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米通貨監督庁、銀行の「ステーブルコイン導入」認める解釈書を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米OCC、パブリックチェーンとステーブルコイン認める解釈書を公開

米通貨監督庁(OCC)が米時間月曜日、国法銀行や貯蓄貸付組合の決済に暗号資産(仮想通貨)に関わるパブリックチェーンや、ステーブルコインの利用を認める解釈書(Interpretive Letter)を公開した。

書簡によると銀行や米連邦政府から認可を受けた貯蓄組合は、仮想通貨のノード運営や「許容された決済活動」に限りステーブルコインの運用を認めることとなった。銀行などの金融機関がパブリックなブロックチェーンを法律に準拠した形で利用できるとの解釈だ。

具体的には、決済領域におけるステーブルコインが例に挙げられ、ブロックチェーンを国境間決済に導入することで、より「安く、速く、効率的に」決済を完了できると説明。銀行にブロックチェーンの導入を推奨するとともに、場合によっては独自のステーブルコイン導入も認めている。

解釈書の詳細

また米OCCのプレスリリース内ではブロックチェーン技術の活用は既存の銀行システムに比べ、決済の効率化と安定、そしてリアルタイム決済の実現につながると説明。またパブリックブロックチェーンは分散化されていることから決済領域においては既存の決済ネットワークより優れている場合もあるとした。

さらにパブリックブロックチェーンではノードの中で承認され、一定数のノードが合意に至った場合にのみ新たな取引が追加されることから、「データベースに誤った情報が加わるリスクも低下する」と形容されている。

一方で新技術を運用する法的リスクや運用リスクもあるとして、注意喚起を推奨。具体的にはマネー・ロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与対策の徹底や銀行秘密法の遵守、また仮想通貨取引におけるリスクを踏まえた銀行のリスク管理に係る実務の更新を促した。

仮想通貨界隈からの注目を集めた米OCCからの発表を受け、通貨監督庁のホームページは一時的にアクセス不能となっていた。(午前10時頃に復帰)

出典:Office of the Comptroller of the Currency

有識者のコメント:発表の影響は

仮想通貨界隈からは今回示されたガイダンスについて前向きに捉える声が多く見られている。

独自の米ドル担保のステーブルコインUSDCを発行する米サークル社のJeremy Allaire CEOによると、解釈書は銀行がパブリックチェーンを「SWIFT、ACHやFedWire」などと並ぶインフラとして扱うことが可能になる。

分散化されたオープンなソフトウェアが米国の金融システムの基盤になっているとして、今後も経済活動がさらにオンチェーンに移行していく過程で大きな前進と形容した。

一方、仮想通貨取引所BitfinexのPaolo Ardoino CTOは、プライバシー保護や決済速度の観点から銀行が、実際にパブリックブロックチェーンを活用する可能性は低いと予想。銀行が進歩した技術を導入して、コスト削減につながるきっかけとなることに期待を示した。

また、米仮想通貨投資企業Morgan Creek Digital社の共同設立者であるAnthony Pompliano氏は、解釈書が「分散化プロトコルを導入したステーブルコインは、既存の決済オプションより優れている場合もある」と記されていた点を大きく評価している。

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