TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

EU、FATF準拠の国際送金ルールを仮想通貨に適用する法案を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FATFのトラベル・ルールに対応

EUの行政機関である欧州委員会(EC)が、暗号資産(仮想通貨)に金融活動作業部会(FATF)の定めるトラベル・ルールを適用する法案を公開した。マネロン・テロ資金調達対策(AML/CFT)を狙いとした一連の法案の一つとして発表された形だ。

FATFは国際的な金融規制機関であり、2019年にマネロン防止のための送金基準「トラベル・ルール」を発表している。法的な強制力を持つものではないが、FATFはハイリスク国や協力的ではない国のリストを公開するため、関係機関は対応を迫られているところだ。

トラベル・ルール

マネーロンダリング等防止のための国際的な電信送金に関するルールで、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)には取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められる。

対象となるVASP間の仮想通貨送金で、国際的な本人確認(KYC)ルールが適用されることになる。

▶️仮想通貨用語集

今回の法案によりEUは、マネーロンダリング防止・顧客身元確認ルールを徹底する中で、仮想通貨取引についてもより厳密に監視するための準備を整えたことになる。ただ、草案の内容については欧州議会で審議される必要があるため、実際に法律として施行されるのはまだ先のことになりそうだ。

草案では次のように説明されている。

本草案は、サービスプロバイダーによって行われた仮想通貨の移転にも規制の範囲を拡大する。この目的は、金融活動作業部会(FATF)による「仮想通貨」と「仮想通貨サービスプロバイダー」を対象とする推奨事項、特にトラベル・ルールに対応するために行われたEU法の改正を反映することだ。

草案によると原則的に暗号資産サービスプロバイダー(VASP)は、あるVASPから別のVASPへのトランザクションが、1,000ユーロ(約13万円)を超える場合に、送金者と受金者に関する情報を共有する必要がある。

仮想通貨ウォレットにもルール適用することを提案

欧州委員会(EC)の公式発表によると、草案は仮想通貨取引所などに対して、顧客の身元を確認し、顧客に関する情報が企業間で共有されるよう促すものだ。ECは次のように説明している。

現在、特定のカテゴリーの暗号資産サービスプロバイダーのみがEUのAML/CFTルールの範囲に含まれている。草案は、これらのルールを仮想通貨セクター全体へと拡大し、すべてのサービスプロバイダーが顧客の身元確認を実施することを義務付ける。

これにより、ビットコイン(BTC)など仮想通貨が転送される際に、完全に追跡できるようになり、マネーロンダリングやテロ資金調達の防止や検出が可能になる。

さらに、匿名の仮想通貨ウォレットは禁止され、ウォレットにもEUのAML/CFTルールが完全に適用される。

仮想通貨取引プラットフォームだけではなく、ウォレットについても匿名性をなくすことが提案された形だ。

一方で、こうした規制体制を構築することは、関連企業に経済的・時間的コストを強いることがこれまでも指摘されてきた。

今回の草案も、その点には言及している。欧州の仮想通貨業界からも、「トラベル・ルールを実施するための標準化された、グローバルでオープンソースな技術的ソリューション」が欠如しており、資金力のない中小の事業体が市場から排除されてしまうことを懸念する声が上がっているという。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧