バイデン大統領が総額200兆円の大型経済対策に署名
米バイデン大統領は11日、総額200兆円規模の追加経済対策法案に署名した。米国市民向けに一人あたり最大1400ドル(15万円)の給付金の配布が、今週末から始まることとなった。
総額4000億ドル(約43兆円)にのぼる現金給付のほか、学校や大学の再会に向けた支援や、ワクチンの配布など新型コロナウイルス対策が主な軸となる。また失業手当も1週あたり300ドルの追加給付が8月まで延長される。
追加経済政策法案は今週10日までに米上院と下院で可決。民主党が過半数を占めているため、共和党所属の議員が一律して反対票を入れた中でも通過していた。
コロナ・ショックが発生した20年3月12日からちょうど1年を迎える中、新政権発足後では初めての経済政策が動き出す形だ。
仮想通貨投資の資金になるか、ドイツ銀行の調査結果
元大統領のトランプ政権時も含めると、コロナ禍では通算5度目の景気対策となる。ドイツ銀行が2月に行ったオンライン調査によれば、米国の25歳から34歳の回答者の半数は、「給付金を株式投資に活用する予定」であることがわかった。
ドイツ銀行が2月上旬に行ったアンケート調査では430名の米国市民が回答し、以下のような結果となった。
- 18歳から24歳:40%
- 25歳から34歳:50%
- 35歳から54歳:37%
- 55歳以上:16%
特筆すべきは、回答者の34歳未満の若年層では、61%が過去1年間で初めて投資したと回答している点だ。米国では新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によるロックダウン以降、これを契機に若者が投資など資産運用を始める傾向が強まっていたが、このトレンドを裏付けるデータだと言えるだろう。
国内大手取引所bitFlyerが2月に公開した調査結果では、日本国民の回答者の69%が「投資していない」と答えるなど温度差がある。なお、米国の回答者の76%は、暗号資産(仮想通貨)に対するイメージは「ポジティブ」と回答している。
仮想通貨市場への資金流入はあるか
20年3月のコロナ・ショック時には、5000ドル(50万円)以下まで暴落したビットコインであるが、その後大きく高騰し、3年前の仮想通貨バブルで記録していた過去最高値の2万ドルを大幅更新。年間騰落率では約300%に達した。
著名投資家チューダー・ポール・ジョーンズやスタンレー・ドラッケンミラーなどもビットコイン保有を認めた他、米上場企業のマイクロストラテジー社が財務資産としてBTCを大量購入するなど「デジタル・ゴールド」としての地位を固めた。
20年4月に米国で1200ドルの給付金が初めて配布された直後からは、米市民が仮想通貨市場に参入する事例も数多く指摘されている。
米大手仮想通貨取引所コインベースでは、給付金の配当後、1200ドルちょうどの入金が相次いだことをCEOのBrian Armstrong氏が報告した。
また、大手仮想通貨取引所バイナンスの米国部門(Binance US)の担当者もCoinDeskに対して1200ドルの入金(デポジット)が増加したと報告していた。
米国メディアでは、20年春当時、給付金でビットコインを購入していた場合、どのようなリターンをもたらしたかについて盛んに報道している。ビットコイン変動率を追うBitcoin Stimulusによれば、BTC価格は20年4月以降、約750%もの高騰を記録した。
今年1月には、大手トレードアプリ「ロビンフッド」及びゲームストップ株騒動が巻き起こるなど、若年層による株式市場への関心は日増しに高まっている。