MSTR社 2Q決算説明会
上場企業として最多の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の保有量を誇る米マイクロストラテジー社は米時間29日、2Q(第2四半期)の決算説明会を実施。売上は昨年の同時期比+13.4%で137億円(1.25億ドル)を計上した。
6月30日時点では、マイクロストラテジー社のビットコイン保有量は105,085BTC。依然として上場企業としてはダントツのBTC保有量で、2位にはテスラ社が42,069BTCと続く。
去年8月からの購入コストの総額は20億ドル(2,200億円)を上回っており、平均取得額は約285万(26,080ドル)だった。
また、2Qの決算資料によれば、手数料などを含む同社のビットコイン購入コスト(第2四半期)は578億円(5.2億ドル)。なお、6月末時点では、ビットコイン相場の低迷を受け、同社は755億円(6.9億ドル)減損損失を計上しているという。
マイクロストラテジー社の保有する10万以上のBTCの内、92,079BTCは傘下企業MacroStrategy LLCが保有していることを明かした。
今後のBTC戦略
また、マイケル・セイラーCEOは今後のビットコイン戦略について解説。引き続きビットコインを購入していくという方針を明かした。
質疑応答コーナーではBTC以外の仮想通貨銘柄を検討しているかと聞かれると、セイラーCEOは以下のように答えた。
弊社はデジタルなプロパティ(財産)であるビットコインに専念している。他の仮想通貨銘柄への投資は考えていない。
イーサリアムやDEXなどは異なるビジネス。その他のデジタル通貨(アルト銘柄)はビットコインとは違い、投資戦略ではなくあくまで価値の交換手段だ。
…最もリスクが少なく、なおかつ最も分散された投資戦略を選ぶなら、単純にビットコインを保有する事だ。
マイクロストラテジー社のPhong Li CFOもセイラーCEOと同様、同社のビットコイン戦略が「株主に大きな価値をもたらした」との見解を示し、今後もビットコインの追加購入を行なっていくと述べた。
ビットコイン業界の総括
さらに、セイラーCEOは2Qのビットコイン界隈の動向についても言及。
5月に中国政府が仮想通貨企業やマイニングに対する規制強化を表明したことを受け、マイナーが相次いで中国から撤退している動きを前向きに捉えた。ビットコイン・ネットワークの分散化や、保有者の分散化、長期的にビットコインの「西洋化」につながることを「良い傾向」とした。
他にもマイニング企業に資金が流入している傾向を称賛。マイナーが上場するなどして、資金を調達しており、今後もこの動向は続くと予測した。
また、大手企業や大型銀行がビットコインへの対応やビットコイン関連の投資商品を相次いで提供しているトレンドも高評価。
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12ヶ月前はビットコインを保有する上場企業はなかったが今では多数いることから、上場企業間でもBTC保有は今後も普及していくと予想したほか、過去にゴールドを購入していたマクロヘッジファンド系も今後関心を見せる可能性があると見越した。
さらに、マイクロストラテジー社としても引き続き企業や機関投資家、そして規制当局に対してビットコインに関する教育活動を行なっていくとセイラー氏は語った。