オンラインイベントにCZ CEOが登壇
世界最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのCEO、CZ氏(Changpeng Zhao)は、ナスダックへ上場した米取引所コインベースについて、仮想通貨関連企業の上場の見本となるだろうとの見解を示した。
オンラインイベント「Ethereal VirtualSummit」にCZ氏が登壇し、業界メディアDecryptのDan Roberts氏と対談した動画が公開されている。
バイナンスの米国事業について問われたCZ氏は、「コインベースの上場によって与えられた明確なプレーブックがある」とし、企業にとってコインベースの事例がプレーブック(作戦帳)になると表現した。
他国も米国の規制をコピーする?
CZ氏は、米国で仮想通貨取引所の株式上場が可能になったことを「凄いことだ」と表現した。バイナンスは米国の規制に対応するため、米国居住者向けのサービスを『バイナンスUS』として別に提供している。
いまや米国に手本があり、米国においてそれをコピー(模倣)するのはとても簡単だ。そしてそれ以外の多くの国も、恐らく米国の採用した多くのルール基準をコピーするだろうし、歴史的にもそうやってきた。
バイナンスUSがコインベースという手本を模倣するのかどうか、あるいはどのように模倣するかは定かではないが、最近バイナンスUSは、米通貨監督庁の代理を務めていたBrian Brooks氏をCEOとして迎えた経緯がある
Brooks氏を起用した理由としてCZ氏は、コンプライアンスへの対応強化を挙げる。コンプライアンスに関する同氏のバックグラウンドに加え、仮想通貨への造詣の深さも評価されたという。
なお、州レベルで運営ライセンスを取得したバイナンスUSは現在、ニューヨーク州やテキサス州といった複数の人口の多い州でのライセンスを持っていないが、CZ氏によると「コインベースが上場した日、バイナンスUSの取引量はコインベースの取引量の40%だった」という。
また、その割合は過去しばらくの間、上昇傾向にあったといい、サービスを全米展開出来ていない段階での、この数字はCZ氏にとって自信の源となっている模様だ。
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DeFiはCEXを追い抜く
イベントでの対談の前半でDeFiがテーマとなった時、CZ氏はDeFiについては「実のところ、DeFiはどこかの時点でCEXを超えるだろうと考えている」とコメントした。
CEX(中央集権取引所)とはDEX(非中央集権取引所)と反対の概念として使用されるようになった言葉で、中央集権的な体制の取引所を指す。現在のバイナンスの主要サービスも、このCEXに該当する。
さらに、CZ氏自身は「私はツールメイカーだ」と語り、自身はあくまで道具を作り提供する側であるとした。なお同氏はDeFiも使用しておらず、NFTアートコレクターでもないことを以前より表明している。