インド企業省が仮想通貨取引の開示求める通知
インドの企業省(MCA)が、インド国内のすべての企業に対して、暗号資産(仮想通貨)の取引を開示するよう通知を出したことが分かった。
企業が、会計年度中に、ビットコイン(BTC)など仮想通貨を取引または投資した場合、取引損益、仮想通貨保有額、また仮想通貨への投資を目的として企業に預けられた資金や前払金の詳細を開示する必要がある。
2013年会社法の修正によって適用されるもので、次の会計年度から施行されることになるという。
錯綜する情報
インドでは、仮想通貨規制の方向性について情報が錯綜している。政府が仮想通貨の保有、取引、マイニングなどを禁止する厳格な法案が審議されるのではないかという報道がなされる一方、財務大臣は「仮想通貨に関する選択肢全てを遮断するつもりはない」と発言した。
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こうした流れと今回の改正規則について、Shardul Amarchand Mangaldas法律事務所のパートナー、G.V.Anand Bhushan氏は次のように述べている。
実際の法律がどうなるかについては、仮想通貨規制の導入から完全な禁止まで、様々な憶測が飛び交っている。政府が仮想通貨の開示を求めていることから、政府が仮想通貨の禁止よりも、むしろ規制に傾いていると考える者もいるかもしれない。しかし、まだ状況はほとんど明らかになっていない。
開示を求める規則を制定しても、この先、仮想通貨を禁止する法案が審議される可能性は残されていると警戒した格好だ。
インドの仮想通貨取引所BuyUcoinのShivam Thakral CEOは次のようにコメントした。
財務省とインド準備銀行から、仮想通貨規制をより明確にする積極的な規制ガイドラインが提示されるのを待ち望んでいる。インド人はすでに約15億ドル(約1,600億円)を仮想通貨に投資しており、これは仮想通貨を積極的に取り入れる意向のあらわれだ。
インド準備銀行総裁「政府が決定を下す」
一方で、インド準備銀行(RBI)のShaktikanta Das総裁は25日、RBIとインド政府は、両方ともに金融の安定性を維持しようとするもので「仮想通貨に関して意見の違いはないと思う」と述べた。
またRBIが仮想通貨に関する懸念を政府へ提示していることにも触れつつ、「(仮想通貨を巡る方針は)まだ検討されている最中であり、政府が決定を下すだろう」としている。
総裁は以前、CNBCのインタビューで「仮想通貨は金融の安定性を脅かし得る」と話していた。
こうした仮想通貨を巡る不透明な状況に関わらず、インドでは仮想通貨関連企業の動きが活発だ。
25日、米最大手仮想通貨取引所コインベースは、インドにオフィスを設置し、インド市場開拓のために人材の募集を行うことを発表している。