- ICEの仮想通貨市場参入
- ニューヨーク証券取引所の親会社であるICE(インターコンチネンタル取引所)が、既存金融市場の投資家向けにビットコイン取引プラットフォームを開発しているようです。ICEはCMEやCBOEのような先物取引は取り扱わず、投資家が直接ビットコインを売買・保管するのに適したプラットフォームとするようです。
- 仮想通貨市場全体の加速へ
- CNBC Fast Moneyにて、BKCMの創業者でもある著名な仮想通貨投資家 Brian Kelly氏は、ICEによるビットコイン取引への参入を皮切りに、今後機関投資家が数百億ドル規模で仮想通貨市場に参入してきたら、この市場は過去にない規模で成長していくだろうとの見解を述べています。
ゴールドマンサックスやICEの仮想通貨市場参入
今週のはじめにCCNが報じたところによれば、ニューヨーク証券取引所の親会社であるICE(インターコンチネンタル取引所)が、既存金融市場の投資家向けにビットコイン取引プラットフォームを開発していると報道されました。
様々な報道がありますが、ICEはCMEやCBOEのような先物取引は取り扱わず、投資家が直接ビットコインを売買・保管するのに適したプラットフォームとするようです。
ニューヨークタイムズは以下のように報じています。
ニューヨーク証券取引所の親会社は大手の投資家がビットコインを買い、保有するためのオンライン取引プラットフォームの立ち上げに取り組んでいます。この情報はニューヨークタイムズが入手したEメールや文書、ならびに4人の関係者の話からわかったことですが、未だ機密事項であるため関係者の名前は明かせません。
ICEはデータを扱うことに力を注いでおり、データフィードを提供することによって、激しいボラティリティ(価格変動性)で知られる仮想通貨市場の透明性を確保しようとしています。
またICEは、ビットコインのスワップ取引やその他の金融取引についても検討を進めています。
投資ファームの創業者でもある著名な仮想通貨投資家 Brian Kelly氏が9日、FastMoneyの番組内で以下のような意見を述べました。
ニューヨーク証券取引所やゴールドマンサックスといったウォール・ストリート最大の金融機関がビットコイン取引に参入したことで、仮想通貨市場は短期〜中期でに急激にもりあがるでしょう。
ゴールドマンサックスは取締役会の承認のもと、仮想通貨取引へ参入する意向を5月2日に明らかにしています。
報道によると、ゴールドマンサックスは自己資本を基にして、ビットコイン価格と相関がある投資商品の提供に向け準備を進めているようです。
この投資商品はビットコイン現物を取り扱うものではなく、あくまでビットコインの価格と連動する商品としての性質を持っていると報道されています。
仮想通貨の現物取引の提供には、リスクなど常に付きまとうものの、ゴールドマンサックスは最終的に現物取引の提供までを構想しているとのことです。
仮想通貨市場全体の加速へ
Kelly氏は、ニューヨーク証券取引所の参入による仮想通貨市場の盛り上がりがさほど見られなかったことに驚愕したと強調しています。
XapoやCoinbaseと同様に、ICEとニューヨーク証券取引所の参入は機関投資家たちの資産の保管を強力にサポートすることを意味しており、投資家たちはこの大事な側面を見逃していると言うのです。
Kelly氏は以下のように述べました。
市場がさほどこのニュースに飛びついていないことに、実際のところ驚いています。CNBCのDominic Chu氏はビットコインの現物受け渡しが可能になると発言していました。この発言は大して興味をそそるものでもないように聞こえるかもしれませんが、ICEが資産の保管手段を提供することを意味しているという点で、実は非常に重要な内容です。これまでは資産の保管に大きな課題がありました。みなさんが資産を保管しようとする際、ほとんどの場合は金や無記名債権のようなものが用いられていたでしょう。そんな中で機関投資家向けに新たな資産の保管方法が提供されるのです。
同氏は、ICEによるビットコインを用いた資産保管方法の発展は仮想通貨が新たな資産クラスとなることを意味している、と強調しました。
さらに重要なことに、Kelly氏は以下のように発言しています。
新たな資産クラスとしての仮想通貨の成長は、数十億ドル規模の年金ファンド資本や寄付金、機関投資家たちの資産の仮想通貨への流入をもたらします。
最後に同氏はこう締めくくりました。
今回の件が、年金ファンド資本や寄付金からの流入も可能にしました。これまではこれらの資産保有者が、仮想通貨について精通した上でコンプライアンス的にも問題のない状態で投資を行うことは困難でした。ICEがアメリカ証券取引委員会が認可する形で仮想通貨取引を開始したら、市場は大きく開放され、前進するでしょう。
機関投資家や年金ファンド資本、寄付金からの資金流入がほとんどないままでも、仮想通貨市場はいまや5000億ドル規模に達しています。
今後、機関投資家が数百億ドル規模で仮想通貨市場に参入してきたら、この市場は過去にない規模で成長していくでしょう。
そうなれば2016年から多くの投資家が期待しているような、数兆ドルの市場規模となるはずです。