Poloniex、カナダでのトラブル
カナダオンタリオの証券取引委員会(OSC)が暗号資産(仮想通貨)取引所Poloniexに対して、証券法違反と指摘している。
米国時間25日に発表された声明によると、Poloniexはオンタリオ州の居住者にサービスを提供しているため、同州証券法の対象となっているが、提供する一部の仮想通貨関連プロダクト(ICOやデリバティブ)が有価証券に該当するにもかかわらず当局へ必要な登録手続きを行っていないとした。
また、ICOやデリバティブ以外にも、サードパーティとしてカストディを行っている仮想通貨の現資産も有価証券に該当し得ると指摘。「Poloniexを利用する投資家は直接にコントロールを持たず、資産を出金する時はPoloniexに出金リクエストを送る。また、Poloniexは投資家の取引を促進すると謳っているが、実際には仮想通貨関連の契約などの投資商品だけを提供していることから、それらの商品は有価証券に該当するものだ」と主張した。
今回、オンタリオ証券取引委員会は3月29日にカナダ証券管理局および自主規制団体IIROCが発表した声明を参考にしている。当時、両組織は仮想通貨取引所のコンプライアンス要件を取り決め、「4月19日までに該当する州の証券取引委員会にコンプライアンス関連の相談を行う必要がある」と定めていたが、Poloniexは期限内に当局に連絡しなかったとしている。
Poloniexに対する最初の委員会聴取は6月18日に予定されている。
Poloniexは2019年に不透明な米国関連規制を懸念し、海外へ移転。当初はCircle社が運営していた企業であったが、のちにトロン財団に買収された。多くの小規模アルトコインを取り扱っており、一部の投資家には人気な取引所だが、米国で運営していた時期には有価証券法違反の可能性を懸念し、一部の銘柄の上場廃止を実施した経緯がある。