はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

約27億円が不正流出、DeFiでフラッシュローン攻撃

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

約27億円のフラッシュローン攻撃

12日にDeFi(分散型金融)プロトコルxTokenが攻撃され、2,450万ドル相当(約27億円)の損失が発生した。

ハッカーは、フラッシュローンを利用して様々なトークンを盗み、すでにこれらのトークンのほとんどを売却済だ。

「フラッシュローン」とは、DeFi特有の機能で、対象資産のトークンについて借り入れと返済の処理を同一のトランザクション内で完了するもの。利用者にとっては担保資産や利子を必要としないこと、即時に取引が完了する。

xTokenは、xSNXaやxBNTaなど8つの独自トークンを提供し、ユーザーがDeFiから利益を得ることを可能にするプロジェクトだ。

これらのトークンは、シンセティクス(SNX)やバンコール(BNT)などのDeFiトークンをイーサリアムのチェーン上で、ラップドトークン(原資産と価格が紐付けられたトークン)の形式で提供。ユーザーは、イーサリアムのエコシステムを離れることなく、ステーキング報酬などについて、元のトークンからと同様の利益を得ることができる。

xTokenの公式ツイッターアカウントは第一報として「ラップドトークンxSNXaとxBNTaのコントラクトが攻撃された。流動性プールは停止しているが、ほとんどのSNXとBNTはxTokenコントラクトの中にまだ維持されている」と報告。可能になり次第、さらに詳しく本件について知らせるとした。

ハッキングの手口

ハッキングは主に二つの手法で行われている。仮想通貨メディアThe BlockのアナリストIgor Igamberdiev氏は今回の攻撃について以下のように分析した。

まずハッカーはフラッシュローンを使用して61,800 ETH(2億7,000万ドル)を借り入れた。彼らはこのイーサリアムにより、プロトコルで使われていたKyber Networkのオラクル(コントラクトを外部の情報と接続する仕組み)を不正操作して、大量のxSNXaトークンを作成。生成したトークンを販売してイーサリアムやシンセティクスに換えた。

さらに、ハッカーはxBNTaトークンのコントラクトについて弱点を発見してこれを利用。バンコールと紐付けられたトークンであるxBNTaを作成するには、本来バンコールトークンのみしか使用できない。しかし、xTokenのコントラクトにはこのことをチェックできないという欠陥があった。そのために、ハッカーは別のトークンを使用してxBNTaトークンを不正に作成し、売却していた格好だ。

このように不正取得されたトークンを売却して、犯人はすでに合計5,600ETH(2,450万ドル相当)を得たとみられている。

ユーザーへのトークン補償を計画

xTokenの創設者Michael J. Cohen氏は事件を受けて公式声明を発表。コミュニティに謝罪を表明しており、被害にあったユーザーにトークンを補償する計画を準備中だとした。

また今回の攻撃を防ぐことができたはずのセキュリティ機能を、今後リリースされるサービスには導入する予定だったが、その前にハッキングが起こってしまったことで落胆しているという。ハッカーが残した痕跡について、もし何か情報があれば知らせて欲しいとも呼びかけた。

フラッシュローンを狙った攻撃は、2020年12月にもWarp Financeで発生した。

関連分散型金融Warp Finance、フラッシュローン攻撃で8億円相当のステーブルコインが不正流出か

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/01 月曜日
14:26
カザフスタン中銀、仮想通貨投資を計画 最大約470億円規模
カザフスタン国立銀行(中銀)のティムール・スレイメノフ総裁は、金・外貨準備ポートフォリオの一部として、仮想通貨へ最大3億ドルの投資を検討していると発表した。
11:47
テザー社CEO、S&PによるステーブルコインUSDT格下げに反論 余剰資本を強調
テザー社CEOがS&PによるステーブルコインUSDTのドルペッグ機能評価の格下げに反論した。余剰資本や米国債利回りを考慮していないと指摘している。
11:07
ヤーン・ファイナンスのyETH製品に攻撃、約4億5000万円相当が流出
イールド・ファイナンスのyETH製品が攻撃を受け、約4億5000万円相当のETHが流出。攻撃者は無限ミントの脆弱性を悪用し、約1,000ETHをTornado Cashに送金。V2・V3ボールトは影響を受けず、yETH保有者は安全に引き出し可能に。
09:15
中国人民銀行、仮想通貨取引の厳格取締を改めて要請、ステーブルコインも警戒対象
中国人民銀行が仮想通貨取引の取締強化を改めて各当局に要請した。仮想通貨関連活動の再活発化が背景にあるとみられ、ステーブルコインも警戒対象としている。
09:03
コインシェアーズ、XRP・ソラナ・ライトコインのETF申請を取り下げ
欧州大手のコインシェアーズが、XRP・ソラナ・ライトコインのETF申請を取り下げた。米国市場での大手運用会社への集中により、差別化や利益率確保が困難になるとの懸念を示し、ナスダック上場を控え、仮想通貨関連株式やアクティブ運用戦略など新商品の投入を計画している。
11/30 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、金持ち父さん著者キヨサキのBTC売却やソラナとXRPのETFの好調など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
DeFiで株式市場はどう変わる? Progmat齊藤達哉氏が語るオンチェーン金融の未来|独占インタビュー【後編】
Progmat齊藤達哉氏インタビュー後編。議決権付きトークン化株式で日本が世界初となる理由、2028年施行を目指すトークン化法のロードマップ、DeFi・AIエージェントを見据えた将来ビジョンを聞いた。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|個人マイナーのビットコイン採掘成功に高い関心
今週は、個人マイナーのビットコイン採掘成功、JPモルガンによる仮想通貨業界関係者の口座の連続閉鎖、アップビットの約48億円の不正流出に関する記事が関心を集めた。
11/29 土曜日
13:50
米賭けサイトカルシ、無免許スポーツ賭博運営で提訴
ブルームバーグによると米賭け市場のカルシが無免許でスポーツ賭博を運営し、マーケットメイキング手法について顧客を誤解させたとして集団訴訟を起こされた。共同創設者は主張を否定。
13:10
ブラックロック、債券ファンドでビットコインETF「IBIT」を買い増し
ブラックロックが7~9月期に債券ファンドで自社ビットコインETF「IBIT」を買い増していた。9月末時点で1.5億ドル相当を保有。ビットコイン現物ETFへの流入はここ数日復活傾向だ。
12:03
仮想通貨のバイバックとは?2025年注目の6銘柄を解説
2025年、仮想通貨業界で総額14億ドル規模に達したバイバック。ハイパーリキッド(HYPE)やパンプファン(PUMP)など、実際にバイバックを実施している6銘柄を徹底解説。株式の自社株買いとの違いや投資リスクもわかりやすく紹介します。
12:00
24時間・1円から取引可能に Progmat齊藤達哉氏が語る「トークン化株式」の全貌|独占インタビュー【前編】
Progmat代表・齊藤達哉氏に独占取材。1円単位・24時間取引可能な「トークン化株式」の仕組みと、議決権や優待も得られる投資家メリット、リアルタイム株主把握など発行企業メリットを聞いた。
11:30
アーサー・ヘイズがビットコイン年末25万ドル予測維持、流動性底打ちと量的引き締め終了を根拠に
ビットメックス共同創設者アーサー・ヘイズ氏が11月27日、ビットコインの年末25万ドル到達予測を堅持した。先週の8万600ドルを底値とみており、米ドル流動性の底打ちと量的引き締め終了が上昇を牽引すると分析。
11:00
税率10〜45%の差、アフリカ5カ国の仮想通貨課税の現状を探る
サハラ以南アフリカで年間30兆円超のオンチェーン取引が発生する中、各国が独自の仮想通貨税制を整備。南アフリカの18〜45%累進課税、ナイジェリアの15%一律課税、ケニアの10%物品税など、主要5カ国の税制アプローチを詳細解説。日本の税制改革案(55%→20%)との比較から見える、成長と規制のバランスとは。
10:10
IMF、資産トークン化のリスクを指摘 「フラッシュクラッシュ」の可能性を警告
国際通貨基金が資産トークン化のメリットとリスクを解説。自動取引による「フラッシュクラッシュ」の可能性や断片化の問題を指摘した。米SECなどの当局も規制を協議中だ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧