米FinCENが仮想通貨・ブロックチェーンの規制に注力か、Chainalysisの元顧問が臨時局長に

Chainalysisの元顧問がFinCEN臨時局長に就任

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が新たな人事異動を発表。ブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)の規制・監督に注力する動きと見られる。

現任のKenneth A. Blanco局長は4月9日をもって退任。FinCENの元副局長で現在副財務長官の顧問を務めているMichael Mosier氏が4月11日にFinCENの臨時局長として就任することになる。その他、FinCENの「Strategic Operations Division」の元参与AnnaLou Tirol氏は副局長になるという。

Mosier氏は政府機関での豊富な経歴を持ちながら、仮想通貨関連企業における経験も持つ人物。2019年に、大手ブロックチェーンデータ分析企業ChainalysisのCTC(最高技術顧問)として起用され2020年2月に退職。Chainalysisに入るまでは、司法省や財務省外国資産管理室(OFAC)、ホワイトハウス所属の国家安全保障会議など、複数の官庁でも勤務していた政府機関に詳しいベテランだ。

仮想通貨分野に関して、Mosier氏は2019年の大型業界カンファレンス「コンセンサス」に登壇した過去があり、FinCENの副局長としては既存の規制を仮想通貨に適用し、独自の法的枠組みを設ける必要はないとの見解を示していた。仮想通貨やブロックチェーンに関する知識を持つ人物としてFinCENの方針をどのように制定するか業界内で注目される。

FinCENの立場

FinCENはBlanco局長の管理下では2019年より仮想通貨に対する立場をより明確にし始めた。例えば、2019年に、「送金事業者」の登録を行わずに仮想通貨の交換業を行っていた個人に対して法的措置を取り、罰金を課したという初の事例がある。

その後、交換業を行うすべての仮想通貨関連企業や個人がFinCENに「送金事業者」として登録する必要があり、一部のdAppsも登録の対象になるとの認識を示した。

最新の動きでは、仮想通貨ウォレットの規制強化に関して行われた提案が業界で議論されている。この提案は、自己ホスト型(ユーザー管理型)ウォレット宛の3,000ドル(約31万円)を超える引き出しに関して、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)に顧客や送金先の情報確認の強化を要求し、1万ドル(約104万円)を超える取引に関しては、FinCENへの報告を義務づけるというものだ。現状、提案の実行は決定されていないが、多くの関連企業から再考を促されている。

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