アリペイがNFT販売を開始
中国アリババ グループが展開する大手決済サービスAlipay(アリペイ)が、NFTの販売プラットフォームをローンチしたことが確認された。
中国の仮想通貨メディアWu Blockchainや中国を本拠地とする仮想通貨VCのSino Global CapitalのCEOなど、様々な中国関係者もSNSで情報を取り上げた。プラットフォームはアリペイのアプリ内で実装、ブロックチェーン技術を活用したNFT作品の販売を行なっている。
現在対象となるアートワークコレクションは、甘粛省敦煌市にある「敦煌(とんこう)石窟」の研究を行う「敦煌美術研究所」によるもの。Sino Global CapitalのGraham CEOはSNSに、自身が購入した作品とその証明書の画像を掲載した。
Amazing hand to god this is true AliPay really did just roll out a new feature where you can buy NFTs in-app (using RMB), I just bought this one pic.twitter.com/OUxMXekvsy
— Matthew Graham (@mattysino) June 22, 2021
Breaking: China's Alibaba Group opened and sold NFT based on Dunhuang style, based on AntChain. pic.twitter.com/TNjbgQCnJt
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) June 22, 2021
決済は人民元に限られており、仮想通貨を受け付けされていないという。
アリペイはアントグループが独自で開発したエンタープライズブロックチェーン「アント・チェーン」を利用していると見られており、NFTトークンや証明書の発行にブロックチェーン技術を活用している
なお、今回の動きは、21日にアリペイが仮想通貨取引関与のアカウントへの対策を発表したことに続くもので、仮想通貨自体を受け入れないが、ブロックチェーン技術の普及は全面的に推進する姿勢が見てとれる事例となった。
厳しくなる中国市場
21日、中央銀行である中国人民銀行はアリペイを含む国内の銀行や金融サービス業者に対し、仮想通貨の投機的な取引に関する聞き取り調査を行なったことが報じられた。背景には、政府が仮想通貨の投機活動が経済や金融システムの秩序を乱し、国境を越えた違法送金やマネロンなどの犯罪を助長するリスクがあると指摘したことがあり、銀行や決済プラットフォームでの口座開設や取引、決済などのサービス提供を中止するよう命令している。
中国人民銀行が2017年に仮想通貨取引所の国内向けサービス提供を禁止して以来、アリペイやWeChatPay、銀行カードにおけるOTC取引が主な取引手段となっているため、アリペイの取締り強化は中国人トレーダーに深刻な影響を与え得ると懸念されている。
OTC取引とは
売り手と買い手が1対1で行う取引のこと。中国の仮想通貨取引所が規制対象となって以降、OTC取引を通じてビットコインやUSDTを調達し、国外取引所で仮想通貨の取引を行う水面下の取引が続いていた。
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