CoinPostで今最も読まれています

Willy Woo氏、オンチェーンデータとビットコイン価格の乖離を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Woo氏のインタビュー

ビットコイン(BTC)のオンチェーン分析を得意とするWilly Woo氏は10日、暗号資産(仮想通貨)投資家Anthony Pompliano氏のポッドキャストに出演。相場の現状やオンチェーン分析との出会い、今後の注目ポイントなどについて語った。

背景・オンチェーン分析との出会い

IT系の経歴を持つWoo氏は、2016年にオンチェーン分析を開始。直後にNVT比率やディフィカルティ・リボンなど多数の独自指標を考案し始めた。

Woo氏は、過去には2018年の暴落相場と2019年中旬の急騰を的中させた経歴があり、界隈ではオンチェーン分析の専門家として定評がある。

そんなWoo氏はオンチェーン分析を「仮想通貨のファンダメンタルズ分析」と形容。投資家の資金がどのように動いているかを解明し、それを元に結論に至る手法だと説明した。

また、テクニカル分析は短期的な値動きの見極めには適しているものの、テクニカル指標とファンダメンタル(オンチェーン)指標が相反する場合、長期の分析にはオンチェーン分析が長けていると述べた。

相場の現状

そんなWoo氏は、現在の仮想通貨市場は価格とファンダメンタル(オンチェーン・データ)がかけ離れていると指摘。チェーン上のデータは強気サインを示唆しているのに対し、価格面は軒並み下落貴重であるとした。

これまでCoinPostの週次データレポートでも報道してきた通り、Willy Woo氏は価格が下落気味の直近数ヶ月も強気姿勢を変えていない。

7月上旬には1,000〜10,000BTCを保有する大口アドレス群の保有するビットコイン量が急増したと報告。「クジラ」がBTCを買い集めているとした。

また、6月下旬にはWoo氏の考案したビットコインの購買力を示すSSRオシレーターが上昇傾向に。ステーブルコインからビットコインへと資金の流入が戻りつつあると説明していた。

SSRとは

SSR(ステーブルコイン供給量レシオの略)はビットコイン価格と法定通貨およびステーブルコインの影響を可視化する目的で生まれた指標。BTC供給量をBTC建で表示したステーブルコイン供給量で割って算出し、ステーブルコイン建の購買力を示す。

著名オンチェーン・アナリストのWilly Woo氏によって考案された。

▶️仮想通貨用語集

関連:ビットコイン買い戻し傾向か データで読む仮想通貨市場

オンチェーンデータと価格の「乖離(分岐)」

Woo氏は、2020年10月にも、現在と同じようにBTCチャートとオンチェーンがかけ離れていたことがある、と説明。

当時のビットコインは、12,000ドルから10,000ドルまで-20%近く急落。Woo氏によれば、株式市場との相関性が、コロナ禍における避難先(代替)資産として失格とみなされた可能性がある。

この時の着目点は、相場の下落と反比例するように、長期保有者によるBTCの買い集めが継続して行われたことにあると指摘。供給ショックが現物価格に反映されるまで若干のタイムラグがあったとした。(ビットコイン価格はその後、12月に2万ドル突破)

弱気なセンチメント

さらに、Woo氏は現在マーケットがブルマーケット最中の短期的な「買い集め」(Accumulation)フェーズにあると説明。SNSでは仮想通貨勢の弱気なセンチメントが目立つ一方、大きなイベントが発生すれば価格と強気なオンチェーンデータの「ギャップ」は解消されるとした。

ただ、現在の強気相場はこれまでとは類を見ない違う局面にあるとWoo氏は言及。先物やデリバティブ、オプションやETF、ローンなど、マーケットが複雑化してより発達しており、値動きも予測できないとした。

Woo氏はオンチェーン分析が5月のテスラ社のBTC決済中止など、想定外のイベントを予想はできないと前置きしつつ、相場の全体感を掴むには適していると発言。

その上で、SNSの弱気感が今後さらに増えれば、弱気センチメントが底を打ち、相場も反発できる状況が整うだろうと語った。

今後の注目ポイント

長期的な注目ポイントとしてWoo氏は、国家の政府が運用するソブリン・ファンドの動向に注目する。

現在、シンガポールのソブリン・ファンドが仮想通貨に投資しているほか、ビットコイン法を可決した中米エルサルバドルも、国家としてのビットコイン保有を行なっていくだろうと予想。今後は、政府レベルの保有動向も相場の注目ポイントになると述べた。

そしてWoo氏は、今後相場が局面を変えるために、ショートスクイーズが発生する程の”偏り”が不足していると指摘。ビットコイン先物の未決済建玉(OI)も直近のFUDを払拭するには足りない状況だとした。

FUDとは

Fear, Uncertainty & Doubt(恐怖、不安、疑念)の略。確証のない情報を拡散することで、大衆の認識に不信感を与える行為を指す。

▶️仮想通貨用語集

Woo氏は現在、相場に流れているFUDとして(1)マイニングFUD(環境への悪影響など)と(2)中国の仮想通貨規制を挙げている。

関連:ビットコインマイニングは何をしているのか?仕組みを動画で解説

5月13日には、テスラ社のイーロン・マスクCEOがテスラ社のビットコイン決済受付中止を表明。「仮想通貨マイニングにおける化石燃料の使用量の増加」を懸念に挙げ、仮想通貨の環境への影響に関する議論が再燃した。

その後、5月下旬には中国の国務院金融安定発展委員会が仮想通貨マイニングや取引への取り締まり強化体制を打ち出し、マイニングの一大拠点だった中国から事業者が相次いで撤退する必要が生じた。

[embedyt] https://www.youtube.com/watch?v=dzYvjwQQ0vI[/embedyt]
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/16 火曜日
17:08
暗号資産取引関連の損益計算、約15%が「今回が初めて」と回答|Gtaxアンケート
株式会社Aerial Partnersが実施した「Gtax」利用者向けの2024年暗号資産(仮想通貨)確定申告アンケート結果。取引用途が多岐にわたり、計算処理が複雑化する中で、損益計算の計算ツールへの切り替え需要が高まっていることが示された。
16:23
テレ朝グループのBCGアクセラレータープログラム、競走馬育成ゲームを発表
株式会社テレビ朝日と株式会社テレビ朝日ミュージック、extra mileがブロックチェーンゲームアクセラレーター「tv asahi Blockchain Games」を立ち上げ。インキュベーションからパブリッシングまでのサポート。初のゲームタイトル「NEOBRED」も注目。
14:25
リップル裁判、23日の公判前にSECと和解する可能性は
米証券取引委員会対リップル社の公判が4月23日に迫る中、16日に公判前会議が予定されていることから、両者が和解するのではないかとの憶測が広まっている。
12:12
ビットコインなど仮想通貨相場リスクオフムード、中東情勢不安強まる
イランとイスラエルを巡る中東情勢は予断を許さず、仮想通貨相場は米株指数の下落に伴いリスクオフに傾いた。ビットコインの反発も限定的で、アルト市場にも強い下押し圧力が掛かっている。
11:30
アービトラム、不正防御プロトコルBOLDをテストネットローンチ
仮想通貨イーサリアムL2アービトラムの開発企業であるOffchain Labsは、テストネットで不正防御プロトコルBOLDを立ち上げたと発表した。
11:10
不動産RWAプロトコル「Parcl」、エアドロップ確認を開始
仮想通貨PRCLエアドロップに関しては現在Parclの公式ページからユーザーへの付与額を確認することができる。取得はまだ始まっておらず、同16日21時59分より始まる予定だ。
09:45
ドイツ最大の州立銀行が仮想通貨取引提供へ、LBBWとBitpanda提携 
仮想通貨取引プラットフォームBitpandaはドイツ最大の連邦州立銀行LBBWとの提携を発表した。法人顧客にビットコインなどの取引・保管を提供する。
08:45
ソラナブロックチェーン、混雑軽減のパッチを導入
今回正式にリリースされた「v1.17.31」は複数のアップデートにおける最初のものとなる。このパッチには、データパケットの処理方法と最適化の改善、特定のノードをその利害関係に基づいて分類する方法の変更、システムのローカルテスト環境におけるデフォルト設定の更新などが含まれている。
07:45
香港の仮想通貨現物ETF、アナリストが影響を分析
香港における仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFへの流入額は、最大5億ドルだとブルームバーグアナリストは分析。米国のETF市場と規模を比較している。
07:00
ビットコイン半減期まであと4日、コインベースが動画で価値の変遷辿る
米仮想通貨取引所大手コインベースは1週間を切った半減期カウントダウンに合わせて、ビットコイン関連のソーシャルメディアCMを公開した。
06:20
OKX、ソラナミームコイン2銘柄新規上場
これらの仮想通貨銘柄はこれまで価格が大きく上昇してきてソラナの代表的なミームコインとなった。MEWは前日比で25.7%値上がりしている。
05:50
STEPNとアディダス提携、NFTスニーカーリリースへ
NFTの第一段階ラッフルミントは、日本時間4月17日9時よりアローリストのメンバーのみを対象とする。このコラボNFTを保有しているユーザーには、特典が今後付与される予定だ。
04/15 月曜日
16:12
香港当局、ビットコインとイーサリアムの「現物ETF」を上場承認
香港当局は15日、アジア初となるビットコインETFとイーサリアムETFの上場承認を行なった。中国マネーの流入や米SEC(証券取引委員会)におけるイーサリアム現物ETFへの影響が注視される。
13:52
オーストラリア当局、無認可の仮想通貨マイニング企業3社を提訴 
豪当局は仮想通貨マイニング企業3社を提訴した。金融ライセンスを取得せずに、年金ファンドで仮想通貨関連商品に出資するよう勧誘していたとされる。
11:52
ビットコイン急落後の週明け相場、2400億円相当の大規模ロスカットも
イスラエルとイランの対立先鋭化および中東情勢悪化に伴いビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)相場が暴落して迎えた前週末。先物市場では2400億円相当の大規模ロスカットが発生した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア