デジタル資産のサービス拡充へ
機関投資家向けにデジタル資産のカストディサービスを提供する「Komainu」は9日、初期段階となるシリーズAの資金調達が完了したことを発表した。
今回調達した資金は2500万ドル(約27億円)で、デジタル資産の投資機会を探る企業や機関投資家に向けたサービスを拡充するために活用する。グローバルに存在感を高め、成長戦略を加速させる狙いだ。
Komainuは、国内大手の野村ホールディングスと資産運用企業CoinShares、セキュリティ企業Ledgerの3社が、2018年に合弁事業として設立したカストディアン。2010年にサービス提供を開始し、現在カストディの利用者からの預かり資産は30億ドル(約3300億円)超に上る。
今回Komainuが実施したシリーズAは一般的に、事業開始前に出資を募る「シード」に続く投資ラウンド。機能や設備などを拡充する前に出資を募る目的で行われる。
今回の投資ラウンドは、Alan Howard氏がリード投資家を務めたことでも注目を集めた。Howard氏は暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンに特化した英投資企業「Elwood Asset Management」の共同創設者で、億万長者としても知られる著名人だ。
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今回の発表に際し、「保管する資産が30億ドル超のKomainuは、デジタル資産業界をグローバルに牽引するカストディアンの1つ。従来の金融サービスとデジタル資産の架け橋になるというKomainuのミッションをサポートできることを嬉しく思う」とコメントを寄せた。
他にはマイケル・ノボグラッツ氏が最高経営責任者(CEO)を務めるGalaxy Digitalや野村総合研究所(NRI)らも出資に参加している。
今後の計画
Komainuは現在、資産運用企業や金融機関、一般企業、政府機関が利用しているという。
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今回獲得した資金は具体的に、取り扱う資産の追加、機能の拡充、サービス提供エリアの拡大に使うと説明。またデジタル資産のプライムブローカレッジ事業において、補完的なサービスを提供するためにも利用するとしている。
KomainuのトップHenson Orser氏は「今後もデジタル資産の未来を形成できるように努め、単なる資産の保有だけでなく、資産運用という戦略の柱を推進していきたい」と意欲を見せた。