コインベースの株式数
米大手仮想通貨取引所コインベースが株式の直接上場に関する申請書類S1フォームをSECに提出し直し、発行計画の株式数が判明した。
SECに提出した修正S1フォームでは、株式の登録数を明確にした。合計株式数を114,850,769(約1.15億)と設定。一方、明確なナスダックへの上場日程はフォームに含められていない。
コインベースは2月末に米証券取引委員会(SEC)にS1フォームを初めて提出。業績や企業資産などの詳しく開示されたデータから、企業価値は約13.5兆円(1270億ドル)とデータ企業Messari社などによって試算されている。
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また修正された書類ではリップル社の訴訟を受け、仮想通貨XRP(リップル)の取り扱いについても言及。
リップル社が受けているSECの提訴を取り上げて、SECのような規制アクションがコインベースの運営にも影響を及ぼし、仮想通貨XRPの取扱いを中止することを余儀無くされたと指摘。XRPの出来高がコインベースの全体出来高を大きく占めており、その売上高は2020年と2019年を合わせて約150億円に計上されていたと説明した。
また、以前のサーバー障害の事例にも触れて、データベースやネットワークインフラの改善に注力していることを強調した。コインベースでは、ビットコインの乱高下時にサーバーダウンの事例が過去に複数回発生し、ユーザーから苦情を受けている。
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コインベースのポートフォリオ
今回のS1フォームで、コインベースは自社のポートフォリオ(コインベースベンチャーズ)についても言及した。
最近の投資として、ZoraというNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスに、2020年7月〜2021年1月の間、合計で約3,400万円を投資したことを明かした。
また、これまでの投資先の企業やプロジェクト、仮想通貨について、「長期的投資先と考えており、日常のトレーディングを行う計画はない」と説明。昨年12月付けの財務開示書類では、財務資産として、当時約200億円に相当するビットコインやイーサリアムを含む複数の銘柄を保有していたことがわかった。
コインベースベンチャーズのポートフォリオには、さまざまなクリプト関連のプロジェクトや企業が存在し、プロダクトとトークンエコノミクスを持つプロジェクトは特に注目されている模様だ。
例として、MaticやAudius、Compoundなどの銘柄が挙げられる。Matic Networkはインドのブロックチェーンエンジニア発のイーサリアムL2ソリューション(処理速度の改善などが利点)であり、2月にPolygonにリブランデイングされ、現在多くのDeFiプロジェクトから採用されている。また、先週コインベースに上場し価格が高騰していた経緯もある。
DeFiレンディングプラットフォームCompoundのCOMPトークンは昨年のDeFiイールドファーミングブームの起点と言っていいほどの影響を市場に与え、その後さまざまなDeFiプロジェクトがガバナンスを発行するようになったとの見方が散見されている。
イールドファーミングとは需給バランスによって常に変化する利率に応じて流動性の提供先を変え、もっとも大きなリターンを得る取り組みのこと。
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さらに、Audiusという米西海岸発の企業は同名の音楽配信アプリ・プラットフォームを提供、バイナンスラボも出資している。ブロックチェーンを利用し、インディーズアーティストなどの音楽配信や報酬の仕組みをサポートしており、現在の月間アクティブユーザーは約400万人に上る。
Audiusは、Audioトークンというガバナンストークンを利用しユーザーに管理権を付与。ホルダーはアプリでステーキングし、Audioを増やすことも可能だ。
今後コインベース株式の上場に伴い、同社のポートフォリオにあるクリプト関連企業に対する投資家からの注目度は高まりそうだ。