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「企業資産でビットコイン保有」ウェビナー、IKEA管理会社も出席

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務資産としてのビットコインを議論

財務専門家による国際組織、企業財務家協会(ACT)のウェビナーで、「ビットコインを財務資産に取り入れること」についての議論が行われた。

1月20日に開催されたこのイベントには、IKEA(イケア)の多くの店舗を管理するIngka GroupのMichael Aandahlデジタル財務責任者も参加。MicroStrategy社のMichael Saylor CEOと、仮想通貨カストディアンCopperのRalph Payne最高財務責任者は仮想通貨についての誤解を解き、現在の状況を説明した。

MicroStrategyは巨額のビットコインを財務資産として購入した先駆的な試みで知られ、CEOのSaylor氏は「2021年、ビットコインは新たな機関グレードの安全資産として台頭していく」と発言している。

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仮想通貨規制環境の向上

まず、ビットコインが犯罪者に使われることが多いというのは誤解だとSaylor氏とPayne氏は指摘。2017年に仮想通貨市場が高騰した際には、デジタル資産に対する一般的理解や規制が不十分だったため、詐欺プロジェクトやサイバー犯罪者の標的にされていたとした。

しかし現在は、多くの政府が仮想通貨を規制枠組みの下に置いているとする。Payne氏は、このことは企業がビットコインを購入する上でも影響が大きいと述べた。

例えば、米国では通貨監督庁(OCC)が仮想通貨業界にとって追い風となるような政策を次々と打ち出した。2020年7月には銀行が仮想通貨カストディを行うことを可能にする解釈文書を発表。以降、銀行が仮想通貨市場に参入する道を開いた。また反対に、仮想通貨企業が銀行設立を申請する事例も相次いでいる。

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またOCCは今年に入ってから銀行が仮想通貨のノードを運営したり、「許容された決済活動」に限りステーブルコインの運用を行えるとする解釈文書も発表。ブロックチェーンを国際決済に導入して「安く、速く、効率的に」取引できると説明している。

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さらに、国際的な規制基準を構築する動きもある。金融活動作業部会(FATF)は、マネーロンダリング等防止のため、仮想通貨サービスプロバイダー(VASP)に、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することを求める方針を打ち出した。この国際的な推奨事項を遵守するために、各国の仮想通貨業界は顧客身元確認(KYC)やその他のルールを強化しているところだ。

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マイニングの再生可能エネルギー利用増加

ビットコインが、マイニングの際に多くのエネルギーを消費することについてはSaylor氏とPayne氏は認めている。しかし必要とする計算能力の大きさは、そのネットワークの安全性にも繋がっているという。

ウェビナー参加者の間では、ブロックチェーンの実行に必要な計算能力の削減よりも、業界が先頭に立って努力すべきなのは、持続可能なクリーンエネルギー源の開発であるという点で意見が一致した。

ケンブリッジ大学による最近の調査では、仮想通貨マイニング業者の76%がエネルギー源の一部として再生可能エネルギーからの電力を使用していることが判明。2018年にはこの数字は約60%だったが、それから向上していることが分かる。

企業の中核事業に依存する判断

財務資産にビットコインを取り入れるかどうかの判断には、その企業の事業内容も関わっているようだ。

ウェビナーの中で、Ingka GroupのMichael Aandahl氏は、仮想通貨をいち早く財務資産として取り入れている企業は、その中核とするビジネスが、すでにある程度仮想通貨と親和性のあることが多いと述べた。

「本来の事業分野が(デジタル資産とは)離れているほど、本当に実施すべきかと疑問が出てくるのは想像に難くない」と同氏は発言する。

例えばMicroStrategyはソフトウェアやデータ分析を提供する企業であり、ビットコインを購入した他の企業としてはSquareも、フィンテックに関与する決済会社だ。

こうした企業がまず先駆的にビットコインを購入し、その他の分野の企業は、その様子を見守る傾向がしばらく続く可能性もあると見られる。

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