はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

SBI証券など4社がSTOで協業、三菱UFJ信託銀行のブロックチェーン基盤「Progmat」活用

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

STOで大手企業4社が協業

三菱UFJ信託銀行株式会社、ケネディクス株式会社、株式会社SBI証券、および野村證券株式会社は9日、三菱UFJ信託銀行が提供するブロックチェーン基盤「Progmat(プログマ)」を活用し、受益証券発行信託スキームを用いた資産裏付型セキュリティトークン(以下、ST)の公募(STO)について協業することを発表した。

STOは、発行体が従来の株式や社債ではなく、ブロックチェーン等の電子的手段を用いて有価証券に該当する「セキュリティトークン」を発行する資金調達手段のこと。昨年5月に施行された金融商品取引法及び関連する政府令の改正案により、「電子記録移転有価証券表示権利等」として規定され、法律に準拠した形で実施が可能となっていた。

セキュリティトークン

セキュリティトークンとは、株式などの有価証券をブロックチェーン技術を利用してデジタル化したトークン。

▶️仮想通貨用語集

三菱UFJ信託銀行のプラットフォームを活用

「Progmat」は、三菱UFJ信託銀行が手掛けるセキュリティトークンの発行・管理プラットフォームだ。

公式サイトでは、「『Progmatでのリアルタイムな取引記録』がそのまま 『法的な対抗要件も備えた権利移転』となる」仕組みであると説明されており、これまで費用対効果などの観点から証券化の対象とならなかった資産を活用した資金調達を実現するという。

三菱UFJ信託銀行は、今回の発表の経緯について次のように説明している。

三菱UFJ信託銀行では、「Progmat」を活用したSTO(セキュリティトークンオファリング)の迅速な社会実装・普及を目指し、2019年11月6日付で協業企業全21社と「ST研究コンソーシアム」(略称SRC)を設立し、現在の会員企業数は52社まで拡大しております。

SRCでは、真に必要とされるセキュリティトークンのユースケースを各業界の有識者と検討するために「資産裏付証券ワーキング・グループ」を設置し、モデルケースを策定しました。

当該モデルケースの実現に向け、三菱UFJ信託銀行は、SRC会員企業であるケネディクス、野村及びSBIとプロジェクトチームを組成し、検討を進めてまいりました。

出典:発表資料

国内で資産裏付型STを発行する際には、一部の手法において実務上の課題があるが、三菱UFJ信託銀行ではそれらの課題を解決するために、「受益証券発行信託」と「Progmat」を組み合わせた以下の3つの特徴を持つ仕組みを構築したという。

  1. 法的な取引安定性を、デジタル完結で容易に担保できる(確定日付取得を要さない)
  2. 長期・無期運用型の商品を、柔軟に設計できる(資産入替に際し法律上の制約がない)
  3. 信託財産として受託可能な財産性があれば、広く裏付資産型STの対象にできる

また、今回の協業における各社の役割は以下の通り。

  • 三菱UFJ信託銀行──「Progmat」のシステム提供、保守・受益証券発行信託の受託業務・資産裏付型STのカストディ業務
  • ケネディクス──原資産となる不動産の拠出・対象資産のアセットマネジメント、投資家向け情報開示業務
  • SBI証券──資産裏付型STの取扱い、保護預り業務
  • 野村証券──資産裏付型STの取扱い、保護預り業務

渋谷の賃貸住宅に投資

今回、不動産アセット・マネジメント企業ケネディクスのグループ企業DS1が発行する、資産裏付型STの名称は「ケネディクス・リアルティ・トークン 渋谷神南(譲渡制限付)」だ。

再開発の進む渋谷の中心地の賃貸住宅に投資する投資商品であり、単一不動産が生みだすキャッシュフローを原資とする分配金を年2回支払う予定であると同社は説明。申し込み期間は8月3日から8月6日とされている。

また、同社の試算によると、2022年1月期(第1期)と2022年7月期(第2期)における1口あたりの分配金はそれぞれ、16,767円、17,500円。なお、これは一定の前提条件のもとに算出した現時点の見込額であり、「分配金は大きく変動する可能性があり、その金額を保証するものではない」としている。

国内初、SBI証券のSTO

今回協業する企業に含まれるSBI証券は4月、国内初となる一般投資家向けのSTOを実施することを発表した。

SBI証券が発行体となり、社債型セキュリティトークンを一般投資家向けに勧誘を行い、割り当てる公募の自己募集形態となる。セキュリティトークンは株式会社BOOSTRYが主導し、ブロックチェーンコンソーシアム「ibet for Fin」を用いて発行・管理を行う。

公募のSTOに参加する投資家には、特典として本デジタル社債の保有額に応じた暗号資産(仮想通貨)XRP(リップル)が付与される。

関連:SBI証券、国内初の一般投資家向けSTO実施へ|保有額に応じてXRP(リップル)付与

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/07 金曜日
18:34
金融審議会・第5回会合、暗号資産レンディングの規制強化について議論 金商法適用案も
金融庁は7日の第5回金融審議会で、暗号資産レンディング事業を金商法の規制対象とする方針を示した。年利10%台のサービスで利用者がリスクを負う一方、事業者に管理義務がない点が問題視された。
18:16
米証券大手チャールズ・シュワブ、2026年に仮想通貨取引開始へ
米証券大手チャールズ・シュワブが2026年上半期にビットコインとイーサリアムの現物取引を開始。顧客資産約1800兆円を持つ同社の参入で仮想通貨市場の主流化が加速へ。
18:00
Polymarket(ポリマーケット)とは?仕組みや将来性をわかりやすく解説
Polymarket(ポリマーケット)とは、未来の確率をUSDCで売買する分散型予測市場。米大統領選で注目を集め、Google Financeにも統合。仕組み、特徴、課題、今後の展望をわかりやすく解説。
16:18
ロビンフッド幹部、ビットコイン財務戦略は「検討中」
米ロビンフッドがビットコイン財務戦略導入を検討。第3四半期の仮想通貨収益は300%超急増の約413億円を記録。上場企業のBTC保有トレンドが加速する可能性。
14:05
著名投資家ダリオ、FRBの量的緩和再開はバブル加速への引き金 更なるインフレリスクを警告
ブリッジウォーター創設者レイ・ダリオ氏が、FRBの量的緩和再開は従来と異なり「バブルへの刺激」になると警告している。現在の状況下でのQE拡大は、実質金利の低下や株価収益率の上昇につながり、テック/AI/グロース株や、金などの価格を押し上げる可能性がある。
13:35
ビットワイズ、ドージコインETFの20日以内上場を目指す動き=ETF専門家
ビットワイズがドージコインETFで「8(a)手続き」を採用。ブルームバーグアナリストによると、11月6日の予備目論見書提出から20日後の11月26日頃に自動承認される可能性。SECの介入がなければ上場実現へ。
13:10
サークルとコインベース、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」施行で重要な提言
サークル社とコインベースが米財務省にジーニアス法施行に関する提言を提出した。ステーブルコインの公平な競争条件の確保や利回りをめぐる過剰規制の回避などを求めている。
13:01
日本3メガバンク共同でステーブルコイン発行へ、金融庁が「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト」を支援 
金融庁が決済分野に特化したプロジェクトを新設し、みずほ・三菱UFJ・三井住友の3メガバンクによる共同ステーブルコイン発行を初の支援案件として承認した。信託型の枠組みで100万円の送金上限が撤廃され、円建てに加え米ドル建ても視野に。片山財務相も支援を表明し、国を挙げた金融イノベーション推進が本格始動する。
11:41
仮想通貨市場の投資家心理は最低水準、10万ドル節目の攻防続く
ビットコインが6月以来初めて10万ドルを割り込み、10月高値から20%超の急落。長期保有者による416億ドルの大量売却と、ETFからの9億ドル流出で市場は動揺している。個人投資家のセンチメントは過去最悪レベルに落ち込む一方、Bitwise幹部は機関投資家の投資意欲は旺盛で、年末の最高値更新もあり得ると指摘した。
11:05
テザー、新たな提携でトークン化証券市場を加速
ステーブルコイン大手テザーが資産運用会社クレインシェアーズ、ビットフィネックス・セキュリティーズと戦略提携。トークン化証券市場は2030年に約1500兆円規模へ急拡大の見込み。
10:50
時価総額トップ100の仮想通貨の内の72銘柄、最高値から50%超下落
ギャラクシーのリサーチ部門は、時価総額トップ100の仮想通貨の内72銘柄の価格が過去最高値から50%以上下落していると報告。今後の相場の見通しに注目が集まっている。
10:25
「ビットコイン市場は脆弱な均衡状態に」Glassnodeが鍵となる価格水準を分析
Glassnodeが最新市場分析を発表。仮想通貨ビットコインは軽度の弱気相場にあると指摘した。ビットコインの持続的な回復あるいは下落に必要な水準を分析している。
10:05
JPモルガンのダイモンCEOがステーブルコイン事業参入を表明、他行との共同構築も検討
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOがステーブルコインの将来は不透明としながらも事業参入を表明した。他の銀行との共同構築も検討している。
08:35
アイルランド中銀がコインベース欧州法人に約36億円の罰金、3000万件超の取引監視を怠ったと指摘
アイルランド中央銀行がコインベース欧州法人にマネーロンダリング対策違反で約38億円の罰金を科した。取引監視システムの設定ミスで総額31兆円相当の取引が未監視だった。
07:45
年間10兆ドル超のステーブルコイン取引を扱う7団体、決済標準化コンソーシアムを設立
ファイアブロックスやソラナ財団など7団体がブロックチェーン・ペイメンツ・コンソーシアムを設立した。クロスチェーンのステーブルコイン取引を標準化し、従来の決済と同様の利便性を図る。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧