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銀行の仮想通貨取り扱い方針策定で公開協議 バーゼル銀行監督委員会

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仮想通貨に関する取り扱い方針を協議へ

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は「銀行が暗号資産(仮想通貨)に関わる上での慎重な取り扱い方針策定」について公開協議を行ったと発表した。

BCBSは、主要10カ国(G10)中央銀行総裁会議により創設された国際的な金融ルール策定機関。日本、米国、EUなど様々な国と地域の金融当局から成り、スイスのバーゼルに事務局を置いている。

6月7日の公式発表でBCBSは、「仮想通貨に関連する市場の発展や、銀行の仮想通貨エクスポージャーについての慎重な取り扱い方針」を設定するためのステップについて議論したと述べている。

背景には仮想通貨市場の成長

この背景についてBCBSは次のように説明した。

銀行の仮想通貨へのエクスポージャーは現在限られているが、仮想通貨および関連サービスは継続的に成長し革新をもたらしている。一部の銀行がこれらに関心を高めていることもあり、これに特化した慎重な取り扱い方針がない場合、世界的に金融安定性についての懸念や銀行システムのリスクを増大させる可能性がある。

仮想通貨についてエクスポージャー(一般に、市場の価格変動に影響を受けること)を得ている銀行はまだ一部としつつ、仮想通貨に注目する銀行が増えていることから今後のために取扱い規則が必要だとする格好だ。

したがってBCBSは、取り扱い方針の設計について利害関係者の意見を収集するために、公開協議を行うことで合意したという。協議書は1週間以内に発行される予定だ。

公開協議は、BCBSが以前に発行した仮想通貨についての協議書へのレスポンスや、国際的なフォーラムや基準設定団体で進められているイニシアチブも踏まえたものになる。

2019年にBCBSは仮想通貨規制方針についてパブリックコメントを募集。この際も「銀行が仮想通貨業務を慎重に行う上で、把握すべき仮想通貨の役割やリスク」を重点の1つに挙げていた。

慎重な(プルーデンシャル)取扱い方針は、一般的に銀行にローンやデリバティブなど様々なタイプの資産についてリスクを測定させ、それに応じて保有する資本の量を定めるものだ。

なお、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は世界的に金融の安定性を高めることを使命としているが、法的な権限を有しているわけではない。BCBSは主要な決定について、中央銀行総裁や監督責任者グループに報告して承認を求める形だ。BCBSの決定に法的効力はなく、その決定を政策に取り入れるのはBCBSに参加する国や地域それぞれとなる。

新型コロナのパンデミックに関する方針

BCBSは、仮想通貨に関する協議の件と同時に、新型コロナウイルスのパンデミックについても方針を話し合った。引き続き「世界の経済環境は不確実」であり「銀行と監督当局がさらなるリスクと脆弱性に警戒し続ける必要がある」と指摘。「信用力のある家計や企業への貸し出しを維持すべきである」とした。

仮想通貨の動向を注視する大手銀行

仮想通貨市場が台頭するにつれて、従来型の銀行もその動向を注視し、関連サービスの提供を検討する銀行も現れている。

例えば、5月に実施された米議会の公聴会では、シティバンク、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカという大手3行の代表者が、仮想通貨について注目していると語った。バンク・オブ・アメリカは慎重姿勢だが、シティバンクやウェルズ・ファーゴについては、仮想通貨関連サービスを検討しているとの報道もされている。

シティバンクの代表者は「仮想通貨に関わる前に、明確な管理体制を確保する」ことが銀行の責任だと述べた。BCBSが進めるような国際的なルール整備も、銀行が仮想通貨関連サービスに参入する上での明確な基準を示すという点で重要なものになりそうだ。

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