はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「リップル社は銀行システムの競争圧力になり得る」大手監査法人EYのインド調査

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン技術と競争

世界四大監査法人の一つ、アーンスト・アンド・ヤング(EY)は、ブロックチェーン技術がインドの競争法とどのように関わってくるかについてまとめたレポートで、国際送金の分野において米リップル社の競争力に言及した。

このレポートは、インド競争委員会(CCI)に向けた討議資料として作成された。

競争法は日本の独占禁止法に相当するもので、CCIは競争法に基づいて、反競争的行為に対する調査、並びに制裁の決定を行う。いわば日本の公正取引委員会に近い役割を担っている。

レポートは、ブロックチェーン技術を活用することで、インドは経済的利益を得る可能性があると主張。競争面からは、ブロックチェーンを基盤とする新たなソリューションが、類似するサービスを提供する既存のシステム・技術と競合することが予想されるとした。

そして、既に競争が始まっているのが、最初にブロックチェーン技術が採用された金融サービス分野だと指摘。例えば、国際送金市場において、銀行はリップル社のようなブロックチェーンの概念に基づいたソリューションとの競争を余儀なくされる可能性があると述べた。

リップル社は、「より速く、より安く、より透明性が高い」「様々な通貨で国境を超えた支払いができるツール」を提供しているため、従来の銀行システムに競争圧力をかける可能性があると、EYは示唆した。

そして、この例に見られるように、ブロックチェーン技術は、インド経済の様々な分野で競争促進に寄与する重要なイノベーションだと強調。しかし、多くの分野でブロックチェーンは開発の初期段階にあるため、規制の不確実性を排除し、競争上不利になるような政策に対処していくことが、この技術の成長促進には欠かせないとまとめている。

インドにおけるブロックチェーン

インドにおける暗号資産(仮想通貨)規制は、2018年にインド準備銀行が全銀行による仮想通貨の取り扱いを禁止した後、2020年にはインド最高裁が、同禁止令に違憲判断を下すなど、その方向性は二転三転している。

今年3月にも、仮想通貨禁止法案が議会で審議されるというニュース報道の翌日には、Nirmala Sitharaman財務大臣が全面禁止の可能性を否定するなど、情報は錯綜しているようだ。インドの仮想通貨規制の先行きは不透明だが、先週、ナスダック証券取引所に上場を果たした米仮想通貨取引所大手のコインベースは、3月下旬、インド市場開拓のため、オフィスを設置し人材募集を行うことを発表している。

関連:米最大手取引所コインベース、インド市場開拓へ

一方、インドでは幅広い分野でビジネスの課題解決のために、ブロックチェーン技術を導入しようとする動きは広まっているようだ。EYのレポートでは、民間および公共のブロックチェーン・プロジェクトの例を報告している。

1.民間プロジェクト

  • コーヒー委員会+Eka Plusブロックチェーン:インドのコーヒー生産者と世界市場を統合するブロックチェーン基盤のEコマース市場、公正な価格保証とトレーサビリティを目指す
  • Edu Chain:デジタル資格管理ソリューション、大学の単位取得、成績、証明書などを管理
  • 生命保険会社間の情報交換ソリューション:R3社のCordaブロックチェーン利用、大手保険会社が参加

2.政府関連プロジェクト

  • 国営証券取引所(NSE):一部の銀行と共同で顧客確認プロセスにブロックチェーンの試験運用
  • Andhra Pradesh州政府:土地の記録、および自動車の所有権の記録の合理化にブロックチェーンを導入
  • Rajasthan及びUttar Pradesh州政府:土地所有記録の管理にブロックチェーンを導入
  • Bankura及びDurgapur地区自治体:出生証明書発行にオランダのブロックチェーン企業と提携
  • インド情報通信監査局:国内の通信会社にブロックチェーン技術の採用を義務付け、規制に向けたサンドボックス制度を設ける可能性に言及

なお、Sitharaman財務大臣は、インドにおいてフィンテックは優位性を持つ重要な分野だとして、政府はフィンテックおよびブロックチェーン分野の活動を奨励する方針だと述べている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧