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ビットコインでヒットマンを雇った男、ブロックチェーン追跡により逮捕

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン分析で依頼主を特定

米テネシー州で、妻を殺そうとした男がヒットマンに暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)で支払いを行っていたことが分かった。ブロックチェーンの分析により、殺人の依頼主とヒットマンのウォレットが判明し、依頼主Nelson Replogle容疑者の逮捕に繋がった形だ。

事件の経緯

告発を受けた米テネシー州の保安官が連絡したFBI特別捜査官Clay Anderson氏が捜査を開始。FBIのサイバータスクフォースがブロックチェーンを分析したところ、支払いに使用されたウォレットは仮想通貨取引所コインベースのユーザーウォレットであることが分かった。

依頼人がビットコインで報酬を支払ったことや、その報酬を支払ったトランザクションの日時、受取人のウォレットアドレスについても判明した。

人命の脅威を考慮したコインベースは、すぐにこのウォレットの持ち主や取引履歴などの情報をFBIに明かし、殺人の依頼主がAnn Replogle氏の夫であったことが判明した。インターネットプロバイダーAT&Tへの照会によって、トランザクションのインターネット接続がReplogle氏の自宅から行われていたことも確認している。

一方、ヒットマンは個人管理のウォレットを利用していたと考えられ、FBIはヒットマンの身元までは突きとめられていない。コインベースなどの法的準拠した取引所を使っていれば、顧客身元確認(KYC)ルールにより、捜査で必要な場合には人物を特定することが可能となる。

最近の類似事例としては、米ワシントン州の医師が疎遠になった元妻を誘拐するために、実行犯にビットコイン約4万ドル(約440万円)を支払ったとされる件があった。ダークウェブなどでのトランザクションの痕跡が突きとめられている。ブロックチェーン分析が機能した場合、犯罪者の身元追跡に役立つ場合がある。

情報開示要求の増加

コインベースの報告によると、法執行機関からの情報開示要求の件数は増えている。2020年には、顧客データについて4,227件の照会があり、同年前半の1,914件から後半には2,313件と増加傾向がみられた。

照会元は米国のFBIや麻薬取締局、徴税当局、内国歳入庁(IRS)、食品医薬品局など様々な政府機関、また英国、ドイツ、フランスなどの法執行機関である。

仮想通貨の高騰なども背景に、関連する不正行為のリスクが増えていることを示唆する。ただ一方で「ビットコインが不正行為に多く利用される」という通説は誇張されているという意見も存在。

米中央情報局(CIA)で副長官も務めたMichael Morell氏らは「金融犯罪におけるビットコイン使用の分析」という調査報告を発表しており、ビットコインの犯罪使用は限定的だとした。

またブロックチェーン分析により、従来の銀行取引・現金取引よりも不正行為の摘発が容易になるという専門家の意見も紹介している。

関連米中央情報局(CIA)の元長官代理「ビットコインの不正使用説は誇張されている」

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