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イエレン米財務長官、仮想通貨の犯罪利用への対策の必要性に言及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の犯罪利用に警鐘

前FRB議長で、バイデン新政権の財務長官に就任したジャネット・イエレン氏は、「暗号資産(仮想通貨)の新たなテクノロジーの可能性を理解している」と前置きしつつ、一部でテロ行為や資金洗浄に悪用されていることは、「深刻な問題」だと懸念を表明した。

イエレン財務長官は、財務省が2月10日に開催した米国金融セクター・イノベーション政策円卓会議の冒頭挨拶で、「私たちは現在、詐欺、マネーロンダリング、テロ資金供与、およびデータプライバシーの関連リスクが爆発的に高まる中に生きている」と指摘。昨年12月にマネーロンダリング防止法が可決成立し、財務省に「不正資金対策の枠組みを刷新する権限が委託された」ことは、絶好のタイミングだと述べた。

仮想通貨については、「新技術としての有望性も認識しているが、現実も直視している」と述べ、インターネット上で麻薬密売組織の利益洗浄やテロ資金供与の道具として使われてきたと主張した。

指名承認公聴会での発言

財務長官就任に先立ち、1月19日に行われた米上院の指名承認公聴会においても、イエレン氏は仮想通貨がテロ資金供与の「懸念事項」であると、次のように語っていた。

「私は、多くの仮想通貨が、少なくとも取引という意味において、主に不正な資金調達のために使用されていると思っている。このような(仮想通貨の)使用を抑制し、これらのルートを介して資金洗浄対策が発生しないような方法を真剣に検討する必要があると考えている。」

規制強化の流れを作る動きか

先出の円卓会議には、政策立案者や規制当局、民間企業の専門家が参加し、相互運用可能なデジタルIDソリューションをはじめ、より効果的なマネロン ・不正行為防止のための革新技術の活用、さらに責任あるイノベーションを推進するための規制アプローチなどが話し合われたという。

イエレン財務長官は、関連する民間金融機関や規制機関と協力し、財務省が「責任のあるイノベーションの拡大と活用」を全面的に支援することで、犯罪組織が関与する「闇の金の流通を止め、ハッキングや選挙への干渉を阻止」することが可能になると強調した。

財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、昨年12月に、顧客の身元や送金先の情報確認の強化が要求される仮想通貨ウォレット規制案を提出、仮想通貨業界から大きな批判の声が上がっている。さらに、米国外における1万ドル超の仮想通貨保有に対しても報告義務を変更する提案も続いた。

財務長官となったイエレン氏が、この規制案の推進にどれほど影響力を持つのか、今後が注目される。

関連:米FinCEN、仮想通貨の新たな規制案を発表──1万ドル超の国外保有分に報告義務

関連:米ベンチャーA16zとコインベースも反対表明、FinCENの仮想通貨ウォレット規制案

仮想通貨の犯罪利用に関する調査結果

仮想通貨に対する懸念として、規制当局や伝統的な金融機関が頻繁に言及する「仮想通貨の犯罪利用」だが、実際の所はどうなっているのだろうか。

ブロックチェーン分析会社のChainalysisの最新調査によると、2020年の仮想通貨が関連した犯罪は、2019年の2.1%から大幅に減少し、総取引量の0.34%に過ぎないという結果となった。

また、国際銀行間通信協会(SWIFT)の依頼で英国の防衛・航空企業BAE Systemsが作成した調査報告書では、組織的犯罪グループが仮想通貨を利用する割合は、現金に比べて非常に小さいと指摘されている。

ブロックチェーン分析会社のEllipticは、昨年12月の報告書で、「仮想通貨の犯罪傾向を取り巻く公の議論は、多くの場合、裏付けに乏しく、センセーショナルな表現が用いられている」と批判した。

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