今年は「企業年」か
上場企業として仮想通貨ビットコインを最も保有する米MicroStrategy社は3日より二日間に渡るビットコイン投資に関わる企業向けカンファレンスを開催。同社のSaylor CEOも出席、今年は企業資金がビットコインに‘雪崩’のように流れ込む可能性があると予測した。
企業向けのオンラインカンファレンスは、ビットコインを準備資産として保有することを検討する企業をサポートするために開かれたもので、事前に約1,400社の企業がカンファレンスへの登録があったという。イスラエルやスイス、ブラジル、イタリアなど少なくとも16ヵ国の一般企業が参加し、仮想通貨の関連企業ではコインベースやバイナンス、グレースケールなどがアドバイザーとしてビットコインのメリットや課題について解説やピッチングを行う。/p>
MicroStrategy社は上場企業として初めて、ビットコインを準備資産に大量に買い入れ保有する企業。これまで複数回の購入を通して、計71,079 BTCを購入している。直近で、昨日3日にも約295 BTCのビットコインを追加購入したことを発表した。
機関投資家の多様性
Saylor CEOは、カンファレンスで参加企業の代表者らに対し、「仮に企業の準備資産でドルやユーロが大量に蓄積されているならば、これらの通貨が毎年約15%の価値を失っていることを改めて知っておいた方がためになるかもしれない」と説明、資産がインフレに晒されるリスクを指摘した。
解決法の一案として提案したのがビットコインだ。「一部の現金をビットコインに変えることを推奨する」とコメントしている。
Saylor氏やマイクロストラテジー社が企業の資金をビットコインに充てることに決定した理由も、インフレヘッジが主な目的であったことは、既報の通り。
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大と経済への影響を受け、多くの政府や中央銀行は経済対策として、量的緩和などの大規模な景気刺激策を実施。法定通貨の発行量が記録的に増加している国も多く存在する点に対し、発行量に上限があり、半減期を終えたばかりのビットコインに注目した。
MicroStrategyがビットコイン投資を開始したのち、Square社やMassMutualなどの米上場企業が続いた他、ファンドや投資信託の需要も増加。企業のビットコイン需要が増えつつある。
ビットコインへの投資需要の一例としては、今回カンファレンスに参加したニューヨーク発の仮想通貨投資企業NYDIGのRoss Stevens会長が、過去一年間で、ファンドに参加する機関投資家の数が当初の25から280にまで増えてきたと指摘。「企業のCEOは資本のアロケーションだ。しかし、現金は負債になりつつあるため、ビットコインを取り入れていくか次の10年間におけるCEOらの重要な意思決定となっていくだろう」とコメントした。
また、現在ビットコインの機関投資家に関して、「上場企業、非上場企業、ヘッジファンド、プライベートエクイティーファンド、クレジットファンドなども含めている」と話し、機関投資家の多様性についてアピールしている。