で、米国が公平かつ明確な税制を採用することにより、世界のリーダーとなることも可能だと述べている。

そのための重要な第一歩は、不動産のような資産に対する課税と同様、ブロック報酬の課税はトークンの取得時ではなく、売却時とすることを明確にすることだと主張。この課税方法を採用することで「行政上の頭痛の種を減らし、国民に重税を課すことが避けられる」と述べた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/14 日曜日
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
12/12 金曜日
16:19
ソラナ公式が「XRP登場」を発表 wXRPが同日ローンチ
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表。ヘックス・トラストもwXRPのソラナローンチを同日発表し、1億ドル超のTVLを確保。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現へ。
15:10
Animoca Brands Japan、ビットコイン分散型金融「Solv Protocol」とMOU締結
アニモカジャパンはSolv ProtocolとMOUを締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT領域で協力を拡大。BTCFi活用による財務戦略の高度化を目指す。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧