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米最大手取引所Coinbase:自社の企業価値を約8,500億円と算定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Coinbase社が自社の企業価値を8500億円と算定
Coinbase社は2018年4月、Earn.comの買収に際し、自社の企業価値をおよそ「8,500億円」と算定。同社は昨年8月の時点で、投資機関によって企業価値1750億円程度と算定されており、仮想通貨における初の”ユニコーン企業”として注目を集めました。先日、36億円で買収されて話題になったコインチェックとの比較も掲載しています。

アメリカにある仮想通貨の最大手取引所である「Coinbase」は、自身の会社の時価総額をおよそ8500億円と見積もりました。

Coinbase社の著しい成長

Coinbaseはアメリカの代表的な仮想通貨取引所として知られており、30カ国以上でフィアット建ての仮想通貨取引を提供しています。

取引所を運営するCoinbase社は、取引所事業だけでなく、仮想通貨資産の保護を請け負うストレージサービスの「Coinbase Custody」や、仮想通貨のインデックスファンドである「Coinbase Asset Management」など、仮想通貨に関するさまざまな事業展開を手がけています。

そのため、Coinbaseはビジネス拡大に向け、多くの人材雇用やスタートアップの買収に心血を注いでいます。

2018年4月、Coinbaseがブロックチェーン技術を用いたメッセージングサービスを手がけるEarn.comを「108億円」を超える資金で買収したことが報じれました。

買収の際、Earn.comの株式を保有していたEarn社の役員は、現金を受け取る代わりにCoinbase社の株式を一部取得したと伝えられています。

関係者がrecodeに明かした情報によると、Earn社の役員がCoinbase社の株式を受け取る際、Coinbase社は自社の時価総額を大まかに算定しました。

Earn社の役員が、提示された金額に合意したかどうかは定かではありませんが、Coinbase社は自身の企業価値をおよそ8,500億円と見積もったようです。

この件について、Coinbase社は正式なコメントを控えており、会社の正式な価値付けとしては、Coinbase社が上場して普通株式が公開されるまでは有効とはなり得ません。

昨夏時点の時価総額

また昨年8月には、同社は1億ドル(約100億円)の資金を調達し、ベンチャーキャピタリストによって企業価値を約1,750億円と算定されていました。

その時の評価付けによって、Coinbase社が世界初となる仮想通貨の「ユニコーン企業(時価総額1,000億円を超える未上場企業)」として認知されるようになったのです。

昨年の8月以来、仮想通貨市場ではビットコインやアルトコインの価格急騰など急激な市場規模拡大を伴っていることから、同社の時価総額も大幅に上昇しているものと考えられます。

また、海外の大手ウェブサイトrecode.netによると、同社の出来高推移などからCoinbase社は2017年に年間1,080億円もの収益を上げていると想定されており、その急成長ぶりが伺えます。

実際、直近数週間の間に、投資家がCoinbase社のステークホルダーから未上場の株を買収するためのアプローチをかけており、投資家が見積もった同社の企業価値としては、「4800〜6500億円」程度になるとされています。

コインチェックとの比較

一方で、国内最大手の仮想通貨取引所「コインチェック」は、1月下旬に発生した顧客不安や訴訟リスクなどの懸念から、東証1部上場の「マネックスグループ」にわずか36億円で買収されたことが話題になりました。

マネックスグループが、4月26日の前場引け後に発表した決算情報は、以下の通りです。

年間売上高は、前期比63.9倍の626億円。営業利益は前期比74.7倍となる537億円。

2018年1月にコインチェックから不正流出したNEM補償分を「特別損失」として473億円計上し、税引前利益63億円となっており、多くの人に指摘される通り、数字だけで見ると破格の買収額と言えるでしょう。

出典:マネックス決算資料

特殊な事情も

この背景としては、コインチェック社が金融庁の認可を得ていない「みなし業者」のまま運営を続けている最中での事件発生であったことと、全みなし業者に対して立入検査を行った金融庁より下された2度目の「業務改善命令」で、『経営体制の抜本的な見直し』を迫られていたという事情もあり、コインチェック社にとっても後がない状況の中、両者にとって利害が一致したという点も大きいと考えられます。

尚、買収金額が抑えられた要因の一つとしては、今後コインチェックの利益が出た場合に今後3年間(平成33年3月期まで)で計上する、税引後当期純利益相当額の50%分から訴訟費用等を差し引いた額が、売却時の元株主の持分比率に応じてレベニューとして支払われる特殊な契約である『アーンアウト条項』が付与されており、「互いのリスクを最小限に抑える」ための巧みな交渉内容にも投資家の関心が集まりました。

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