審査を待つ間、仮想通貨企業は営業を継続可能
英国の規制当局は、暗号資産(仮想通貨)関連企業の登録制度の締め切り期限を再び延長したと発表した。パンデミックの影響や審査プロセスの複雑さなどにより作業に遅れが生じているとしており、新たな期限は2022年の3月31日とした。
英金融行動監視機構(FCA)は3日、仮想通貨関連企業の登録期限を、これまでの2021年7月9日から来年の3月31日まで延長した。
仮想通貨関連企業のマネーロンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CTF)の監督を行うFCAは昨年12月に、既存の企業を対象とした一時登録制度(TRR)を設置した経緯がある。
登録を申請した企業は審査期間の間、事業を継続することが可能となり、FCAは申請を行ってない企業に対しては、その顧客に資金を引き出すようアドバイスしてきた。また、新規で事業を行う企業は、事業を開始する前にFCAに登録を済ませる必要がある。
当初、2021年1月10日に登録の期限を設定してたものの、申請書の複雑さとその基準の高さのため作業に遅延が生じたとしており、7月9日に期限が延長された。今回は2度目の延長となっている。
審査の遅れを巡っては、新規企業が立ち上げられないことや、対応コストが嵩むとして、業界団体から改善を求める声も出ている。
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今回、期限が延長されたことで、仮想通貨関連企業はFCAによる審査の間、事業をさらに継続できることになる。FCAは延長の発表の中で、以下のように述べた。
非常に多くの事業体がマネーロンダリング規制下における基準を満たせていない。これによって多くの事業体は申請を取りやめている。
現在、登録を完了したことを確認できるのは、5社に留まっている。また、5月29日時点で、167の企業がAML/CTFの登録を待っており、77の新しい企業が登録の評価を待っていると明かされている。
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消費者へ仮想通貨に関する警告
延長のプレスリリースでFCAは、「消費者保護」という項目を設け、再度消費者に対し、仮想通貨への投資に関する警告を行った。
FCAはあくまで金融におけるマネーロンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CTF)の監督を行う組織であり、消費者保護は別の管轄となる。
そのため、FCAに登録された企業であっても、仮想通貨事業者が顧客の資産を保護することを保証する責任はないという。
その上で、「仮想通貨は非常にハイリスクとみなされており、投機的なものだ」と改めて警告している。